神社仏閣へお参りに行った際、御札を頂いてくる人も多いでしょう。
この御札には正しい祀り方があるのをご存知ですか?正式な御札の飾り方をすると、より神様に好かれてご利益が賜りやすくなります。
そんな祀り方は作法について解説します。
もくじ
そもそも御札って何?
神社仏閣へお参りに行った際、御札を頂いてくる人もいるでしょう。
御札がとてもありがたいものであるのは、多くの人が何となく感じていることです。
それでは、御札はそもそも何なのでしょうか?具体的に答えられる人は少ないかもしれませんね。
そこで、まずは御札の意味について紹介します。
神社の御札は神様とつながるための道具
神社で頂く御札は、神様とつながるための道具とされています。
神様と会話をしたり、神様に助けてもらったりする為には、まずは神様とつながる必要があります。御札はそのための道具なのです。
遠方にいる人と連絡を取る時、あなたはどんな手段を取るでしょうか?電話やコンピュータを使って会話やメールで連絡を取るでしょう。御札は電話やコンピュータの代わりだと思ってください。
神社では神様に助けて頂くとき、直接神様と連絡を取ってお願いをするという考え方があります。心の中で神様に呼び掛けてもその声は届きますが、御札があった方がより鮮明に素早く神様に声が届きやすくなる、ということなのです。
お寺の御札は目的別の力を受け取る道具
お寺で頂く御札は、目的別の力を受ける道具です。
御札にはすでに目的別の力が込められています。合格祈願の御札なら、合格に必要な力が御札に込められているということです。
力が込められた御札を身近に置いておくことで力がその人に宿り、願いや目標を達成しやすくなります。
御札に力を込めるのは、ある程度の修業を乗り越えて神様との距離が大変近くなった高僧と呼ばれる人です。
高僧は自分自身が神様と他の人との電話線のような立場にあります。自分自身を通して神様から送られてきた力を御札に込めています。
御札の祀り方【神棚編】
御札には正しい祀り方があります。正しい祀り方をすることで、より神様や御札に込められた力を得やすくなるのです。
まずは神棚に御札を祀る時の、正しい作法について紹介します。
神具をそろえる
神棚に御札を祀る時は、最初に神具を揃えます。
必要な神具は、水器(水を入れる器)1つ、小皿2枚(お供え物用)榊立て2つです。
これらを神棚の前に飾ります。
飾り方は、真ん中に水器、その両脇に小皿2枚、更にその外側に榊立て2つです。
水器は購入時には蓋がついています。神棚に飾る際には中に水を入れるため、蓋は外しておきます。
神具は神具や神棚を取り扱っているお店や、仏壇を販売しているお店で購入できます。どんなものをそろえれば良いのかわからない場合は、お店の人に聞いてみるのも良いでしょう。必要なものをワンセットにして用意してくれます。
お供え物は水と米と塩
神棚の準備ができたら、御札は神棚の中に納め、その前にお供え物をします。
お供え物は基本的には水と米と塩の3つで、それ以外のものはお供えしません。
お供え物の供え方にも作法があり、向かって左から順番に、米→水→塩の順番でお供えするのが習わしです。
ちなみに米は炊き立ての温かいご飯ではなく、生米をお供えします。
お供え物は毎月1日と15日に交換します。
ちなみに榊立てには榊をお供えしますが、こちらは枯れてきたら新しいものに交換するようにしましょう。
御札の祀り方【簡易編】
御札の祀り方には、簡易的な方法もあります。
自宅に神棚を飾るスペースがなかったり、本格的な飾り方はしたくないという人は、簡易的な飾り方をすると良いでしょう。
簡易的といっても、正しい祀り方をすれば神棚へ祀る時と同じご利益が頂けますから、安心してください。
毎日拝むことができる場所に祀る
御札は毎日拝むことができる場所に祀りましょう。
基本的にはリビングなどのような、人が集まる場所に飾ると良いでしょう。
また、毎日朝起きた時と夜寝る前に必ず御札を拝むという習慣がある人は、寝室でも大丈夫です。
御札のご利益を得るには、毎日こまめに拝むことが大切です。拝むことで神様とのご縁を強くすることができるからです。
「ここなら絶対に毎日拝むことを忘れない」と思う場所に飾るようにしましょう。
1階に祀る場合は人が歩かない場所に祀る
2階建て以上の家で、御札を1階に祀る場合は、上の階で人が歩かない場所に祀るようにしましょう。
2階の部屋を歩くとき、御札を踏んでしまう形になると神様に対して失礼に当たるからです。
神様はそのような小さなことでお怒りにはなりません。
でも、自分に置き換えて想像してみてください。他人に頭を踏まれるのは嫌ですよね。
自分がされて嫌なことは御札にもしない、というのが基本なのです。
人の出入りが激しくない場所に祀る
御札を玄関先は、部屋の出入り口付近に飾る人がいますが、これはあまり良いとは言えません。
御札を人の出入りが激しい場所に飾ってしまうと、神様が落ち着かない気持ちになるからです。
レストランや映画館などで出入り口に近い場所に席を取ると、人の出入りが激しくて落ち着かない気持ちになることはありませんか?神様も同じなのです。
落ち着いた気持ちになって頂くためにも、人の出入りが少ない場所に飾るようにしましょう。
目線よりも高い位置に祀る
御札は神様の化身でもありますから、目線よりも高い位置に祀るのが基本です。
2階建て以上の家で御札を1階に飾る際には、天井に「天」や「雲」と書いた紙を貼ってその下に御札を祀るようにしましょう。「天」や「雲」という紙を天井に張ることによって、「ここがこの家で最も高い位置です」ということを示しているのです。
神様はその家の最も高いところに祀るのが基本ですから、このようにすると良いでしょう。
画鋲で止めない
御札を祀る時、風などで倒れてくることを防ぐ為に画鋲で止めてしまう人がいます。
御札は神様の化身でもあり、分身でもあります。
あなたは自分が釘などで壁に貼り付けにされたらどうでしょうか?痛いと思いませんか?
御札も同じです。画鋲で止めるという失礼なことはしないようにしましょう。
ちなみに昔は御札を固定するためにご飯を用いていました。ご飯は「仏舎利」と言って仏様の骨でもあったため、これを糊の代わりにして固定していたのです。
御札が安定しない場合は台座となる厚紙に御札を張り付け、厚紙を画鋲で固定するようにしましょう。
御札の替え時と処分方法
御札には替え時があり、正しい処分の方法もあります。
これらをきちんと守ることで、よりご利益が賜りやすくなるのです。
御札の替え時と処分の方法について紹介します。
御札は購入してから1年で替える
御札の交換時期は、「絶対にこの日でなければだめ」という日はありません。
基本的には購入から1年で交換します。
1年で替えた方が、気持ちも新たになりますからね。
また、御札が汚れてきた時に替えるという方法もあります。
御札の汚れは、それだけ災厄から守ってくださった証でもあります。
感謝の気持ちを持って替えるようにしましょう。
御札は神社やお寺に奉納する
古い御札は、神社仏閣に奉納するのが基本です。
古くなった御札を納める場所が設置されている神社仏閣がありますから、そこへ持っていって納めましょう。
奉納する際には、御札を購入した神社仏閣でなくても大丈夫です。遠方へ赴いた際に頂いた御札もあるでしょう。近くの神社仏閣へ行って奉納すれば、問題はありません。
まとめ
神社仏閣で頂く御札はとてもありがたいものです。正しい祀り方や作法を心掛ければ、それだけよりたくさんのご利益が頂けます
御札は神様の化身でもありますから、大切に扱うようにしましょう。
自分がされて嫌なことは御札にもしない、という考えを持ってお祀りすれば、ありがたいご利益が頂けるでしょう。