七福神の一柱である「福禄寿」。頭とヒゲが長いおじいさん風と聞くと姿が思い浮かぶ人も多いはず。「七福神の一人」なのでお役目も「福を授ける」だけかと思っていたら、実は寿命をつかさどる神様として別の名前で、かの有名な陰陽師「安倍晴明」とも縁がったのです。
もくじ
七福神の一柱「福禄寿」とは
福禄寿(ふくろくじゅ)は、七福神の一つ。道教で強く希求される3種の願い、すなわち幸福(現代日本語でいう漠然とした幸福全般のことではなく血のつながった実の子に恵まれること)、封禄(財産のこと)、長寿(単なる長生きではなく健康を伴う長寿)の三徳を具現化したものである。宋の道士・天南星の化身や、南極星の化身(南極老人)とされ、七福神の寿老人と同体、異名の神とされることもある。 福禄人(ふくろくじん)とも言われる。
福禄寿は、名前は、幸福の福、身分をあらわす禄、寿命を表わす寿の三文字からなり、中国、道教の長寿神。南極老人星の化身であり中国の村や町に住み、人々の信仰を集めたといわれる仙人である。長い頭、長い顎鬚、大きな耳たぶをもち年齢 千歳という。
福禄寿はもともと福星・禄星・寿星の三星をそれぞれ神格化した、三体一組の神である。
福禄寿が七福神に入った理由
七福神の中に「布袋・福禄寿・寿老人」という日本ではほとんどなじみのないメンバーが入っているというのも「中国の知識に偏った禅僧が考えたから」という裏事情による。
昔むかしにでてきた「七福神」の中になぜ「福禄寿」がいるのか、その由来をこれだけに求めるのは難しいかもしれませんが、考えられそうな話です。
福禄寿の御利益は?
via bottlevoice.com
福禄寿は長寿の神として信仰 された。また福・禄・寿を備えた神は人徳も備わっていることから、人徳の神としても親しまれている。
招徳人望の神様として信仰されている。
幸福・福徳・財宝・人徳・長寿の神様です。
福禄寿が人間のすべての願いを叶える福の神として祭られるようになったのである。
福禄寿は己れを真に生かす深い知恵の大切さを教えている。
福禄寿の持ち物やお使い(使者・神使)
鶴・鹿・桃を伴うことによって、福・禄・寿を象徴する三体一組の神像や、コウモリ・鶴・松によって福・禄・寿を具現化した一幅の絵などが作られ広く用いられた。また、背が低く、長頭で長い髭をはやし、杖に経巻を結び、鶴を伴っている像とされる。
巻物を結んだ杖を持ち、長寿のシンボルともいえる鶴を伴っている。
福禄寿は杖を持って、鶴や亀を従えた姿に描かれることが多い。
福禄寿にあえるお寺
赤山禅院
赤山禅院の本尊・赤山大明神は、天にあっては福禄寿神、地にあっては泰山府君とされ、万物の命運を司るとされてきました。福禄寿神は、幸福・高禄・長寿の三徳をあたえられたとされています。みなさまの商売繁盛・延寿・健康・除災を祈願していただくことができます。
の福禄寿にちなみ、赤山禅院では福禄寿のお姿をしたおみくじがあります。4色あり、一体一体手描きで書かれていることからお顔が微妙に異なる「福禄寿神のお姿おみくじ」。色や表情などを見て、お好きなものを選ぶことができます。
おみくじのお顔はすべて手書きでかかれているそうです。一つ一つ微妙にお顔が違う「福禄寿神のお姿おみくじ」は選ぶのも楽しそうです。
深川七福神 心行寺
福禄寿は、心行寺の六角堂に安置されています。
福禄寿は星宿の神、南十字星の化身といわれて、長寿をつかさどる人望福徳の福神であります。
一説には、中国の宋の時代、嘉祐年間(1056~)に実在した道士であると言われています。
福禄寿は、背たけが低く、頭がきわめて長く、白髪童顔の姿をし、年齢数千年といわれ、杖を右手に、左に長命の鳥、鶴を従え、円満な人格を人々に授ける福神であります。
また、福(幸福)と禄(財)と寿(長命)の3つの福徳を授ける福神ともいわれてきました。
蓮馨寺
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当山の尊像は右手に霊芝、左手に神亀を持たれ、癌や脳卒中を早く治しなさい、そうすれば、福禄寿が得られますと教えています。
小江戸川越七福神の第五霊場として「福禄寿神」が祀られ、人々を幸福へと導く神として参詣者で賑わう。
福禄寿と安倍晴明の繋がり
via ameblo.jp
福禄寿は、中国の宋時代(960~1279)にあらわれた道士で年齢は数千歳という人物のことだともいう。いずれにせよ、仙人のような人物がモデルになっているようだ。
また、と泰山府君であるともいわれる。泰山とは中国五山の一つで、その神が寿命を司るところから関連づけられたようだ。
泰山府君祭(たいざんふくんさい)とい う陰陽道を代表する祭りは、安部晴明が始めたものである
泰山府君は人の寿命や魂を司る神といわれています。
この「泰山府君祭」は宮中で行われる秘祭で、天皇が臣民のためや自らの長寿のために陰陽師に行わせたと言われています。
宮中で行われる秘祭であるため、庶民が見る事は叶わずほとんど伝わっていません。また、映画「陰陽師」のなかでこの「泰山府君祭」は見せ場の一つとして出てきます。
この「泰山府君祭」は宮中で行われる秘祭で、天皇が臣民のためや自らの長寿のために陰陽師に行わせたと言われています。
宮中で行われる秘祭であるため、庶民が見る事は叶わずほとんど伝わっていません。また、映画「陰陽師」のなかでこの「泰山府君祭」は見せ場の一つとして出てきます。
そんな「泰山府君」が「福禄寿」のモデルとなったのも、福禄寿が「長寿」を司どる神であったからではないかと思われます。
最後に…
今回は「福禄寿」を取り上げました。
七福神といわれると「大黒様」や「弁天様」の名前や姿を最初に思い浮かべる方が多いのではないでし
姿形をみると「七福神の一柱」とわかるのですが、「寿老人」ともよく似ているので、
「大黒様」や「弁天様」に比べると「福禄寿」は名前を聞いただけでは姿形を思い出しにくいかもしれません。
その理由は知名度以外にもあるのかもしれません。
この「福禄寿」は「寿老人」と同一視される事があります。
完全に同じではないが名前が同じという事で「同体異名の神」とされることもあります。
「福禄寿」と「寿老人」を同一視、あるいはほとんど同じととらえた理由は、
禅宗の日本への到来と共に、一緒に輸入されたからということが考えられます。