商売繁盛の縁起物といえば信楽焼のたぬきが有名なところですね。あの顏にちょっと癒やされたりします。そんな設楽焼のたぬきにはどういった由来やご利益があるのでしょうか。そのあたりを中心にまとめていきたいと思います。
もくじ
縁起物としての狸
「他抜き」という語呂合わせから「人より抜きん出る」という願いが込められ、商売繁盛、開運、出世、招福、金運向上のご利益がある縁起物とされています。
タヌキは開店、開業、新築、引越しなどの際の招福の縁起物としてのギフトに贈られることが多いようです。
商売繁盛の縁起物であるタヌキは、至る所の店先でよく見かけますが、もちろん自宅使いもできます。むしろタヌキは自宅置きでこそそのご利益が得られるもの!
是非「他を抜く」タヌキグッズを側において、ライバルに打ち勝つ! 受験に合格する! スポーツや学業で良い成績をおさめる!などの目標成就にタヌキのご利益を得てください
他を抜くというところから商売繁盛などになるわけですね。
そう考えるとあらゆることに応用がきく縁起物ですね。
縁起物としてはある意味万能かもしれません。
そう考えるとあらゆることに応用がきく縁起物ですね。
縁起物としてはある意味万能かもしれません。
狸の置物のご利益
置物狸の原型は、江戸の手まり歌に、
『雨のしょぼしょぼ降る晩に 豆狸が徳利もって酒買いに』という一節があり、庶民がお酒を買いに行き始めたころです。
信楽狸の置きものが記録に残されているのは幕末で、門左衛門の作の狸らしい。
信楽狸八相縁起 石田豪澄和尚の理論によると、
笠・思わざる悪事災難避けるため用心常に身を守る笠
顔・世は広く互いに愛想よく暮らし誠をもって努めはげまん
目・何事も前後左右に気を配り正しく見つむる事忘れめ
通帖・世渡りはまず信用が第一ぞ活動常に四通八達
徳利・恵まれて飲食のみに事足りて徳はひそかに我身につけん
腹・物事は常に落ちつきさりながら決断力の大肚をもて
金袋・金銭の宝は自由自在なる運用をなせ運用をなせ
尾・何事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福
ご利益を読んでいると、なんとなく商売人の心得のようですね。
ただ、商売人に関わらず普通の人にも通じるところがあり、狸のご利益にあずかると同時に狸のご利益の由来を肝に銘じる、というのがよいのではないでしょうか。
ただ、商売人に関わらず普通の人にも通じるところがあり、狸のご利益にあずかると同時に狸のご利益の由来を肝に銘じる、というのがよいのではないでしょうか。
狸親父のそばに狸を祀る場所
via shinshizo.com
東照宮に祀られている家康公の仇名は「狸親父」でした。それに因んだ訳でもないでしょうが、上野東照宮には、四国八百八狸の総師、栄誉権現(狸の木像)が、家康公を祀る社殿の左側の小社祠に祀られています。「お狸さま」とよばれています。
栄誉権現 この狸の木像は、江戸時代、当初は大奥に奉納されたものでしたが、そこで大暴れしたり、災いをもたらしたので、大奥を追放されていくつかの大名や旗本の家に渡りました。しかし、追放先でも、大名、旗本の諸家をお家断絶にまで追い込むなど、数々の災いをなしたと伝わります。 大正年間に上野東照宮に納められてから、ようやく、災いをもたらさなくなったといわれています。
現在では、「お狸さま」は「他を抜く」(他抜)として、強運を呼び込むとされ、特に受験や商売に御利益があると信じられています。
狸に関してはあまり神社で盛大に祀っていたり神使として祀っていたり、というのが少ないようです。
淡路・四国になると社などで祀っているようですが、他の地域ではあまり見られないようです。
対をなすという狐は稲荷明神の使いとして祀られているのに対して対照的ですね。
淡路・四国になると社などで祀っているようですが、他の地域ではあまり見られないようです。
対をなすという狐は稲荷明神の使いとして祀られているのに対して対照的ですね。
狸の総大将を祀る社
静まりかえった山村にひっそりと佇み、狸の総師であった隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)を封印しているとされる神社。この隠神刑部は、スタジオジブリ制作の劇場アニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」に、日本三大狸の中の一匹である伊予の狸のモデルとして選ばれたことでも有名。その昔松山の化け狸は808匹にも及び、その808匹の狸を従えていたのが隠神刑部だったと言われている。しかし、松山藩士・稲生武太夫が妖怪の頭領から授かったと言う木槌で懲らしめられ、808匹の化け狸ごと封印されてしまったと言う伝説が残っている。
狸はどうやらあまり印象が良くないようですね。
こちらは祀られているというよりも封印されているという社です。
化け狸というのもすごいですね、808匹も化け狸を率いていれば一つの軍隊みたいなものですからね。
そういえば、各地に残るのも化け狸が基本で神としての狸というのはあまり聞きませんね。
こちらは祀られているというよりも封印されているという社です。
化け狸というのもすごいですね、808匹も化け狸を率いていれば一つの軍隊みたいなものですからね。
そういえば、各地に残るのも化け狸が基本で神としての狸というのはあまり聞きませんね。
信楽の狸を誰が広めたか?
via jp-pride.com
信楽陶芸の森の資料によると、昭和26年(1951年)に昭和天皇が信楽に行幸された時、地元ではタヌキに日の丸を持たせてお迎えしたしたのだそうです。
天皇はその時のことを
「をさなとき あつめしからもなつかしく しがらきやきのたのきをみれば」と、
タヌキを見て、幼少期に集めていたコレクションを懐かしく思い出したことを詠まれたのだそうで、それが全国的に信楽のタヌキが知られるきっかけになったそうです。そして、タヌキは縁起物としてのイメージが強くなり、玄関や庭先で来訪者を迎えてくれるのですね。
時にはビックリするほど大きな金の袋をさげて・・・。
なんと、これだけ祀られているわけどもない信楽の狸を広めたのは昭和天皇だったとのこと。
天皇の影響力というものに驚けばいいのか、それとも庶民の手のひらの返しように驚けばいいのかわかりませんが、意外な人物が広めていたのですね。
天皇の影響力というものに驚けばいいのか、それとも庶民の手のひらの返しように驚けばいいのかわかりませんが、意外な人物が広めていたのですね。