韓国では、お店の繁栄を祝って、茹でた豚の頭を置いて繁栄を祈る儀式があります。これを「コサ」と言います。今回は、この中国の縁起事「コサ」について紹介したいと思います。韓国が好きな方はぜひ覚えておきましょう!
もくじ
コサとは
韓国では店をオープンしたり、新車を買ったり、事業を始める時、ゆでた豚の頭を置いて「告祀」(コサ)と呼ばれる厄払いを行う。古くから土着化しているこの風習は、クリスチャン以外の韓国人ならば、ほとんどが抵抗なく習慣的に行っている慣習だ。
そこで、どのような内容なのか見ていきましょう。
映画の撮影でも無事とヒットを祈って使われます。
「お祓い(おはらい)」は、韓国語で고사(コサ)という。
告祀(고사)は、一身・家庭・仕事などの厄運を祓い、幸運を神霊に祈る祭祀。日本語ではお祓いに近い。告祀の料理として必ず出るのが豚の頭(돼지머리)である。また韓国ドラマや映画の撮影がスタートする前によく行う。昔は무당(ムダン、巫女)などが行うこともあったが、最近では宗教・聖職者なしで、関係者のみで行う場合が多い。
韓国では映画がクランクインする前に、“コサ”という、成功祈願・安全祈願をこめた儀式をします。日本で言うと、お払いみたいなものです。
お供え物の料理は韓国のチェサ(法事)のようですが、一つ違うのは豚の頭の燻製をそのまま真ん中に置くことと、撮影用のカメラも置くことです。他は韓国のおひたしナムルや、ジョンというお好み焼きみたいなもの、果物、ナツメ、お餅などが一般的です。
コサの由来
昔、天に業将軍と福将軍というふたりの将軍がいたのですが、とてもいがみあっていて
それを呆れた天上界のトップ・玉皇上帝が
ふたりの将軍に競い合いをさせ
勝った方を自分の傍に置くことにしたそうです勝負の結果は、業将軍はズルをしてしまったことが発覚し、天上界を追放
福将軍の勝利となりましたそこで玉皇上帝は福将軍を豚の姿に変え
人間の祈りを自分に届ける橋渡し的存在としての権限を与えたため
人々は祈り事をするとき、空へ願いが届くよう、仲介人として豚を使うようになった
かなり興味深い話です。
豚が韓国では祈りをかなえる者、福の象徴になり、告祀でも使われるようになったそうです。
そんな伝説が伝わる一方、豚の頭を使った経緯には経済的な理由も大きかったようです。牛の価値が貴重だった当時、牛一匹殺して頭を使うということが難しかったため、豚を使うことになったとか・・・。いずれにせよ、お店で見かける豚の置物やこのような行事から、韓国人にとって豚という存在が生活の奥深くまで入り込んだ親しい存在だということがよくわかりますよね。
韓国といえば、価値のあるものを大切にする文化があります。
例えば「金」や「朴(王様の名前)」を名乗ることが多いこともそうです。
それだけ豚との付き合いが大きかったからこそ、その名残でこうしたイベントをしていたわけですね。
具体的には何をするの?
1.膳の前で正座をします。
2.米酒を飲み、杯を置きます。
3.祝詞を読み上げます。
4.再び米酒を飲み、杯を置きます。
5.2回敬礼をします。
6.祈りながら豚にお金を挟みます。
豚の顔。
しかも笑ってる…。
コサでは笑っている豚を使います。
笑っていれば笑っているほど良いと聞いたことがあります。
そして一人一人お辞儀して、お金の入った封筒を豚の口に入れます。
コサには製作会社、キャスト、監督、スタッフはもちろん、投資会社、マ ーケティング担当、現像所、
他の映画製作会社の社長たちなど、場合によ っては100人以上参加します。
そして演出部、製作部、録音部、撮影部 など、チームごとに代表が挨拶したあと、
チェサ(法事)の時のように、 供え物の前で立った状態から座って(土下座のように)ひざを
ついて頭を 下げて2回から3回礼をします。一通り挨拶して礼をしたら豚の口にお金をはめこみます。多ければ多い程 よいし、豚の顔も
笑っていれば笑っている程よいと言われています。お供 えしたものは、儀式が終わったあと
みんなで食します。
みんなで一緒に仲良く食べるというのは一緒のようですね。
いかがでしたでしょうか?
今回、韓国の縁起事「コサ」についてまとめてみました。
このように、外国にも様々な儀式や縁起を担ぐことがありますよね。
そして、その地域の特性から色々なものが派生しているようです。
たまにはこうやって他国の縁起担ぎを調べてみるのはいいのではないのでしょうか。