【3月の縁起物】春を呼ぶ行事「お水取り」をご紹介!

 

 

3月の縁起物といえば桃の節句(ひなまつり)が有名ですが、他にもまだまだあります。それが、「お水取り」で名高い奈良東大寺の「修二会(しゅにえ)」です。なんと1200年以上前から続く長い歴史のある行事なのです。どんなことが行われるのか調べてみました。

奈良、東大寺の歴史

東大寺大仏殿

東大寺大仏殿

奈良といえば東大寺の大仏ですよね。木造建築としては世界最大の大仏殿です。
では、どれくらい前に創建されたのでしょうか?
天平15年(743)に聖武天皇が盧舎那大仏(るしゃなだいぶつ)建立の勅願を発令し、その大仏を安置する寺として国力を挙げて造営されました。天平勝宝4年(752)に大仏殿が完成。以降次々と堂塔が建築され40年近くかかって寺観が整いました。
東大寺は仏教を振興して国家安泰を願う聖武天皇の一大国家プロジェクトの総本山だったのです。
その後、様々な戦さで堂塔は焼失しましたが、江戸時代に再建され今の形になりました。
東大寺は「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録され、数々の国宝建造物が立ち並んでいます。
お水取りが行われる「二月堂」も国宝に指定されています。

お水取りが行われる「二月堂」

東大寺二月堂

東大寺二月堂

この二月堂でお水取りが行われます。
旧暦2月に「お水取り(修二会)」が行われることからこの名がある。二月堂は平重衡の兵火(1180年)、三好・松永の戦い(1567年)の2回の戦火には焼け残ったが、寛文7年(1667年)、お水取りの最中に失火で焼失し、2年後に再建されたのが現在の建物である。本尊は大観音(おおかんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる2体の十一面観音像で、どちらも何人も見ることを許されない絶対秘仏である。
お水取りの井戸「若狭井(わかさい)」

お水取りの井戸「若狭井(わかさい)」

右奥に二月堂、手前が「閼伽井屋(あかいや)」です。
お水取りの時に、「閼伽井屋(あかいや)」の中の井戸から「香水(こうずい)」という清水が汲み上げられ、本尊の十一面観音に供えられます。
 お水取りは東大寺二月堂でおこなわれる仏教行事で、正式には修二会(しゅにえ)と言います。行事の目的は、仏の前で罪過を懺悔すること(悔過(けか))。現在3月1日から14日間にわたっておこなわれる本行では、心身を清めた僧(練行衆(れんぎょうしゅう))が十一面観音の前で宝号を唱え、荒行によって懺悔し、あわせて天下安穏などを祈願します。
お水取り(修二会)は、天平勝宝4年(752)に東大寺の実忠和尚(じっちゅうかしょう)が初めて十一面悔過を執行して以来、一度も絶えることなく不退の行法として約1260年にわたって実施され続けてきました。そこには東大寺が歩んできた長い歴史が刻み込まれています。
旧暦の2月に修める法会から「修二会(しゅにえ)と呼ばれるようになりました。
二月堂はこの期間にしか公開されません。まさに修二会のためのお堂です。
そして、お水取りは03月12日に行われます。では、どのような行事なのか見ていきましょう。

2週間続く修二会とお水取りの模様

修二会のお松明(たいまつ)

修二会のお松明(たいまつ)

二月堂に夜ごと上堂されるお松明。舞台では燃えさかる松明を僧侶たちが振り回し、闇に火の粉が舞い踊ります。

お松明は、本来、二月堂に上堂する練行衆の道明かりとして灯されるので、12日の籠松明が有名だが、修二会期間中の3月1日から3月14日に毎日あげられている。

12日と14日以外は19時に大鐘が撞かれ、それを合図に「お松明」が始まる。

11名の練行衆が一人一人、二月堂での行のために上堂するための道明かりであるが、「処世界」という役はすでに準備のため上堂しているので必要なく、通常10本の「お松明」があがる。 ただ、12日だけは、全ての練行衆が上堂するので11本の「お松明」があげられることになる。

お松明の火の粉を浴びると健康になる、あるいは幸せになると信じられている。また燃えかすを持って帰り護符の代わりにする信者も多い。
お水取りの井戸「若狭井(わかさい)」に向かうようす

お水取りの井戸「若狭井(わかさい)」に向かうようす

お香水を汲み上げるその儀式を誰も見ることはできません。お水取りは3回往復し12桶運ばれるといいます。

3月12日、後夜の咒師作法の中で(13日午前1時)、咒師は蓮松明という松明に照らされながら5人の練行衆とともに南側の石段を下りて閼伽井屋(あかいや 別名・若狭井)へ向かう。

大勢の参拝者の見守る中、雅楽も奏され、おごそかに行列が進む。途中小さな神社に立ち寄り法要を営んでから、咒師と堂童子と駆士と数人の童子が閼伽井屋に入り香水をくむ。他の5人の練行衆は入口を警備する。香水は閼伽桶とよばれる桶に入れられ榊を飾った担い台に載せられ内陣に運ばれる。香水は須弥壇下の香水壺に蓄えられ、本尊に供えられたり、供花の水として用いられたりする。

頒布されているお香水

頒布されているお香水

お香水を飲むと「病気が治癒する、健康回復する」と言い伝えられています。
1200年以上前のお水取り以来の香水が混ざったものを「根本香水」と呼び、
修行衆にしか与えられませんが、一般の参詣者には「次第香水」と呼ばれるものが与えられます。
03月12日のお水取りの後で二月堂受納所で頒布されるそうです。
また、毎月18日にも頒布しています。

まとめ

奈良の人々は昔から「お水取りが終わらなければ春は来ない」と言い、
季節の節目の行事として大切にしてきました。
絶えることなく続く、春を呼ぶこの行事はこれからも日本人の心に受け継がれていくことでしょう。
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