テレビやニュースなどで取り上げられることの多い初鰹。実は縁起物としても有名なのでニュースで取り上げられることが多いのです。そんな初鰹はどの時期でも良いというわけではありません。その時期や効果的な食べ方について調べてみましたので、ご紹介します。
もくじ
初鰹と呼ばれる時期はいつ?
スーパーでは年中見かける鰹。ですが、実際に水揚げできる時期は決まっています。
そんな中でも初鰹と呼ばれる時期はさらに厳密に決められているのです。
初鰹と呼ばれる時期はいったいいつなのかについて調べてみましたので、ご紹介します。
厳密には一番最初に水揚げされた鰹
「初鰹」と呼ばれる鰹は、厳密には一番最初に水揚げされたものとされています。
鰹は宮城県や静岡県、高知県や三重県、長崎県や鹿児島県でも水揚げされています。このように日本の広範囲で鰹が水揚げされますが、厳密に言うとそれぞれの地域で一番最初に水揚げされたものが、「初鰹」と呼ばれたのです。
当時は、それぞれの地域によって「初鰹」と呼ばれて食べられていた時期が異なっていた、ということになります。宮城県では3月頃に「初鰹」として食べられていたのに、鹿児島県ではそれから1か月遅れの4月頃に「初鰹」と呼ばれて鰹が食べられる、なんてことがあったということです。
現在では地域も期間も限定されている
昔は「初鰹はその場所で初めて水揚げされた鰹」とされていました。ですが、現在は限定されています。限定されているのは期間だけではなく、実は地域も限定されているのです。
現在「初鰹」と呼ばれる鰹は、高知県で3月頃に水揚げされる鰹に限られています。鰹が水揚げされる最も早い場所が高知県であることと、輸送技術が発達したため、地域も限定されるようになったのです。
高知県で水揚げされた鰹は、その後さまざまな保存方法や輸送手段を用いて日本各地に届けられます。スーパーなどで売られている「初鰹」は、そのすべてが高知県産なのです。
初鰹のおいしい食べ方とは
初鰹は、他の時期に取れる鰹と違って栄養が豊富です。
そんな栄養豊富な初鰹を更においしく食べる方法をご紹介します。
カツオのたたき
一番定番なのは、やはり何と言っても「カツオのたたき」でしょう。ちなみにカツオのたたきは地方によって食べ方が異なっているのをご存知でしょうか?
平たいお皿に鰹の切り身を乗せ、その上に刻んだネギや紫蘇(シソ)、ショウガなどを乗せて、上からさっとポン酢や合わせ醤油をかけて食べる、という人もいるでしょう。または、自家製のタレをかけて食べる人もいます。
ただ、高知県などではカツオのたたきを深底の器に入れて薬味などをたっぷり持った後、ポン酢をカツオのたたきがひたひたになるまで入れる、という食べ方をします。まるでポン酢のお風呂に鰹のたたきが浸かっているような感じになるのです。
「カツオのたたき」と言っても、さまざまな食べ方があるのですね。
カツオの紫蘇&玉ねぎ巻き
紫蘇の葉の上に鰹の切り身を乗せます。その上にさらに薄くスライスした玉ねぎを乗せて、最後に紫蘇の歯を巻けば出来上がりです。
初鰹が出回る時期には、新玉ねぎも市場に出回ります。辛くない新玉ねぎを添えることで、シャキシャキした歯ごたえも同時に楽しめます。
お好みでショウガやにんにくをスライスしたものを間に入れたりすると、さらに味に変化が出ておいしく頂けますよ。
初鰹のショウガ蒟蒻煮
主な材料は、初鰹4切れ、ショウガ1個、こんにゃく1/2枚です。
まず初鰹は熱湯をかけた後、冷水で冷やして冷ましておきます。水気はしっかり取っておきましょう。
こんにゃくを薄切りにし、フライパンに油を引いて両面を少し焼きます。水気を飛ばすためです。こんにゃくの両面に飾り包丁を入れておくと、味のしみ込みが良くなりますよ。
次に平鍋に日本酒150㏄、みりん50㏄、醤油50㏄、砂糖大さじ1杯を入れて温めます。少し煮立ってきたら初鰹とこんにゃくを入れ、千切りにしたショウガを投入します。
鍋が沸騰してきたら落し蓋をして中火にします。このまま15分様子を見ましょう。
最後に落し蓋を外し、焦がさないように注意しながら水気を飛ばして完成です。
最後は煮詰めるので、どうしても味が辛口になってしまいます。一応醤油の量は50㏄としましたが、加減した方が良いかもしれません。
初鰹の海苔巻き
用意するものは、初鰹のたたき1/2さく、玉ねぎ1/4個、青じそ4~6枚、ショウガ1個、焼きのり2枚、少し冷ましたご飯をお茶碗2杯分です。
まず初鰹のたたきを作るのですが、このレシピでは2本文の海苔巻きを作ります。ですから、初鰹のさくは縦に2本になるように切っておきます。そして、お好みの味付けにしてたたきを作りましょう。
次に玉ねぎはやショウガは、海苔巻きの具材にします。できるだけ薄く、そして細長く切る方が、後で巻きやすくなります。
焼きのりの上に少し冷ましたご飯をお茶碗一杯分乗せて広げます。その上に、青じそを乗せ、さらに玉ねぎやショウガを乗せていきます。最後に、初鰹のたたきを乗せて巻きましょう。
残りもう1本も同じような手順で作れば完成です。紫蘇が苦手な人は無理に入れる必要はありませ。また、玉ねぎは通常のものよりも新玉ねぎを使った方が甘味が感じられるので、食べやすくなります。
おいしい初鰹の選び方
初鰹のシーズンになると、あちらこちらのスーパーなどで並びますよね。ただ、あまりにたくさん売られているので、どれが本当においしいのかわからない、という人もいるでしょう。
そこで、おいしい初鰹の選び方をご紹介します。
一匹買いの時は縞模様のはっきりしたものを
もし、初鰹を1匹買いする時には、縞模様がはっきりしたものを選びましょう。鰹には横縞の模様があります。この横縞は時間が経つにつれて薄くなっていきます。横縞がはっきりしている方が、水揚げされて時間があまりたっていないので、鮮度が良いということになるのです。
また、細いものよりももまん丸なものの方が、脂がのっていておいしい初鰹です。まん丸なものは見た目にも「張っている」とわかります。さまざまな初鰹を見比べてまん丸に太っているものを選ぶと良いでしょう。
表面がざらざらしているものが新鮮
切り身で買う場合も、一匹買いする場合も、共通して見分けがつく点があります。それは、皮の状態です。
表面がざらざらしているものは、まだ水揚げされてからあまり時間が経っていません。それだけ鮮度がいいということですから、大変おいしい初鰹ということになります。
特にさくで購入する場合は、皮に注目してみてください。皮の表面が真っ平らになっているものは鮮度が落ちているサインですから、ざらざらしているものを選んで購入しましょう。
ドリップが出ていないものを選ぶ
さくや刺身で初鰹を購入する場合は、ドリップが出ていないものを購入すると良いでしょう。
ドリップとは血のことです。時間が経つと身の鮮度が落ちてしまい、ドリップが出てしまいます。反対にドリップが出ていないものは、切り身にされたばかりの初鰹ということです。
ドリップが出ているかどうかは、パックを傾けてみたり、刺身やさくの後ろに敷いてあるスポンジの色を見たりすればわかります。ぜひ見分けて鮮度のいい初鰹を購入してくださいね。
まとめ
初鰹は、昔から縁起のいい食べ物として愛されていました。それは、めったに手に入らないということもありますが、栄養価が大変高いという事実も関係しています。
初鰹が市場に出回ったら、ぜひ一度食べてみてください。頭が良くなるという噂もありますから、試験を控えている人にもおすすめですよ。