宿や料理屋で見かける松竹梅の「梅」。”最後”や”劣っている”って意味じゃないのを知っていましたか?今回はその意外と知られていない歴史的意味と効用についてご紹介します。
もくじ
意外と知らない!縁起物の松竹梅の「梅」の意味とは?
松は「夫婦愛」、竹は「成長」を表す一方で梅は「豊かな生活」を表します。夏に芽をつけてから一度長い冬に耐えてから春先に咲き始める梅は春の訪れを知らせる喜びの象徴とされています。その姿の勇ましさから、清廉潔白や節操を意味したりします。
この松竹梅は中国から来た思想ですが、必ずしも松が偉いとかそういう順序付けはありません。それぞれに単体の意味や良さがあり、中国の文人画はそれぞれの意味を追って絵にしました。中国では松竹梅のことを絵の題材とし「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と呼びます。
縁起物の梅にまつわることわざ
「塩梅」
梅に鶯(うぐいす)
梅はその日の難のがれ
申梅(さるうめ)はさらに縁起がいい!
昔から干支がサル年の場合は、沢山梅を漬けて食べると縁起がいいとされてきました。起源は平安時代、疫病を梅干しが救ったことに由来します。また、江戸時代にはコレラによる飢饉を梅干しのおかげで乗り切ることができました。
そうです。もうお気づきかもしれませんが「去る梅」という意味で縁起担ぎの意味が生まれたのです。日本人は言葉遊びが大好き、干支のサル年にあやかって縁起がいいとされてきたのです。また、サル年には梅の収穫があまり良くなかったことも結びつけの理由の一つと言われています。
縁起がいいだけじゃない、梅の効用
おにぎりに必ずと言っていいほど入っている梅干し、運動会や遠足などで疲れた体を癒すため、疲労回復や食欲増進を図る大事なお弁当のおかずです。実はそれだけでなく、沢山のミネラルを含んでいるために体の形成に必要な鉱物資源を豊富に含んでいます。小さいながらもカルシウムもリンゴの4倍、鉄やリン、マグネシウムもみかんやブドウよりも多いのです。
それから酸っぱくて口からでる沢山の唾液も消化酵素の一種アミラーゼを大量に含んでおり、ご飯やパンのデンプンの消化を助けます。そのため、ダイエットにも最適な食材なのです。
縁起物として飾られる正月花、梅の意味は?
松は「永遠の命」を表し、竹は「誠実さ」、そして梅は「出世や開運」の意味を表します。門松には、この三つの花以外に菊や蘭を飾ったり、紅梅や白梅を使って綺麗にアレンジしたりします。