甘くておいしいいなり寿司は実は縁起物!?いなり寿司の歴史と縁起物の理由とは?

 
稲荷ずし

甘くておいしいいなり寿司。大好きという人も多いのではないでしょうか。いなり寿司は昔から食べられてきましたが、実は縁起物だったというのをご存知ですか?いなり寿司の歴史を紐解いていくと、縁起物の理由が見えてきますのでご紹介しましょう。

もくじ

いなり寿司の歴史とは?

稲荷ずし

いなり寿司は、今ではスーパーやコンビニなどでも見られる庶民に定番のお寿司です。甘くておいしいので、大好きという人も多いでしょう。子供にも大人気の食べ物ですよね。

そんないなり寿司にはどんな歴史があるのでしょうか。いなり寿司について調べてみましたので、ご紹介します。

いなり寿司は江戸時代から食べられていた

いなり寿司は、実は江戸時代から食べられていたと言われています。それは、江戸時代末期に書かれた「守貞謾稿(もりさだまんこう)」に、いなり寿司の原型とも言える食べ物の記載があるからです。

「守貞謾稿(もりさだまんこう)」は、江戸時代の後期に流行っていた事物を記した百科事典のようなものです。ここに、「油揚げの一方を割いて袋状にし、そこにキノコなどを混ぜた飯を詰めて鮨と称して売る」という記載があります。現在のいなり寿司にそっくりですよね。

この記載から、すでに江戸時代ではいなり寿司に似た寿司が食べられていた、とされたのです。

いなり寿司は庶民の食べ物だった

現在のいなり寿司は、あまり高くありませんよね。他の「寿司」と呼ばれている食べ物と比べても大変安く、お手軽においしく食べることができます。

実は、江戸時代にすでに食べられていたとされるいなり寿司もまた、庶民の食べ物だったと言われています。いなり寿司の原型とされている食べ物のレシピがありますが、その材料を見てみると、当時でも安価で手に入る食材が使われていたようです。

また、いなり寿司は立って食べる屋台や振り売りで取り扱われていた寿司でもあります。これらはすべて庶民が利用するお店ですから、値段が高いと売れなくなってしまいます。

このことから、いなり寿司は昔から庶民の食べ物だったと知ることができるのです。

いなり寿司と呼ばれるようになったのは油揚げを使うから

いなり寿司は、名前が少し変わっていますよね。どうしていなり寿司と呼ぶようになったのかというと、それは、油揚げを使うからです。

稲荷神社の眷属は狐です。狐は油揚げが好きという伝説がありますよね。その狐が好きな油揚げを使うことから、「油揚げ→狐→稲荷神社」と連想ゲームのように変化し、いなり寿司と呼ばれるようになったのです。

地域によって異なるいなり寿司

変わり種の稲荷ずし
いなり寿司はどこでも同じだと思っていませんか?実は、地域によっていなり寿司にはさまざまな特徴があるのです。

地方や地域によっていなり寿司にはどんな違いがあるのか調べてみました。ご紹介しますので、参考んしてみてくださいね。

関東地方のいなり寿司

関東地方のいなり寿司は、揚げに特徴があります。

関東地方で食べられている基本的ないなり寿司は、油揚げを濃い口の醤油などを使って煮て、色濃くします。見た目は辛そうですが、実際に食べてみると特別に味が濃いというわけではありません。

中には色の薄い油揚げを使ったいなり寿司もあります。ですが、関東での定番は、色濃くに染められた油揚げを使用したいなり寿司です。

関西地方のいなり寿司

関西地方のいなり寿司は、中身のご飯に特徴があります。

関西で主に食べられているいなり寿司は、別名「五目稲荷」と呼ばれています。油揚げに詰めるご飯に茸や山菜、護摩などの具材が混ぜられているのです。酢飯だけのいなり寿司は、関西ではほとんど見られることはありません。

また、形も大変特徴的で、三角形になっています。関東は俵型のいなり寿司が主流ですが、関西では油揚げを対角線上に三角形に切るので、いなり寿司も三角形になるのです。

沖縄県には独自のいなり寿司がある

沖縄県には独自のいなり寿司があります。

それは、味付けしていない油揚げに、酢飯を詰めるという大変シンプルなものです。酢飯を使うのは関東と似ていますが、油揚げに味付けがされていないというのは、関東でも関西でもありません。

もともとは沖縄県のとある食品メーカーが発売した商品だったようです。現在では、「沖縄風いなり寿司」という名称で広く販売されています。

限られた地方でのいなり寿司

限られた地方でのみ食べられているいなり寿司もあります。

青森県津軽地方では、ご飯に紅ショウガとクルミを入れます。紅ショウガが入っているため、ご飯はほんのりピンク色に染まっています。

また、茨城県笠間市では、油揚げにご飯の代わりにそばを詰めたものや、すし飯をクルミで味付けしたものを詰めたいなり寿司なども食べられています。

海外にもいなり寿司がある

海外にもいなり寿司なるものが存在しています。

特にハワイや台湾、韓国などではいなり寿司が多く見られます。これは、日本が多く住んでいたり、日本の文化が伝わったりしたことで、いなり寿司も広まったのではないかと考えられています。

いなり寿司が縁起物とされる理由

お稲荷さん
いなり寿司が縁起物とされるのには、理由があります。あなたもその理由を聞けば、納得するかもしれませんよ。

いなり寿司が縁起物とされる理由について調べましたので、ご紹介しましょう。

神様へのお供え物だったから

その昔、いなり寿司は神様へのお供え物として作られていました。

いなり寿司の由来となっている稲荷神社は、五穀豊穣の神様で有名です。特にお米の神様ですから、大切に祀ることで、お米が豊作になると信じられていました。

毎年米の収穫が終わると、その年の豊作への感謝と来年の豊作を願って、いなり寿司がお供えされたのです。もちろんその時に使われるご飯は、その年に収穫したばかりのお米です。

いなり寿司を稲荷神社にお供えすることで、来年も食べ物に困らないでいられますように、という願いを込めていたのですね。

油揚げからの連想で狐が関係しているから

いなり寿司が縁起物とされる理由の一つに、油揚げが挙げられます。

油揚げから連想される動物と言えば狐です。狐は稲荷神社の眷属として大変有名です。ちなみに眷属とは神様のお使いのことで、神様と同じありがたい力があるとされています。

その狐が好きな油揚げを食べることで、眷属である狐はもちろん、神様からのご加護もたくさん受け取ることができると考えられていたのです。

いなり寿司の縁起物としての効果とは?

稲荷ずしと巻きずし
いなり寿司の縁起物としての効果には、どのようなものがあるのでしょうか?知っておくと、よりいなり寿司に感謝の気持ちを持ちながら食べることができるでしょう。縁起物としての効果もたくさん得ることができるかもしれませんよ。

いなり寿司の縁起物としての効果をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

食べ物に困らない

いなり寿司を食べると、食べ物に困らないという縁起物の効果が得られると言われています。

いなり寿司はもともと稲荷神社にお供えするための食べ物でもありました。稲荷神社はお米の神様ですから、その稲荷神社にお供えする食べものを食べることで、稲荷神社からのご加護をたくさん受けることができるようになるのです。

昔は農業に関連付けられていました。ですが、現在では食べ物に困らないということから仕事に困らない、お金に困らないという嬉しい縁起物の効果も得られるとされています。

努力が実りやすくなる

いなり寿司を食べると、努力が実りやすくなるという縁起物としての効果も期待できます。

実は稲荷神社の神様や眷属の狐は、努力する人が大好きなのです。一生懸命努力をした人には、その分たくさんのご褒美を与えてくれると言われています。

稲荷神社にお供えするいなり寿司を食べることで、神様や眷属である狐と距離間が近くなり、努力に気づいてもらいやすくなるのです。気づいてもらいやすくなれば、努力が実るタイミングも早くなりますよね。

合格祈願の意味もある

いなり寿司には合格祈願の意味や効果もあると言われています。

稲荷神社に合格祈願のお参りに行ったことはありませんか?稲荷神社に祀られている神様や狐は、努力をする人にたくさんのご利益を与えてくれると言われています。受験で勉強を一生懸命している人にも、それだけのご利益を与えてくれるのです。

いなり寿司を食べることで、ご利益が頂ける可能性がより高くなり、試験に合格しやすくなると言われています。

まとめ

いなり寿司は昔から庶民の人たちに愛されている食べ物です。それは今も変わっていません。

ですがそこには、神様への感謝の気持ちや願いを聞き届けて欲しいという思いも込められていたのです。

いなり寿司を食べる時、神様に感謝の気持ちを持って食べてみてください。すると、神様から特別なご加護やご利益が頂けるかもしれませんよ。

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