福の神と聞いて大黒様や恵比寿様を思い浮かべる人は多いと思います。あるいは、宝船に乗った七福神を思い浮かべる人もいるでしょう。では、縁起が良いと言われている七福神とはそもそもどんな神様なのでしょうか。ここでは開運のシンボル・七福神についてご紹介します。
もくじ
七福神とは?
七福神とは以下の神様達の事を言います。
布袋……大きな袋を持った神様です。袋の中には財宝が入っていて、信心深い人に配られると言います。夫婦円満や子宝の神様として有名です。
大黒天……大自在天が大国主命と神仏習合した姿です。財宝や福徳海運の神様。
恵比寿……伊弉諾・伊弉冉の子どもで、3歳になっても歩けなかったことから海に流されてしまいました。商売繁盛・漁業の神様です。
福禄寿……鶴と亀を連れた老人の姿で描かれる神様です。長寿・福徳・人望の神様として信仰されています。
寿老人……長い頭が特徴の神様です。団扇や桃を持った姿で描かれ、長寿延命・富貴長寿の神様と言われています。
弁財天……唯一の女神さまで、琵琶を持っている姿で描かれることが多いです。芸事の神様として信仰を集めています。
毘沙門天……多聞天。武将の姿をしています。足で天邪鬼を踏みつけている姿で描かれることが多いです。勝負事の神様と言われています。
七福神と初夢
では、この七福神の乗った宝船は、いったいどこから来たのでしょうか?答えは江戸時代の絵にあります。
江戸時代、人々は良い初夢を見るために、七福神の乗った宝船の絵を枕の下に敷いて寝ました。
その絵には、
「永き世の遠(とお)の眠(ねぶ)りのみな目ざめ波乗り船の音のよきかな」
という回文(上から読んでも下から読んでも同じ文章)が書かれており、この回文を唱えて眠ると良い初夢が見れると言われていました。七福神が宝船に乗るようになった時代は定かではありませんが、「七福神+宝船=とても縁起が良い」という図式は、江戸時代に確立されたものとされています。
どこから来たの?
実を言うと、七福神は日本で生まれた神様ばかりではなく、実に多国籍です。日本で生まれた神様もいれば、インドにルーツがある神様もいて、中国で信仰されていた神様もいます。
布袋は仏教の弥勒菩薩の化身と言われていますし、大黒天はもとは大自在天という神様で、後に大国主命と神仏習合したお姿です。
毘沙門天はヒンドゥー教のクーベラ神が仏教に入ったお姿ですし、弁財天は「サラスヴァティー(吉祥天)」というヒンドゥー教の神様です。
寿老人と福禄寿は、星の化身とされ、中国の道教で広く信仰されていました。唯一日本で生まれた神様は恵比寿様です。
恵比寿様は伊弉諾・伊弉冉の子どもで、満三歳になっても歩けなかったことから海に流されてしまったと伝わっています。一説には、少彦名(スクナヒコナ)とも呼ばれ、海外から日本にやってきた神様とするところもあるようです。
ご利益は?
では、早速それぞれの神様のご利益を見てみましょう。
布袋……夫婦円満や子宝
大黒天……財宝や福徳海運
恵比寿……商売繁盛
福禄寿……長寿・福徳・人望
寿老人……長長寿延命・富貴長寿
弁財天……芸事上達・良縁
毘沙門天……必勝・厄除け
お祀りしている場所によっては、これらのご利益以外のご利益もあると言われるところがあります。
七福神めぐりに行ってみよう!
「七福神めぐり」をする場合、七福神を祀る寺社仏閣は一つの地域に集まっていることがほとんどです。
車や電車を使わずとも、徒歩でめぐることもできるので、初詣などの際に足を運んでみると良いでしょう。