蜂の巣は昔から縁起物として愛されています。蜂の巣を縁起物と考えているのは日本だけではなく、海外も同じなのです。どうして蜂の巣は縁起物とされているのでしょう。その理由や効果について調べてみました。海外での蜂の巣事情についてもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
もくじ
蜂の巣が縁起物とされる理由
蜂の巣は昔から縁起物として、日本で愛されています。中には蜂の巣をコレクションしている人もいるくらいです。
では、どうして蜂の巣は縁起物とされているのでしょう。そこにはさまざまな理由がありました。蜂の巣が縁起物とされている理由について調べましたので、ご紹介します。
家族を大切にするから
蜂の巣にはたくさんの蜂や蜂の子供、女王蜂などが生活しています。これらは同じ蜂の巣で生活する蜂にとっての大切な家族です。
特に蜂の巣のそれぞれの部屋には、蜂の巣の幼虫が生活しています。立派な成虫になるまで、たくさんの蜂たちに守られながら成長しているのです。また、蜂の巣の一番安全な場所には女王蜂がいます。女王蜂は、蜂の子供以上に大切に守られているのです。
このように、蜂は自分たちの家族をとても大切にしています。外敵から守るだけではなく、蜂の巣の中が暑くなった場合は自分たちの羽根の羽ばたきで蜂の巣の中に涼しい風を送ります。また、蜂の巣の中が寒くなった場合は、たくさんの蜂たちが入り口に集まり、蜂の巣の中の温度を上げるのです。
蜂たちの家族を大切にする姿から、蜂の巣そのものにも家族を大切にする愛情が宿っていると考えられるようになりました。愛情に悪いものはないため、蜂の巣そのものは縁起物と考えられるようになったのです。
蜂の巣からハチミツが取れるから
蜂の巣からはたくさんのハチミツが取れます。今も昔もハチミツは大変貴重で、天然のハチミツとなると、驚くほどの高値が付いています。
また、ハチミツは黄金色に輝いています。金色は昔から縁起物の色とされていました。お金という考え方もありますが、神様に宿る光そのものという考えもありました。神様の後ろに挿している後光は金色だとされているためです。
蜂に巣から取れる黄金色のハチミツは神様の色であり、神様からの大切な恵みです。そんな貴重なものがたくさん詰まった蜂の巣が縁起物とされるのは、当然と言えるでしょう。
たくさんの蜂が出入りするから
蜂の巣にはたくさんの蜂が住んでいます。じっくり観察するとわかりますが、たくさんの蜂が忙しく出たり入ったりを繰り返しています。
人間にとって多くの人たちが出たり入ったりすると言えば、商売です。蜂の巣のようにたくさんの人たちが出入りするくらい仕事がうまくいくように、という願いを多くの人たちが込めるようになりました。
それがやがて軒先や店先などに蜂の巣ができると、蜂がお客様を呼んでくれると考えられるようになります。蜂の巣の蜂の出入りが、商売でのお客様の出入りを表していると考えられるようになったのです。
ここから、蜂の巣そのものは縁起物とされ、特に商売をしている人たちの間で重宝されるようになったそうです。
海外でも蜂の巣は縁起物
蜂の巣を縁起物としているのは日本だけではありません。蜂は世界中にいますから、当然蜂の巣も世界中にできます。海外でも、蜂の巣は大変貴重な縁起物とされているのです。
海外では蜂の巣をどのような理由で縁起物としているのでしょう。その理由について調べましたので、ご紹介しましょう。
蜂の巣は神様の使いが住む場所
欧米では、蜂の巣は神様の使いが住む場所と考えられています。これは、蜂そのものが神様の使いだと考えられているからです。
中でも特にミツバチは神様のお使いとされて大切にされています。自分の家にミツバチの巣ができると、それはその家の誰かが天に召されることを示していると考えられているようです。
日本では生きている人間が天に召されることはとても悲しいことであり、不吉なことでもあるとされています。ですが、欧米ではキリスト教の考えが根付いているため、天に召されることは素晴らしいことだとされています。
欧米にとってミツバチが知らせてくれる死の知らせは、人間が現世を離れて神様の下へ旅立っていく喜ばしい知らせとされているのです。そのため、蜂の巣は縁起物とされています。
蜂の巣は家族の大切な家
ヨーロッパでは、蜂の中でも特にミツバチは家族の一員と考えられています。ミツバチはとても働き者で、人間に幸運をもたらしてくれると考えられているからです。
そのため、自分の家に蜂の巣ができると、「蜂が家族になった」とその家の人はとても喜ぶのだそうです。蜂の巣ができることは、その家や家族の繁栄の印とされ、家族全員で蜂の巣をとても大切にします。
蜂の巣の中でもスズメバチの巣はさらに縁起物
一言で蜂の巣と言っても、蜂にもさまざまな種類があります。ミツバチクマバチ、アシナガバチやスズメバチもいますよね。これらの蜂の中でも、特にスズメバチが作る巣は、他の蜂の巣に比べて更に縁起物とされています。
なぜ、スズメバチの巣は他の蜂の巣に比べて更に縁起物なのでしょう。その理由について調べましたので、ご紹介します。
入り口が一つしかないため千客万来
スズメバチの巣は、実は入り口が一つしかありません。ミツバチなどの他の蜂の巣は、入り口がたくさんあるのですが、スズメバチの巣は入り口が下の方にたった一つだけなのです。このたった一つだけの巣から、たくさんのスズメバチが出入りします。
たくさんのスズメバチが一つの入り口から出入りする様子は、商売人にとってはたくさんのお客様が自分のお店に訪れてくれるという状況を連想させます。スズメバチの激しい出入りに、お客様の激しい出入りを重ね合わせたのです。
そのため、商売人にとってのスズメバチは、千客万来をもたらしてくれる大切な縁起物とされています。スズメバチの巣のような激しい出入りが、自分の店にも起こると考えられているのです。
大きな巣を作ることから商売繁盛
スズメバチの巣をテレビなどで見たことがある人もいるでしょう。その大きさは他の蜂の巣とは比べ物にならないくらい大きく、大人が二人がかりで抱えないといけないものもあります。
スズメバチの巣が大きくなればなるほど、その巣にはたくさんのスズメバチが住んでいるということになります。当然、一つしかない入り口からのスズメバチの出入りも激しくなります。これが、商売繁盛を連想させるのです。
蜂の巣が大きくなればなるほど、商売が成功すると言われています。たくさんのお客様が自分のお店に押し寄せ、売り上げが上がるとされているのです。中には商売繁盛を願って、わざわざ大きなスズメバチの巣を購入する人もいるくらいです。
泥棒除けや魔除けになる
スズメバチの巣は泥棒除けや魔除けになると言われています。
スズメバチはとても獰猛で、敵が人間だった場合は髪の毛や目を攻撃します。これは、黒いものに攻撃するという習性があるからです。玄関先などに大きなスズメバチの巣があったら、泥棒は当然その家を避けるでしょう。
また、スズメバチを嫌うのは人間だけではなく、目に見えない魔も嫌うと言われています。それだけスズメバチの攻撃は恐ろしいということです。
そのため、スズメバチの巣がある家は安泰をもたらしてくれると言われています。泥棒はもちろん、目に見えない魔も退けて守ってくれるとされているのです。
まとめ
蜂の巣は昔から人間にとって幸運をもたらす縁起物とされてきました。蜂はとても働き者ですから、働き者の蜂を見習うことでより大きな幸運がもたらされると考えられていたのでしょう。蜂の巣を見かけたら、縁起物として見つめてみてください。すると印象や見方が変わってくるかもしれません。