「傘福」とは山形県酒田市周辺で飾られるつるし飾りのことで、福岡柳川の「さげもん」静岡稲取の「つるし雛」と並んで日本三大つるし飾りの1つとして知られています。実は「傘福」はとても縁起がいいものなんですよ!
もくじ
山形酒田の「傘福」とは。
傘福(かさふく)とは、山形県酒田市周辺で飾られるつるし飾り。笠福とも表記される。
日本三大つるし飾りの1つとして注目されている華やかな伝承文化です。
「傘福」は、江戸時代から酒田に伝わるつるし飾りのひとつ。
子孫繁栄や子の幸せを願って地元の神社仏閣に奉納した風習が残っている他、日枝(ひえ)神社の例大祭「山王祭(さんのうまつり)」の渡御(とぎょ)行列にもその源流が見られます。祭りの亀傘鉾(かめかさほこ)は京の職人によるものですが、神社仏閣に奉納した傘福は地元の女性たちの手づくり。 酒田商工会議所女性会は、近年失われつつあった傘福の風習に光を当て、文化の伝承と街おこしへとつなげました。
花や動物に野菜や果物、赤ちゃんに三番叟の人形など、
色も形も様々なつるし人形が真っ赤な傘から下がっている様子は圧巻です。
眺めても眺めても見飽きない美しさと楽しさですよ。
つるし飾りは、その一つ一つが意味を持った縁起物なのですから、見ているだけで福がやってきそうですね。
傘福の特色は?
細工物の製作は、古布を集めることから始まり、すべてが手づくり。 平成22年の第5回傘福展示に向けて、新たに紅花染の傘福も製作しました。 「なす」は大願を成す、「さるっこ」は災いが去るようになど、飾り物一つひとつに意味があります。
確かに同じつるし飾りでも、この傘福の傘の天蓋は、
日本三大つるし飾りの他の二つ(つるし雛と、さげもん)とは大きく違っています。
ただ、つるし飾りの細工物はどれもとても似ていますね。
全部で61種類あるという傘福のつるし飾り。
具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。またその意味は?
傘福 つるし飾りの細工物の意味は?
この傘福の中に吊るされている細工物は、古布を集め1つずつ丁寧に手作りされています。「さるっこ」は「災いが去る」、「なす」は「大願を成す」、「亀」は「長寿の象徴」などの意味が込められた一般的なモチーフはもちろん、この酒田のつるし飾りは商売繁盛の願いに特化した細工物が多く見られます。
たとえば、「財産に恵まれること」を願った「蔵の鍵」や、「欲しい物をなんでも出してくれる、望みが叶う」ことから「小槌」など。そのほかにも珊瑚や七宝、巻物など、色々な吉祥柄のモチーフが華やかに繋がれています。地元幼稚園のお子さんが作った細工物も飾られていますよ。
傘福は、ここで見れます。 「山王くらぶ」
■国登録文化財 山王くらぶ明治28年建築の料亭「山王くらぶ」が、110余年の時を経て、新たな観光拠点として生まれ変わりました。
この建物は、外観もさることながら本市で一、二の格式を誇った老舗料亭にふさわしく、各部屋ごとの組子建具、床の間などは銘木をふんだんに使った優れた意匠となっています。
館内には、北前船でにぎわった時代を中心とした展示エリアと、市民と観光客がふれあう傘福などの体験工房と常設展示室などがあります。どうぞお気軽にご利用ください。
傘福の由来と、酒田祭り。
酒田祭りにおいて毎年市内をくねります山車のひとつ本間家の亀傘鉾は、 傘に縁起物を吊るしており、
これに傘福の歴史の根源をみるとこができます。
酒田の傘福は、女の子・男の子の幸福を願う縁起物。
子孫繁栄の願いを込めた傘福を年中飾れるように、孫や子供の誕生祝の記念や贈答品としてどこでも飾れるような傘福を考案しました。三月の節句には女の子が可愛くやさしく育つように、五月の節句には男の子が元気で丈夫に育つように、と願う気持ちをちりめん小物で表現し、男女の傘福として用意しています。
女の子・男の子それぞれの幸福を願った傘福がある点が特徴的です。