「初盆のお返し」とは、初盆でいただくお供え物や香典へのお返しのことです。大切なことなのですが、何をすればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?
ここでは、「どんな品物をいつまでに準備すればいいのか」や「金額の相場」、「贈るときのマナー」などを解説していきます。
初盆は準備することが多くて忙しいですが、少しだけ時間をさいて最後まで読んでもらえれば幸いです。必要な知識やマナーを知って、大切な故人の初盆を無事にすごしましょう。
もくじ
初盆のお返しって必要?いつまでに準備するべき?
そもそも、初盆のお返しはかならず必要なのでしょうか?また、お返しの品物はいつまでに何個くらい用意すればいいのでしょうか?
直前になって焦らないためにも、そういったことをまずは確認していきましょう。
初盆のお返しは大事なマナー
故人が亡くなって四十九日が過ぎたあと、初めて迎えるお盆のことを「初盆(新盆)」と言います。お盆は毎年ありますが、この初盆はとくに大切な行事です。
そのため、初盆を迎えたときは、親族や故人に縁のある人をお招きして法事・法要を行う地域が多くあります。また、法要を行わない地域でも、親戚や故人の知り合いの方などがあいさつにいらっしゃることもあります。
そういったときにお供え物やお香典、線香代、提灯代などをいただきます。それに対するお返しとして、手土産や引き出物を贈ることを「初盆のお返し」と呼ぶのです。
では、初盆のお返しは必ずしなければいけないのか、というと…
「一般的な習慣になっているため、したほうがいい」という答えになります。また、わざわざ物やお金を贈ってくれた人に対して感謝を伝える、という意味でもお返しをするのはマナーといえます。
参列せずお香典やお供え物のみいただいた場合も、かならずお返しをしましょう。
準備するタイミングと個数の目安
初盆のお返しは、法要に参加していただいたときや、お参りに来てくださったときの帰り際に手渡すのが一般的。
ほとんどの地域では、8月13~15日がお盆となっていますので、8月10日頃までに手渡す品物をそろえておくとスムーズです。
また、東京や金沢などの一部地域では7月13~15日にお盆を行うところもあります。そういった地域では7月10日頃までにそろえておくと、あわてずにすむでしょう。
準備する個数は、葬儀のときに用意したお返しの数の3分の1ほどが目安です。
もちろん、これはあくまで目安です。人数の予想がつく場合や、家族葬などで葬儀の参列者が少なかった場合は、必要な数を準備しておけば大丈夫です。
ただし、想定外に多くの方が訪れることもありますので、少し多めに準備しておくとよいかもしれません。
ちなみに、もし当日までに準備できていないのであれば、あとから送っても失礼ではありません。そのときは、初盆を行った月の月末までに発送の手配をしましょう。
初盆のお返しはどう選ぶ?予算の相場は?
ここからは話が変わって、「品物の選び方や相場」、「気をつけたいマナー」など具体的なことについて解説していきたいと思います。
品物の選び方
お返しの品物は、「消えもの(消えてなくなる物)」がよいとされています。
これには、「不祝儀を残さないようにする」という意味があります。残る物だと、縁起がよろしくないのです。
また、もらった人が見るたびに葬儀を思い出して辛い気持ちにさせてしまわないように、という思いも込められています。
では、何を選べばよいのかといえば、食品や日常生活で使う消耗品が一般的です。
例えば、食品なら素麺や調味料、お茶。日用品であれば、洗剤などが好まれているようです。
そして、そのほかにも選ぶときに気をつけたほうがよい点があります。
それは、品物の「大きさ」や「日持ち」です。
とくに遠方から出席してくれた人が多いときは気をつけましょう。持って帰りやすいように、かさばらず重たくない物がおすすめです。
持って帰る際は常温となるでしょうから、食品なら日持ちのする傷みにくい物がよいでしょう。日持ちがするものなら、お返しの品が余ったときも、自宅で消費しやすいこともメリットです。
カタログギフトや商品券は失礼?
最近では、好きな物を選んでほしいという思いから、カタログギフトなどでお返しする人もいます。これはダメなことではありません。
しかし年配の方に対しては、避けたほうがよいかもしれません。「品物をお返しするのが常識」と考えていらっしゃる人もいますし、カタログギフトのシステムを理解してもらいづらい場合もあるからです。
それから、商品券もあまりおすすめはできません。その理由は、具体的な金額がわかってしまい、受け取る人によっては印象が悪くなってしまうから。
いただいた香典があまりにも高額だった場合など、仕方ないときは品物と一緒に渡して心遣いを表すようにしましょう。
お返しの予算・相場
初盆のお返しを選ぶうえで気になるのが相場。高すぎても相手に気を使わせてしまいますし、安すぎても失礼にあたります。
具体的には“いただいたお供えや香典などの半額から3分の1”を目安にするとよいでしょう。
しかし、あらかじめ準備して当日に手渡す場合は、どれくらいの物を頂くか想像できませんよね。そういったときは、香典の相場を参考にします。
初盆の香典の相場は、一般的には3千円~1万円とされています。その半額から3分の1となると、“1千円代~3千円代の価格の物を準備”するとよいことになります。
香典の相場には幅がありますが、故人と血縁関係が近い人や、ご年配の人は高めに包むことが多いためです。
迷ったら、とりあえずお返しの品物は同じ物を用意しておきましょう。そして、もし想像以上に大きな金額の物やお金をいただいたときは、後日あらためて、お返しとは別でお礼の品物を贈れば問題ありません。
初盆のお返しを贈るときに気をつけたいマナーは?
せっかく準備したお返しもマナーがなっていなければ、かっこがつきませんし、失礼にあたることも。
忘れずにやっておきたいこととして「のしを巻くこと」と「あいさつ状を添えること」が挙げられます。
“のし”のマナー
初盆の返礼品には熨斗(のし)を巻くのがマナーです。
のしには“水引(みずひき)”をむすぶのが一般的。冠婚葬祭のご祝儀袋や香典袋によくついている色のついた飾りヒモです。これは、のしに印刷されたものでもかまいません。
結び方は“結び切り”または“あわじ(あわび)結び”という結び方をします。これらの結び方はほどくのが難しいため、「二度と繰り返すことのないように」という思いが込められています。
水引の色は“白黒”が一般的ですが、関西地方では“黄白”のものを使うことが多いでしょう。
この水引の上には“表書き”を書きます。具体的な言葉は、「志」「初盆志」「新盆志」「初盆供養」などがあります。
何を書けばよいのか、よくわからないのであれば「志」がいいでしょう。宗教や宗派に関係なく使えるからです。関西地方では「志」の代わりに「粗供養」を書くことが多くなっています。
そして、水引の下には“名前”を書きます。名前は、施主のフルネームか家名を書くのが一般的です。嫁いで名前が変わっているときは、カッコ書きをそえて旧姓を記しておきます。
最後に、のしを巻く位置ですが、包装の内側に巻く“内のし”のほうがよいとされています。外側に巻いても間違いではないのですが、見た目が派手になりやすいため避けられています。
“お礼状”のマナー
感謝の心を伝えるために“お礼状”をそえるのもマナーとされています。
文章の内容には、参列してくださったことや、香典やお供えをいただいたことに対するお礼のメッセージを含めておきましょう。
書き方にきびしい決まりはありません。ただ、「縦書きであること」と「文章には句点や読点と使わないこと」は最低限のルールです。
なぜ、句読点を使わないかというと、失礼にあたるからです。その昔、句読点は使われていませんでしたが、明治時代に学校教育が始まってから、子どもたちが読みやすいように使われだしたのです。
そのため、大人に対して句読点をつけた文章を読ませることは、相手を子ども扱いしていることになったと言われています。その風習が今でも冠婚葬祭の場面には残っているのです。
初盆のお返しを手軽に準備する方法とは?
ここまで初盆のお返しについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
初盆では、飾り付けや法要、会食の手配など、ほかにも準備することが多くあります。そんな中で、お返しの品物の用意までしていると時間が足りなくなってしまいがちです。
もちろんお店に買いに行くのもいいのですが、少しでも手間や時間を減らしたいのであれば、ネットショップでの注文がおすすめです。
返礼品を専門に取り扱うお店なら、のしやお礼状も付けてくれるため、予算さえ決まっていれば手間をかけずに手配できます。
ネット通販で初盆のお返しを選ぶときの注意点
ネット通販ならどこでもいいわけではありません。これから説明する点に注意してお店や品物を選ぶと、よりスムーズに準備できます。
のしを付けてくれるか?
さきほど説明したように、お返しの品にはのしを巻くのがマナーです。あらかじめお店側で巻いてくれるものを選びましょう。また、のしに表書きと名前を印刷してくれるところを選んでおけば便利です。
お礼状を付けてくれるか?
のしを巻くのと同じように、お礼状をそえるのも大事なマナーです。初盆用のお礼状を付属してくれるお店もありますので、そういったお店で品物を選べば手間がかかりませんし、しっかりとお礼の意思も伝えられます。
ちなみにお礼状は、手書きのほうが丁寧な印象を与えられますが、印刷されたものでも失礼にはあたりません。最近では印刷されたものが一般的になってきていますし、手書きよりも読みやすいというメリットもあります。
返品はできるか?
初盆の法事前にあらかじめ品物を準備する場合、足りないことのないよう多めに手配しておくのが一般的。その場合、気になるのが「余ったらどうするか」という点です。
自宅で消費してもよいのですが、物によっては消費しきれないこともあります。
そういった心配は“返品に対応してくれるギフト専門店”で注文しておけば、解決します。行事が終わった後に余ったぶんを返品できて、ムダな出費もありません。
商品が届くまでどれくらいかかるか?
初盆の日程は決まっているため、それまでに準備する必要があります。また、後から送るとしても、できるだけ早めにこしたことはありません。注文するときは、商品が届くまでの日数を確認しておきましょう。
ネットで選ぶならこういった物がおすすめ
忙しい人のために、ここからは具体的におすすめの商品を紹介します。もし選ぶ時間がないのであれば、紹介した中から選んでもらえば、的外れになることはありません。
定番で選ぶなら“素麺”
最近は初盆のお返しとして素麺(そうめん)が人気です。暑い夏にぴったりですし、日持ちがして軽いので、参列した方が持って帰るときも負担になりません。
下に紹介している商品は、初盆用のお礼状やのしも付けてくれます。のしの表書きや名前、お礼状の内容なども自分で選べます。また、行事が終わったあと、余ったぶんを返品できるため安心です。
それから、レビューを見てもらえばわかるのですが、こちらのお店は対応が親切ですので、その点でもおすすめできます。
ファミリーに喜ばれる“洗剤セット”
食べ物以外では、洗剤やキッチン用品のセットがおすすめです。日常生活で使えますし、ご家族がいらっしゃる方はもらって助かるものの一つです。
ただ、内容の多いセットになると重さがあるため、車での参列者が多い場合や、返礼品を後から送る場合に最適です。
紹介している商品は、さきほどの素麺と同じように、のしやお礼状も付けてもらえるほか、返品も可能なため安心です。
満足度の高い”調味料セット”
調味料のセットも初盆のお返しとして定番の品物です。サラダ油や醤油、出汁などは日常で使い切ることができるうえ、喜ばれます。
引き出物として贈るのはもちろん、想像以上に高額なお香典をいただいた場合のお礼の品にも最適です。
こちらに紹介している商品も、それぞれ初盆用のお礼状やのしを付けてもらえます。
まとめ
初盆のお返しは、お供えや香典に対してのお礼として必要です。お盆がくる前に準備しておくか、お盆のあとにすぐ送りましょう。
品物は食品や日用品など消えてなくなる物で、予算はいただくお供えや香典の半分から3分の1ほどの金額が一般的です。贈るときは、のしを巻いてお礼状をそえましょう。
忙しくて準備が大変なときは、ギフト専門のネットショップで注文するのも一つの方法です。お礼状やのしを付けてもらえるほか、余ったぶんを返品できるお店もあります。
いずれにしても、初盆のお返しをして、故人のことを思ってお参りしてくださった人に感謝の気持ちを表すことが大切です。そういった気持ちを大切にしてこそ、お盆に帰ってきた故人やご先祖様も安らぐのではないでしょうか。
(※この記事の内容は一般的な初盆について記載しています。地域や宗派によっては風習が少し異なることもあります。その場合は、ご自身が属する宗派や地域の習慣を優先してください。)