大晦日の恒例行事となっている除夜の鐘。最近は音がうるさいという苦情が出たため、昼間に除夜の鐘を打つ神社仏閣も出ているようです。大晦日の除夜の鐘にはとても大切な意味があります。大晦日の除夜の鐘に隠されていた効果についても解説してまいりますので、参考にしてみてください。
もくじ
除夜の鐘の意味とは?
大晦日に神社仏閣で打つ除夜の鐘。除夜の鐘自体にも意味がありますが、大晦日に打つということ自体にも大切な意味があります。
そんな大晦日の除夜の鐘の意味について調べました。ご紹介しますので、参考にしてみてください。
人間の煩悩を祓ってくれる大切な厄除け行事
除夜の鐘を打つのは、人間の煩悩を祓ってくれる大切な厄除け行事という意味があります。
人間の煩悩は悪い鬼を引き寄せる原因とされていました。ですが、実際に生きている限りではさまざまな煩悩にまみれて人間自体がけがれだらけになってしまいます。そのような状態では、新しい新年を迎える前に鬼にさらわれてしまうと考えられていたのですね。
けがれを落とし、鬼にさらわれることなく新年を迎えるためにと考えられたのが、大晦日に打つ108回の除夜の鐘です。けがれを落とすことで、清い肉体になって新年を迎えることができるという意味が込められているのです。
また、鬼は神社仏閣の鐘の音が嫌いという説もあります。鐘を打ち鳴らすことで鬼を退け、安全に新年を迎えられるようにという願いも、大晦日の除夜の鐘には込められているのです。
煩悩を祓って悟りを開きやすくする
除夜の鐘は、煩悩を祓って悟りを開きやすくするという意味もあります。
昔、人間は生きていることが修行だと考えられていました。その修行を乗り越えて悟りを開くことで、神様に近い存在になることができるとされていたのです。神様に近い存在になることは、それは大変素晴らしいことです。
除夜の鐘を打つことで煩悩を祓い、来年こそは悟りを開いて神様に近い存在になれますように、という願いが込められているのです
亡くなった後、極楽浄土へ行けるようにとの願い
亡くなった後、極楽浄土へ行けるようにとの願いも除夜の鐘には込められています。
人間は生きている間にさまざまな罪を犯してしまっています。その罪を帳消しにしてくれるのが除夜の鐘だったとされています。除夜の鐘を打つことで、生きている間に犯してしまった罪を悔い改めるという意味があったのです。
除夜の鐘を打つことで罪が許され、亡くなった時には極楽浄土へ行くことができる、と信じられていたのですね。除夜の鐘には自分自身の罪を反省するという意味も含まれていたのです。
悪い鬼に付け込まれないようにとの願いも込められている
悪い鬼に付け込まれないようにするという願いも、除夜の鐘には込められています。
鬼は鐘の音が大嫌いだったと言われています。鐘の音を聞くと、神様に叱られているような気持ちになり、鬼が逃げていくのだとか。
そんな鬼が嫌う鐘を打つことで鬼が遠ざかり、付け込まれないようになると信じられていました。また、除夜の鐘を打つことで神様からのご加護も得やすくなるという説もあります。鬼から守ってもらえ安くなる、ということですね。
除夜の鐘を108回つく意味とは?
除夜の鐘は必ず108回つきますよね。この108回という数字にも、実は大切な意味があります。
108回の除夜の鐘の意味について調べてみましたので、ご紹介しましょう。
人間の煩悩の数
108回というのは人間の煩悩の数と言われています。
人間の煩悩とは、「食欲」や「物欲」などのようなものから、「幸せになりたい」と思う気持ちや「お金がもっと欲しい」という願いも含まれています。このような煩悩は悟りを開く妨げになるため、落とす必要があると考えられていました。
除夜の鐘を1回つくごとに、人間の煩悩が一つずつ落ちてくのだそうです。108回つくことで多くの人間が抱きやすい煩悩をすべて落とすことができる、ということですね。
そのため、除夜の鐘は必ず108回打つとされているのです。
1年という意味がある
108回ということには、1年という意味があるという説もあります。
現在での1年は365日ですよね。ですが、昔は1年は108日と考えられていました。それは月数の12と、二十四節気の24を足し、更に七十二候の72を足します。すると108日になりますよね。
現在と昔とでは1年の日数の数え方が異なっていたのです。そのため、108回は1年を表す108日の意味があるという説もあるのです。
「四苦八苦」という言葉を表している
108回には、「四苦八苦」という言葉が表されているという説もあります。
4×9+8×9=36+72=108ということで、108回除夜の鐘をつくということです。108回除夜の鐘をつくことで、四苦八苦するような状況を退けるという意味があるのだとか。
心穏やかに一年を過ごすことができるように、という願いが108回に込められているということです。
除夜の鐘を大晦日につく意味とは?
除夜の鐘はどうして大晦日につくのでしょうか。
その意味について調べましたので、ご紹介します。
「除夜」は「大晦日の夜」という意味がある
もともと「除夜」という言葉には、「大晦日の夜」という意味があります。そのため、除夜の鐘は大晦日の夜につくのです。
「除」という言葉には、古いものを手放して新しいものを迎えるという意味があります。大晦日は一年の終わりですよね。一年のさまざまなものをすべて手放して、身軽になって新しい一年を迎えるという意味があるのです。
そのため、除夜の鐘は大晦日の夜につくということが主流になっています。
「除夜」はとても縁起にいい日
「除夜」は実はとても縁起のいい日なのです。
どんなことでも節目になる時は大変縁起が良いとされてます。古いものがなくなって新しいものに生まれ変わる、という意味があるからです。
除夜も一年の最後の日ですよね。その一年の締めくくりになる夜に鐘をつくことは、大変縁起のいい行ないだとされていたのです。
もっとも願いが届きやすい日でもある
大晦日の夜はもっとも願いが届きやすい日でもあるとされています。
その願いが届きやすい日に除夜の鐘を鳴らすと、もっと願いが届きやすくなると考えられていました。除夜の鐘を鳴らす時には心の中で願い事を唱えると、年が明けてからその願いが実現しやすくなるのだとか。
大晦日は神様の大盤振る舞いの日でもあります。いつも以上に願いを聞き届けて叶えてもらえる確率が上がっているということなのですね。
神様に最も近い日とも考えられている
大晦日は神様に最も近い日と考えられています。
一年を締めくくる最後の日を、神様は人間と一緒に迎えようと考えてくださっているのです。そのため、わざわざ空から人間がいる地上に降りてきてくださっています。
その神様を喜びの心で迎えるという意味もあって、大晦日に除夜の鐘を鳴らすということが風習になりました。神様を感謝の気持ちで迎えるという意味があるのですね。
まとめ
大晦日の除夜の鐘は、その鐘の音を聞いているだけでも縁起がいいとされています。
ですが、自分で除夜の鐘を鳴らすともっと縁起がいいと言われています。
ぜひ機会を作って大晦日に除夜の鐘を鳴らしてみてください。あなたの願いが天に聞き届けられて実現しやすくなるかもしれませんよ。