お墓参りに出かける年中の行事と言えば、お彼岸やお盆が挙げられます。年2回あるお彼岸に、家族でお墓参りに出かけるという人もいるのではないでしょうか。
今回は2019年のお彼岸の日にちから、春と秋のお彼岸の違いなどを詳しく調べてみました。
お彼岸という言葉は知っていても、由来まではわからないという人もぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
お彼岸とは?
お彼岸にはお墓参りを行い、ご先祖や亡くなった人達の供養を行います。
供養を行うことで日頃の感謝を伝え、自分も極楽浄土へ渡れるように修練を積むのが目的です。
お彼岸は仏教で「悟りを開く」、「供養」という2つの意味をもっています。現在では悟りを開くというよりも、お彼岸供養として亡くなった人やご先祖を偲ぶことの意味で使われることが多くなりました。
またお彼岸はよくお盆と比較されることがありますよね。お盆はご先祖や亡くなった人の魂が帰ってきますが、お彼岸は魂がこの世に戻ってくることはありません。
お盆は夏に1回だけ行われますが、お彼岸は春と秋に2回あります。それぞれのお彼岸が行われる時期を詳しく見てみましょう。
2019年の秋のお彼岸はいつ?
2019年の秋のお彼岸は、9月20日金曜日から9月26日木曜日までの6日間です。
ちなみにお彼岸は、毎年同じ曜日に決まっているわけではありません。秋分の日を中日として、前後3日間が秋のお彼岸となってきます。
またお彼岸の初日は「彼岸入り」、最終日は「彼岸明け」と呼ばれることがあります。お墓参りはどのタイミングで行うか決められていないため、お彼岸の期間中にお墓参りをして供養すれば良いとされています。
2020年の春のお彼岸と秋のお彼岸はいつ?
2020年の春のお彼岸は、3月17日火曜日から3月23日月曜日までの7日間です。
春分の日が3月20日金曜日なので、その前後の3日間がお彼岸の期間ということになります。
また2020年の秋のお彼岸は、9月19日土曜日から9月25日金曜日までです。
中日の秋分の日は、9月22日火曜日となっています。
基準となる中日の日にちが変わるので、お盆の時期も年によって少々ズレるので確認しておきましょう。
お彼岸は日本だけ
お彼岸は仏教に基づいた日本独特の風習です。中国やインドでも仏教が信仰されていますが、日本のように「お墓参りをお彼岸に行う」習慣はありません。
なぜ日本ではお彼岸にお墓参りを行うようになったのか、経緯は中日の祝日にありました。
春分の日は「自然をたたえて生物をいつくしむ」日であり、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日とされています。
これは内閣で定められた、国民の祝日に関する法律に記されています。※昭和23年法律第178号より
また春は古くから田植えの時期であり、秋は実りを収穫する農耕と深く繋がっている時期ですよね。お彼岸は春に1年の豊作を願って供養を行い、秋は1年の実りに感謝を伝えるという農耕民族の日本人ならではの行事とも言えるでしょう。
お彼岸の迎え方
お盆は迎え火や精霊馬などを準備しますが、お彼岸はどのように迎えると良いのでしょうか。
お彼岸は他の年中行事よりも、しっかりとした決まりはありません。お彼岸の期間中にお墓参りをし、ご先祖や亡くなった人に思いを馳せ感謝を伝えることが大切とされています。
お墓参りをする時はお供え物を置くだけでなく、きれいにお墓や周りの掃除を行うことが大切です。
また仏壇が家にある場合は、丁寧に磨いてお手入れを行い感謝の心を伝えましょう。
お彼岸に添えるお花は?
お彼岸にはお菓子や故人の好きだった物をお供えする他に、お花も一緒にお供えすることが多いですよね。よくお墓に行くと、菊の花のお供えを見かけることも多いのではないでしょうか。
供養の際に供えるお花のことを、「仏花」と言います。
お彼岸の際の「仏花」は、特に決まった花を使う必要はありません。一般的には、菊やカスミソウ・百合・トルコキキョウなどが使われることが多いです。
亡くなった人が生前好きだった花や、思い入れのある花をお供えしても良いでしょう。
お供え物の「ぼたもち」と「おはぎ」
お彼岸のお供え物を言えば、「ぼたもち」と「おはぎ」が有名ですよね。
ぼたもち・・・春分の日 牡丹の花が由来
おはぎ・・・秋分の日 萩の花が由来
上記のようにお彼岸によって分かれています。
なぜお彼岸にぼたもちと、おはぎをお供えするのでしょうか。
ぼたもちとおはぎに使われているあんこは、小豆から作られていますよね。小豆の赤色は昔から魔除けとして好まれ、厄除けとして用いられるようになりました。
さらに潰したご飯を一緒に使うことで、「豊作を願うとともに日頃の感謝を伝える供物」としてその形が現代まで伝えられています。
また地方によってはぼたもちにこし餡、おはぎにつぶ餡を使う風習もあります。ご飯と小豆が反対になったぼたもちや、おはぎもあり、地域によって様々な形があるのも楽しいですね。
お墓参りの作法もチェック
お彼岸にお墓参りする時は、お墓参りのマナーを事前にチェックしておくのがおすすめです。
お墓参りに作法があるのは知らなかった…という人も、ご先祖や亡くなった人を供養し気持ち良く過ごすためにぜひ確認しておきましょう。
1.お墓を掃除する
まずはお供え物を置く前に、お墓や周りを掃除してきれいにしましょう。遠方にお墓がある時は、お墓の周囲に雑草がたくさん生えている場合もありますよね。草取りや落ち葉などを取り除くことも大切です。
お墓周りの掃除が終わったら、墓石の掃除をします。
水をかけ墓石についた苔や汚れを、たわしや歯ブラシでこすりましょう。家名が刻まれている部分は土や汚れが溜まりやすいので、水をかけながら文字の隅をこすってきれいにします。
お供え物を入れる花瓶や、器も一緒に汚れを落としてきれいに洗っておきましょう。
線香立てや器は水分があると湿ってしまうので、仕上げにタオルでよく拭いておくのがおすすめです。
2.お供えをする
掃除が一通り終わったら、持ってきたお供え物を器に移します。花瓶には新しい水を入れてから、花を活けましょう。
お菓子や果物などの食べ物を供える際は、器にお供え用の半紙を置いて直接果物が触れないようにします。お酒やたばこは開封せずに備えた方が良いでしょう。
3.お参りする
お供え物が揃ったら、お参りを行います。
水桶に水を入れた後、ひしゃくで墓石に水をかけてお墓を清めます。この時湿ると火がつきにくくなってしまうので、お線香は水のかからない位置に避けておきましょう。
お墓を清めた後は合掌を行い、ご先祖や亡くなった人へ感謝の気持ちを伝えます。合掌の際に少し頭を下げ、片手にお数珠を持っておくのが一般的な形です。
ご先祖や亡くなった人より頭の位置が高くならないように、屈んでお参りをするケースもあります。体の負担にならない程度に、お墓を見下ろさないような姿勢をとると良いでしょう。
お参りを終えたら、日持ちのしない果物やお菓子を下げておくのがマナーです。カラスや虫などがつついて、お墓が荒れてしまわないように持ち帰りましょう。
また線香の燃えカスや、ろうそくの火は火災の原因になることもあります。消し忘れがないか帰る前によく確認を行い、片づけまでしっかり済ませることが大切です。
まとめ
お彼岸はご先祖や亡くなった人に日頃の感謝を伝え、1年の豊作・安全を願う行事です。家族や親戚で集まって、お墓参りを行う人も多いのではないでしょうか。
しかし年によって、お彼岸の日にちがずれるので少々分かりづらいですよね。
2019年の秋のお彼岸は、9月20日金曜日から9月26日木曜日までとされています。
お彼岸は決まりがないので、どのタイミングでお墓参りしてもかまいません。
またお墓参りを行う時は、お寺や周囲のお墓に迷惑をかけないようにマナーを心がけましょう。作法をチェックしておくと、スムーズに進めることが出来ますよね。
春のお彼岸と秋のお彼岸のお墓参りをする時に、今回の内容を参考に供養を行ってみてはいかがでしょうか。