これってどうなの?「稲の豊作」と「稲妻」の関連性について

 

 

意外と知られていない「稲妻が多い年は稲が豊作になる」という言い伝えですが、実際のところはどうなのでしょうか?昔から言われていても、現代の気象条件に本当にあてはまるのか、またその縁起についてもどのようなことがあるのか詳しく調べてみました。

稲と稲妻

もくじ

稲と稲妻

稲妻が稲の豊作につながるらしいのですが、
一体どうしてそのような風説があるのか、まずは具体的な話をまとめました。

稲妻と稲作の風説

稲穂

稲穂

稲妻の本来の意味合いは
稲穂も関係がある?
稲妻の語源は「稲の夫(つま)」です。
なぜ電光が稲のつまなのでしょう。
それは雷光が稲を妊娠させると考えられていたからです。
昔、雷が多いと豊作になることが多いため「雷光が稲に当たると稲が妊娠して子を宿す」と考えられたそうです。
稲妻は『稲の夫(つま)』という意味で,電光が稲に当たると稲が妊娠して子を孕む。
つまり電光は稲の夫であると考えられていました。
いな‐ずま〔‐づま〕【稲妻/▽電】

《稲の夫(つま)の意。稲の結実期に多く起こるので、これによって稲が実ると考えられていた》

雷が当たって稲が孕むという考え方もユニークです。
稲が実る時期に雷が多く発生するという時期的なことも踏まえた意味合いがあるようです。

稲と稲妻の関係

稲妻

稲妻

稲妻が多いと稲が豊作に?
雷は古来「稲妻」と呼ばれ、雷が多い年は豊作になると言われてきました。また、「稲妻ひと光で稲が一寸伸びる」や「雷と稲光は稲をよく育てる」などという表現によって各地で語り継がれてきました。さて、雷と稲の生育に関係は本当にあるのかということが今回のテーマになりますが、夏期から初秋にかけての時期に雷は多発することが多く、その時期は稲の生育時期でとても大切な時期と一致することが大きく関係しています。
雷が雨をもたらすので、豊作との関係

「稲」という文字が使われるのは、雷の電光が稲を実らせると考えられていたという説がある。
日照りの続く夏の夕方、稲光とともに降る夕立は、稲の実りをもたらすともいえます。
雷はさまざまな形で、民間信仰と結びつき、迷信や言い伝えに残っています。

雷が発生すると、空気中に窒素肥料ができます。
それが地表に落ちてきて、畑の稲の肥料と
なって稲の成長を促進します。
雷の多い年は稲が豊作と言われる由縁です。
気象学的には,雷が多いとき,降水量や日照が多い,気温が高いなど,

稲の生育に都合がよく,昔の人は雷が多いと豊作になることを経験的に知っていたようです。

また,雷の空中放電により,空中の窒素が分解され、それを雨が地中に溶かし込むと、

その土地は栄養分豊かな土地になるので,豊作に大きく寄与するともいわれています。

どうやら単なる言い伝えだけでなく、気象学的な根拠があるようです。現代でもその根拠は通用します。

稲妻と神様の縁起つながり

稲妻が多いと・・・

稲妻が多いと・・・

豊作、間違いなし!
大和言葉「かみなり」の語源は、昔、雷は神が鳴らすもの、と信じられていたため「神鳴り」と呼ばれた為。
雷と言う字は読んで字のごとく、「雨」が「田」の上をおおっているさま。稲の生育を見守る田の神は、冬の間山へと戻り、山の神となり、春の訪れを告げる春雷とともに再び里に下りてくる、という春秋去来の信仰があります。
私たちのごく身近にも、雷をかたどった意匠があります。神社の注連飾りや玉ぐし、お正月飾りの鏡餅などにたらされている段々に折られた紙を紙垂(しで)といいますが、これは一説では雷光、稲光をかたどったものといわれています。
確かに雷は神様が鳴らすような印象を受けますね。
また、田の神信仰は日本全国で見られます。
豊作を願ったりお祝いしたりするお祭りも各地で行われています。
縁起物として身近なものでは注連飾りや紙垂など、見たことのあるものばかりです。

まとめ

恵みの稲妻

恵みの稲妻

ただコワイだけじゃない、
ありがたい存在なのです
これまで、稲が豊作になるといわれる稲妻のいわれやその縁起物について見てまいりました。
普段の生活ではあまりなじみがない風説かもしれませんが、ごはんを食べるときにでも、
これは雷様がくれた宝物なんだな、などと感謝して召し上がると一層おいしく感じるかもしれません。
絵写経

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