人形には正しい捨て方があるって知ってた?人形の本来の意味についても解説!

 
五月人形

あなたの家に人形はありますか?不要になった人形は、燃えるごみなどに出して良いと考えている人がいます。ですが、その捨て方は実は間違っているかもしれません。人形には正しい捨て方というものがあるのです。人形の意味と合わせて、正しい捨て方について解説します。

そもそも人形とは?

五月人形
人形には正しい捨て方というものがあります。それは、人形が単なるおもちゃではないからです。そもそも人形とはどういうものなのでしょう。人形の本当の意味や由来について知ると、正しい捨て方も理解できるでしょう。

そこで、まずは人形について解説していきます。

原型となっているのは土偶

人形の原型と言われているのは土偶(どぐう)です。歴史の教科書やテレビなどで見たことがある人もいるでしょう。土偶は昔の遺跡から発掘される目が大きな不思議な形の人形のことです。

土偶の本来の使い方は、まだ明確になっていません。ただ、神聖な儀式に使われたという説は、亡くなった人が寂しくないようにするためのものだったとも言われています。どちらにしても、人形は大変神聖なものとして扱われていたという痕跡が残っています。

人形は昔は神様の依り代だった

昔の日本での人形は、神様の依り代とされていました。

神様は本来は人間の目には見えないものです。人間の目には見えないため、大切な言葉なども人間に伝わりにくいということが多々あったようです。神様からの言葉を人間に伝えるためには、人間の目に見える形にする必要があったと考えたのです。

そこで、用いられたのが人形です。人形を作って祀ることで、そこに神様が宿り、人間に大切な言葉やお話を伝えてくれるとされていました。神様が宿る依り代の人形は、誰でも触ることができるものではなく、神職と言われる人しか触れることができなかったそうです。

時代と共に子供の身代わりとしての役目を担う

時代の流れとともに、人形は子供の遊び道具へと形や役目を変化させていきます。ですが、ただ単に子供の遊び道具として使われていたわけではありません。

親が子供に人形を与えるのは遊び道具としての意味だけではなく、子供の身代わりという意味も込められていました。昔は子供は7歳までは神様のものとされ、病気で子供が命を落とすということがたくさんありました。この時、子供に人形を与えておくとその人形が子供の代わりとなって神様のところへ行ってくれると考えられていたのです。

現在では、人形と言うと女の子のイメージが強くあります。ですが、昔は男の子にも人形が与えられました。大切な子供の身代わりですから、男の子にも人形が与えられたのは当然と言えるでしょう。

正しい捨て方をしなければならない人形

お内裏様
人形には正しい捨て方というものがあります。ですが、すべての人形で、正しい捨て方をしなければならないというわけではありません。

必ず正しい捨て方をしなければならない人形についてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

雛人形

正しい捨て方をしなければならない人形の代表とも言えるのが、雛人形です。雛人形は女の子が生まれた時に用意する人形ですが、これには子供の身代わりという意味が込められています。子供に降りかかる不幸を、雛人形が身代わりになってくれるようにという願いを込めて、親が用意をするのです。

そのため、雛人形は子供の分身とも言えます。不要になった雛人形を処分する際、ゴミとして捨ててしまうと子供の分身ですから、持ち主である子供に不幸が襲い掛かると言われています。

五月人形

五月人形も正しい捨て方をしなければならない人形の代表です。雛人形が女の子のための人形なら、五月人形は男の子のための人形だからです。

五月人形も雛人形と同じで、子供の身代わりという意味が込められています。生まれた子供が元気に成長し、立派な大人になって成功するようにという願いが五月人形には込められているのです。五月人形は男の子の分身という役割を担っています。

日本人形

日本人形も正しい捨て方をしなければならない人形です。と言っても、すべての日本人形で正しい捨て方をしなければならない、というわけではありません。

子供が生まれた時、雛人形とは別に日本人形を用意する場合があります。これは明確に子供の身代わりとして用意しているものです。いわば子供の分身ですから、ゴミとして捨てるのは決して良いとは言えません。

また、名工が作ったとされる日本人形も正しい捨て方をしなければいけません。何故なら、名工が作った日本人形には、その人の魂が宿っているとされているからです。心を込めて人形を作るということは、言い換えるなら魂を込めて人形を作るということです。そのため、その人形には人形としての心や魂が宿っていると考えられています。

こけし

こけしも正しい捨て方をしなければいけません。なぜなら、こけしは作り始めた人たちに大きく関係しているからです。

こけしは湯治場でのお土産品として売られ始めた民芸品です。このこけしを作り始めた人たちは、実は仏器や神器などを作っていた職人さんでした。そのような神聖なものを作っていた人たちが作ったこけしにも、特別な力が宿っていると考えられるようになりました。

現在のこけしの多くは機械で作られています。ですが、本来のこけしは神聖な道具を作っていた職人さんが心を込めて作ったものでした。この考えが残っているため、現在のこけしも正しい人形の捨て方をしなければならないとされています。

高砂人形

高砂人形は、夫婦円満を願って敬老の日に贈る人形です。現在は数が少なくなっていますが、床の間などに飾られることが多くありました。

人間の夫婦円満を願って送る人形ですから、高砂人形そのものにも人間の思いや魂が宿っていると考えられています。ゴミとして捨てると高砂人形に宿った人間の思いや魂が悪いものとなるとされ、正しい捨て方をしなければならないとされています。

人形の正しい捨て方とは?

焔
人形の正しい捨て方とはどうすれば良いのでしょうか?最も良い方法として3つ挙げられます。その3つの人形の正しい捨て方をご紹介しますので、参考にしてください。

一番良いのは人形供養

人形の正しい捨て方として一番良いのは人形供養をすることです。

神社仏閣では、人形供養をしてくださるところがあります。そこに人形を持ち込んで人形供養をしてもらいましょう。もちろんただではありません。ですが、人形供養をすることで人形に宿った魂や思いが静まり、捨てても後で不幸が訪れるということはなくなります。

お焚き上げ専門の業者にお願いする

お焚き上げ専門の業者にお願いするという方法も、人形の正しい捨て方の一つです。

近くの神社仏閣で人形供養をしていない場合は、お焚き上げ専門業者に依頼すると良いでしょう。神社仏閣で行なっているお焚き上げと同じ方法で人形を供養してくれます。

人形供養代行サービスを利用する

最近では人形の正しい捨て方として、人形供養代行サービスというものもあります。これは、人形を郵送して供養してもらうという方法です。

人形供養やお焚き上げ専門業者に依頼すると、その場所へ赴かなければいけなかったり、時間がかかったりすることがあります。

人形供養代行サービスは、自分で供養のために赴く必要はありません。供養して欲しい人形を郵送で送れば、あとは業者が人形供養をして処分してくれます。

まとめ

人形の正しい捨て方について解説してきました。現在は人形はおもちゃとしての意味がとても強くあります。ですが、本来の人形は人間の身代わりとして役目を担っていました。人形は大切にすればするほど、思いや魂が宿ると言われています。処分する際にはゴミとして捨てるのではなく、人形供養などをして正しい捨て方をされることをお勧めします。

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