「安産祈願の神社・お寺の選び方が分からない」という妊婦さんは多いのではないでしょうか。
そこで、おすすめなのが、安産のご利益あらたかな神様・仏様から選ぶ方法です。
今回は、安産のご利益で有名な神様・仏様と、お祀りされている神社仏閣を紹介します。ぜひ安産祈願の場所選びの参考にしてくださいね。
もくじ
安産祈願にご利益のある神様・仏様【5選】
あまり知られていませんが、日本には安産の神様・仏様がたくさんいらっしゃいます。
その中でも、とくに安産のご利益あらたかな神様・仏様を紹介します。
鬼子母神(きしもじん)
鬼子母神(きしもじん)は、元は鬼でありながら崇拝されるまでの存在になった仏様です。仏教の世界では、訶梨帝母(かりていも)と呼ばれることもあります。
鬼女である鬼子母神は500人以上の子どもを産んだとされています。しかし、たくさんの子を育てるために人間の子をさらい食べたことから、人々から恐れられ憎まれました。
その光景に心を痛めたお釈迦様は、彼女の末っ子を隠し、我が子を失う悲しさと命の大切さを説いたと言われています。それ以来、鬼子母神は自らのあやまちを悟り、全ての子ども達を守る仏様となったのです。
今でも子どもを守護する善神として、安産や育児のご利益で人々に崇拝されています。
鬼子母神を祀るお寺は全国に複数ありますが、下記はとくに安産祈願で訪れる人が多いお寺です。
◆お参り・祈願できるお寺
・威光山法明寺 鬼子母神堂(東京)
・正中山 法華経寺(千葉)
・西龍華具足山 立本寺(京都府)
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
日本全国いたるところで見かけるお地蔵様は、れっきとした仏様です。正式には「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」と呼ばれます。
仏教において地蔵菩薩は閻魔(えんま)大王の化身とも言われ、さまざまな能力で六道(全ての生き物が生まれ変わる六種類の世界)を巡りながら人々を救う存在とされています。
昔から身近な守り神として信仰され、地域によっては子どもの守り神として大切にされてきました。とくに関西地方ではそういった文化が色濃く残っています。
また、一部のお寺では「子安地蔵」と呼ばれる地蔵菩薩もあり、子宝・安産のご利益がある仏様としても信仰を集めています。
子安地蔵に安産祈願してもらえるお寺は、下記が有名です。
◆お参り・祈願できるお寺
・子安山 帯解寺(奈良)
・易産山護国院 地蔵寺〈通称:子安地蔵寺〉(和歌山)
・延生山 城興寺〈通称:延生地蔵尊〉(栃木)
木花咲耶姫(このはなさくやひめ)
木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は、日本神話に登場する姫です。
絶世の美女であったとされ、ある日に天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に一目惚れされ、妻となりました。
しかし、たった一夜で身ごもったことから不貞を疑われてしまいます。
そこで木花咲耶姫は、宿した子どもが夫の子であることを証明するために驚きの行動に出ます。
「もし他の男の子種であれば、きっと母子ともに死ぬはずだ」と言って産屋に火を放ち、その中で3人の子を無事にお産して見せたのです。
この伝説から木花咲耶姫は今でも安産の神様として信仰されています。父親が山の神であるため、揃って山の神様として祀られていることもあります。
木花咲耶姫に安産祈願ができる神社は、下記が有名です。
◆お参り・祈願できる神社
・富士山本宮浅間神社(静岡)
・梅宮大社(京都)
・都萬神社(宮崎)
神功皇后(じんぐうこうごう)
神功皇后(じんぐうこうごう)は、第14代目の仲哀(ちゅうあい)天皇の妻だった女性です。
妊娠中でありながら軍を率いて朝鮮半島に渡り、韓国の三国を治めたという驚きの逸話が日本書紀の中に残っています。
出兵時すでに臨月であった神功皇后は、出産を遅らせるために鎮懐石(ちんかいせき)と呼ばれる石をお腹に当てて帯で巻きました。
鎮懐石は「事を終えて無事出産するように」と祈念した石です。この時に使った帯が、安産祈願で使う「岩田帯」の由来とされています。
そして帰国後は、後の応神天皇を無事に出産しました。このような逸話から神功皇后は安産・子育ての女神として多くの妊婦さんから信仰されています。
神功皇后を祀っている神社は全国に数多くありますが、有名どころは下記のとおりです。
◆お参り・祈願できる神社
・宇美八幡宮(福岡)
・御香宮神社(京都)
・住吉大社(大阪)
矢乃波波木(やのははき)
矢乃波波木(やのははき)は、掃除道具である「箒(ほうき)」に宿るとされている女神です。お産のときに妊婦と赤ちゃんを守ってくれる神様として信仰されています。
箒(ほうき)はありふれた道具ですが、昔は呪術にも使われるような神聖なものでもありました。
ゴミを掃き寄せる行為が霊魂をかき集める行為に変換されることで、箒は神秘的な力を持つと考えられたのです。
矢乃波波木が安産の神様として信仰されている理由は、その名前にあります。
名前の「ハハキ」の発音が「母木」に通じることから、「母木=生命を産む木」という考え方が生まれました。また、箒の掃き出す機能が、胎児を外に掃き出す(安産)を連想させることも理由と言えるでしょう。
矢乃波波木は、もともとは天照大神(あまてらすおおみかみ)の祀られた敷地を守る神様です。そのため、日本全国でも伊勢神宮内宮でしか祀られていません。
◆お参り・祈願できる神社
・伊勢神宮 内宮
無理は禁物!自宅で安産祈願する方法もあります!
安産祈願に無理は禁物です。
「大切な記念として行きたい」「一緒に行く予定の親族に断りづらい」などの理由で無理する妊婦さんもいますが、お母さんと赤ちゃんの体調や安全を最優先してくださいね。
妊婦さん本人の体調が思わしくない場合や少しでも不安がある場合は、キャンセルしても問題ありません。
とは言え、それでも何かしたいという場合は下記の方法で十分にご利益を授かれます。
代わりにお参り・祈願してもらう
安産祈願は、皆が同じ「戌の日」に行う傾向にあるので、ご祈祷の待ち時間なども発生しがちです。とくに人気のある寺社は混みやすく、負担となる場合もあるでしょう。
そこで、親しい関係の方に代わりに行ってもらう方法があります。
お寺や神社によっては、家族や友人が代理でご祈祷してもらうことも可能です。また、代わりにお参りに行ってもらって、腹帯やお守りなどを授かってきてもらうのも良いでしょう。
まとめ
安産祈願の寺社選びは、ぜひ神様・仏様から選んでみてはいかがでしょうか。
お参りする神様・仏様について少しでも知っていれば、何も知らずにお参りするよりも、よりご利益が期待できるかもしれません。
お参りの際は無理をせず、ゆったりとした気持ちで行ける日取りを選んでくださいね。より心のこもったお参りができるはずです。