2017年11月29日 更新

おせち料理に込められた意味合いと食材の分類

おせち料理には「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」と大きく分けて5つの分類があることをご存知ですか。これにはそれぞれ縁起物としての意味合いやいわれがあり、懐石料理と同じようなコース形式でもあります。ここでは、おせち料理における5つの分類がどんなものなのかを紹介していきます。

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祝い肴

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本来は祝い膳に出される酒の肴のことを指し、鯛や鯉のことをいいますが、おせち料理における祝い肴は関東においては、黒豆・数の子・ごまめ、関西では黒豆あるいはごまめ・数の子・たたきごぼうの3つをいいます。これら3種類にお雑煮が加われば、それだけでもおせち料理といえます。かつてはお正月のみならず、結婚式などお祝いの際には必ず食べられていたおめでたい料理で、黒豆には「まめに暮らせるように」、数の子は卵の数が多いことから子孫繁栄の願い、ごまめは肥料にカタクチイワシが使われると、その田んぼが大豊作となったことから五穀豊穣の願いが込められているなど、それぞれに意味合いがあります。関西のおせち料理に家業繁栄を願うたたきごぼうが加えられているのは、商人の町大阪ならではといえます。

口取り

おせち料理では二の重か地域によっては一の重につめられる口取りは元々会席料理のひとつで、食事のはじまりに皿盛りにしてお吸い物と一緒に出す料理のことです。最初はお酒のつまみのようなものでしたが、徐々に甘いものも含まれるようになり、世代を問わず食べられる料理になっていきました。おせち料理においては伊達巻き、きんとん、昆布巻き、紅白かまぼこといったものがお重につめられます。伊達巻きの「伊達」とは華やかさを表す言葉であるのをはじめとして、きんとんには栗が使われているので「勝栗」、色は黄色の財宝を意味していて、昆布巻きは「喜ぶ」の語呂合わせです。紅白かまぼは半円形を初日の出に見立てていて、赤は邪気を払い、白は清らかという、おめでたい色の組み合わせです。

焼き物

お節料理において、焼き物は、焼き魚が定番です。一般的なものは鯛、ぶり、海老といったところです。珍しいところではうなぎが加えられることもあります。鯛は「めでたい」の語呂合わせでもありますが、江戸時代から「人は武士、柱は檜(ひ)の木、魚は鯛」といわれ、姿や形もよいために、祝膳には欠かせない食材です。ぶりはツバス(ワラサ)、ハマチ、メジロ、ぶりと成長によって呼び名が変わっていくことから出世魚としておせち料理では照り焼きにされます。また、海老はひげが長く腰が曲がった姿から、長寿の象徴とされています。脱皮を繰り返すことから、出世を願い生命の更新を意味するものでもあります。ちなみにうなぎはうなぎ登りという意味合いからですが、用いられるようになったのは近年のことのようです。

酢の物

おせち料理の酢の物によく使われるのはなます、れんこん、ちょろぎなどです。なますは大根、人参、生魚を酢漬けにしたもので、根と人参を混ぜることで、色合いをよくすると共にお祝い事で用いられる水引きをイメージしています。れんこんも酢漬けにしますが、複数の穴が開いているため、将来をよく見通せるという意味合いがあり、家族の将来の将来や見通しが明るいものであるようにとの願いが込められています。ちょろぎはシソ科植物の根で酢の物の代表格ですが、漢字を当てると「長老喜」のため、長寿を意味する食材です。ちょろぎは黒豆と共に出されることも多く、「まめに働いて健康で長寿であるように」との願いも込められています。

煮物

おせち料理に煮物を入れるのは、煮物は根菜が中心のため、家族が仲良く一緒に結ばれるという意味合いがあります。よく用いられるのは里芋、たけのこ、くわいなどです。里芋には親芋のまわりににたくさん小芋がつくため、子宝に恵まれるようにとの願いが込められています。また、たけのこは成長が早いので、子供がすくすく育つようにとの願いや、天に向かってまっすぐ伸びる姿から、立身出世を願う意味もあります。くわいは大きな目が出るので、「めでたい」にかけられており、「芽が出る」として出世も祈願されています。また、黄色に色付けすることでお金や豊かさもあらわしています。このように、おせち料理の食材はそれぞれに願いが込められてお重につめられています。お正月を迎えたら、さまざまな食材のさまざまな意味を考えながら、おせち料理を召し上がってみてはいかがでしょう。
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