あなたは座禅をしたことがありますか?
サラリーマンの間では、朝活の一環として座禅を組むことが習慣になっている人が多いそうです。
和の心を体験する座禅の歴史、そしてやり方や作法について調べましたのでご紹介します。
もくじ
座禅の歴史
修行でよく行なわれる座禅。
最近では、精神統一や朝活の一環として座禅を組むことを習慣にしている人たちもいるようです。
そんな座禅の歴史について調べてみましたので、ご紹介しましょう。
一番最初に座禅をしたのはお釈迦様
座禅の歴史は2500年前にさかのぼります。
仏教を開き、更にその道を極めようと努力をしていたお釈迦様、あらゆる苦行を行なっていました。
苦行とは自らの肉体を痛めつけることで、より高い意識や気持ちを持つということ。
お釈迦様はあらゆる方法で自らの肉体を痛めつけて悟りを開こうとしましたが、まったく効果が得られません。
ある日、お釈迦様は苦行で悟りは開けないと思い、方法を変えました。
それは菩提樹の根元に草を敷き、その上に足を組んで座って呼吸を整えるという方法です。
これが座禅の始まりだと言われています。
お釈迦様は7日間座禅を組み続け、あらゆる誘惑に打ち勝って悟りを開くことができました。
だるまは座禅を組んだ達磨大師
縁起物として有名なだるまは、実は座禅を組んだ達磨大師の姿だと言われています。
達磨大師は人里離れた山寺にこもり、9年間座禅を組み続けました。
その姿から人形のだるまが生まれたと言われています。
ちなみに達磨大師が座禅を組んだ修行をしている最中に、一人のお坊さんが教えを乞うために訪れます。
ですが、修行に夢中になっていた達磨大師はお坊さんに気づきません。
そこで、お坊さんは自らの手を切り落として達磨大師の前に投げ出します。
驚いた達磨大師は座禅を組むことをやめ、禅の道をそのお坊さんに教えたそうです。
座禅のやり方
座禅には正しいやり方というものがあります。
修行ですから、いい加減な方法で行なってはいけないのですね。
座禅の正しいやり方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.礼拝(らいはい)
座禅の会などに参加する際には、当然他の人もいます。その人たちに挨拶をするという意味を込めて手を合わせてお辞儀をします。
ただ、一人の場合は「これから座禅をする」という気持ちを込めて手を合わせ、自分がこれから座る場所に向かってお辞儀をしましょう。
この礼拝には、仏様や神様に挨拶をするという意味も含まれています。
座禅はあくまで修行の一環ですから、手を合わせてお辞儀をすることで心を清める、という意味も込められているのです。
2.座り方
座禅を組む際の座り方には、基本的に2種類あります。
1つ目は、結跏趺坐(けっかふざ)と言って、胡坐をかいた時に両足をももに乗せる座り方です。まず右足を左足のももに乗せ、次に左足を右足のももに乗せます。
2つ目は、半跏趺坐(はんかふざ)と言って片方の足をももに乗せる座り方です。
こちらは基本的には右足を左足のももの下に入れ、左足は右足のももの上に乗せます。
ただし、どちらの座り方も慣れていないと長時間体制を保つのは難しいでしょう。
座禅は精神統一が目的でもありますが、座り方が不安定では精神統一ができません。
そのため、一番自分が長時間座ることができる態勢を取ることが良いとされています。
3.姿勢
座禅では座り方以上に姿勢が最も重視されます。
背筋はまっすぐ伸ばしましょう。座り方によってどうしても背筋が曲がってしまう場合は、背筋がピンと伸びる座り方を工夫してください。
あごは少し引きましょう。少し顔がうつむくくらいにあごを引くと良いでしょう。
だいたい、あごの下あたりにこぶしが一つ入るくらいの隙間を開けて顎を引くと、ちょうど良い体制を保つことができます。
4.目
座禅を組む時、目を閉じてしまう人がいますが、正しい座禅の組み方では目は閉じていません。
実は半分開いた状態を保っているのです。
視線は少し下に落とします。だいたい45度くらいに落とすと良いでしょう。
一点を見つめるのではなく、周囲の景色をぼんやり視野に入れることを意識してください。
5.手の組み方
座禅での手の組み方を、『法界定印(ほっかいじょういん)』と言います。
まず最初に手を軽く振って力を抜きます。
右手を手のひらが上になるようにして、自分のおへその前に出し、その手のひらの上に左手を手のひらが上になるように乗せてください。
最後に両手の親指の先を軽くくっつけて完成です。
美しい楕円形の輪を作るようにして手を組みましょう。
6.呼吸法
最後に呼吸に意識を向けます。
座禅での呼吸は腹式呼吸を行なうのが基本です。
息を吸う時には鼻でゆっくり息を吸います。
息を吐く時は軽く口を開け、ゆっくり息を吐きましょう。
普段の呼吸よりも意識してペースを遅くしてくださいね。
座禅での大切な作法
座禅は自分一人で行なう場合もありますが、お寺で大勢の人たちと行なうこともあります。
そのような場合には必ず守るべき作法があります。
座禅での大切な作法をご紹介しますので、参考にしてください。
所作はゆっくり丁寧に
足音を大きく立てて歩いたり、身振り手振りを激しくしたりするのは厳禁です。
周囲の人たちに迷惑をかけてしまいますし、落ち着かない気持ちにさせてしまうこともあります。
座禅に入る前は動作や所作は意識して、いつももよりもゆっくり丁寧に行なうようにしましょう。
すると、気持ちも穏やかになって座禅を入るための精神的な姿勢が出来上がります。
警策(きょうさく)の受け方
座禅の姿勢が悪かったり、途中で眠くなってしまったりすると、僧侶が警策をしてくださいます。
警策は決して警告ではなく、心を整えたり励ましたりしてくださっているという合図なのです。
警策を受ける前には、必ず右肩を打って予告をしてくださいます。
予告されたら手を合掌の形にし、左に首を傾けましょう。
警策をして頂いたら首をまっすぐに起こし、状態を前に倒してお辞儀をします。
警策をして頂いてありがとうございます、という感謝の気持ちを表しているのです。
その後、手は法界定印(ほっかいじょういん)に戻します。
服装は地味で身動きができるものを
座禅はあくまで修行ですから、服装を華美にするのは感心できません。
服装の色は抑えめにして、パンツスタイルで行ないましょう。
ただし、あまり窮屈な服装では、座禅に集中することが難しくなります。動きやすい服装をお勧めします。
アクセサリなども、長いネックレスをつけている場合は外してバッグの中に入れておきましょう。
ブレスレットなどもできれば外しておいた方が良いでしょう。
座禅が体験できるお寺
定期的に座禅が体験できるお寺があります。
関西と関東で分けてご紹介しますので、興味がある方は足を延ばしてみてください。
座禅が体験できるお寺【関西編】
・南禅寺(なんぜんじ)
毎週日曜日の午前6時から座禅会が催されています。
朝食会付きですので、座禅友達ができるかもしれませんよ。
住所:〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話:075-781-8025
参加費:無料
ホームページ:http://www.nanzen.net/index.html
・天龍寺(てんりゅうじ)
毎月第二日曜日の9時から座禅会が行なわれています。
予約不要で無料で参加することができます。
住所:〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話:075-881-1235
参加費:無料
ホームページ:http://www.tenryuji.com/index.html
座禅が体験できるお寺【関東編】
・香林院(こうりんいん)
毎週月曜日から金曜日まで朝7時から座禅会が行なわれています。
日曜日は夕方にも座禅会が開催されているので、平日は難しいという方も参加できます。
住所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-1-21
電話:03-5467-2963
参加費:無料
ホームページ:http://kourin-in.com/index.html
・永平寺別院長谷寺
毎週月曜日18:30~20:30に座禅会が行なわれています。予約不要で、10分前までに受付を済ませて参加します。
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目21−34
電話:03-3400-5232
参加費:100円
ホームページ:http://chokokuji.jiin.com/zazen-monday/
まとめ
座禅を組むことで、気持ちの整理がついたり頭がすっきりしたりする効果が得られます。
座禅を日課にすると、毎日清々しい気持ちで過ごすことも可能でしょう。
最近頭が重い、気分がもやもやするということがある場合は、ぜひ座禅を組んでみてください。
たった10分程度の座禅でもきっとすっきりしますよ。