道(タオ)とは?道の起源や日本での道の捉え方をご紹介!

 

「道(タオ)」は、中国で広く知られている哲学の一つです。

道はすべての人たちや物事が通るところであり、その行き着く先には広い宇宙へ通じているとされています。

道の考え方は、日本にも古くから根付いています。そんな道の起源や日本での捉え方について紹介していきます。

道(タオ)って一体何?

「道」は、中国では「タオ」と読みます。あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。「タオって何?」と思う人もいるでしょう。

まずは「道(タオ)」とは一体何なのかについて、見ていきましょう。

中国の哲学用語の一つ

「道(タオ)」とは、中国に古くからある哲学用語の一つです。

中国哲学が唱えている「道(タオ)」は、人はもちろん、物事も通る場所です。人が歩いていく場所であり、物事が目的地へたどり着くための場所でもあります。

また、規範や道徳といった考え方も「道(タオ)」には含まれています。道徳という言葉には「道」という文字が入っています。このような、人間が考えたり感じたりすることにも道があり、「道(タオ)」はその目に見えない概念も意味しているのです。

老子が語る道とは

老子が語る「道(タオ)」とは、人間の言葉では表現できない何かです。

それは万物の根源であり、人間ではたどり着くことができない境地のことであると、老子は説いています。

老子が語る「道(タオ)」に、具体的な概念はありません。はっきりしない何かなので、概念は存在しないのです。

簡単な言い方をすれば、神という人間が恐れる存在がいる場所といったところでしょうか。そのようななんだかわからないもののことを、老子は「道(タオ)」と言っています。

孔子にとっての道とは

孔子にとっての「道(タオ)」は、道徳や人道のことを指しています。

孔子が語る「道(タオ)」は、老子が語るそれと似ています。ですが、孔子は人間がたどり着くことができない場所だとは考えていません。道徳や人道を実践することで、その域に達することができると説いています。

言い換えるなら、人間が神の領域にたどり着く為の実践的な方法です。孔子は、人間も道徳や人道を日常生活に取り入れることで、神の域に到達することができると考えていました。

老子が語る「道(タオ)」は、人間には到達できないものです。孔子は神の域に達するための実践的な方法が「道(タオ)」だと語っています。この点で大きな違いがあるのです。

道教について

「道(タオ)」を語るうえで、もう一つ外すことができないのが道教です。

道教は中国三大宗教の中の一つです。また、その考えは老子の思想や考え方に基づいています。

道教の教えは、簡単に表現すると「すべてを天に任せなさい」ということです。自分の力で何とかしようとするのではなく、時の流れに身を任せて生きていきましょうという教えを説いています。

「あるがままに生きる」という考え方が道教の基になっているのです。ここには、理想を追い求めることもしない、ということも含まれています。

日本での道とは

日本での「道」とはどういうものなのでしょうか。日本での道も中国での「道(タオ)」が基になっています。

ですが、時の流れとともに、日本における道は中国のそれとは異なる内容になっていきました。

ここでは、そんな日本での道とはどういうものなのかについて見ていきましょう。

芸術面での道

日本での道は、大きく二つに分かれています。そのうちの一つは、芸術面での道です。芸術面での道には、茶道、華道、書道、香道の4つが含まれています。

・茶道

お茶を点てて、お客様に振る舞う行為のことです。この一連の行為から礼儀作法を学ぶことが目的とされています。

・華道

植物、または植物とその他を組み合わせて独自の世界観を構成し、鑑賞する芸術。華道の発祥は仏様に供える供花という説が有力視されています。このことから、華道を通して仏の道を極めることが目的とも言われています。

・書道

書いて文字の美しさを表現しようとする芸術。これは東洋独特の芸術だと言われています。また、文字はその人の内面を表します。このことから、書道を通して自分自身の内面を見つめることが目的だとも言われています。

・香道

香道は東南アジアのみで発達した芸術です。何故なら、香道に使用する沈香(じんこう)は、東南アジアでしか産出されなかったからです。沈香の香りから、情景を連想して表現することを目的としています。大変精神性の高い芸術の道と言えるでしょう。

武術面での道

日本における道のもう一つは武術面です。武術面での道には、柔道、剣道、弓道の三つがあります。

・柔道

柔道は、「柔(やわら)」の術を用いてじっくり道徳心を養うことが目的です。簡単に言い換えると、攻撃的な人に反発するのではなく、自分の心や考え方を柔らかくして受け流すということです。「そういう人もいる」ということを柔道を通して学びます。

・剣道

剣道は、日本の剣術を競技に変化させたものです。心を常に冷静に保つことで、相手がどんな風に出てくるかを予想することができます。剣道を通して冷静さと、本質を見抜く力を養うことが目的です。

・弓道

弓道は、和弓で矢を射て的に当てる武術です。的の真ん中に正確に矢を当てるには、精神統一が何より大切です。弓道を通して己と向き合い、精神統一を極めることが目的です。

道から学ぶこと

「道(タオ)」からは、生きていく上で大切なことがたくさん含まれています。それを学ぶことが目的の一つなのです。

それでは「道(タオ)」からはどんなことを学ぶのでしょうか。具体的にどのようなことを学ぶのかについて紹介しましょう。

己を知って己を高める

「道(タオ)」からは、己を知って己を高めることが目的です。

日本の芸術や武術でも、精神統一が大変重視されています。精神を統一させるには、自分の精神を乱す原因を知ることが重要です。そのためには、自分を知ることが最も近道なのです。

「道(タオ)」を通して自分自身の内面と向き合い、心や精神を乱す原因を見つけます。その原因が見つかれば、それをどのようにコントロールしていくと良いのかが見えてきます。その方法を知って、常に冷静でいられるようにするのが目的なのです。

自然の摂理を知る

「道(タオ)」からは、自然の摂理を知ることもできます。

柔道は、思い通りにならない事柄をいかに上手に受け流していくかということを学びます。

自然の摂理も同じです。自然は人間の思い通りになることはありません。人間が自然と上手に付き合っていく必要があります。

「道(タオ)」は、自分の気持ちと上手に折り合いをつけて人生を歩んでいく方法を教えてくれています。「道(タオ)」を極めることで、より楽に人生を歩んでいくことも出k理うようになるのです。

人間関係の大切さを知る

「道(タオ)」は、人間関係の大切さも教えてくれています。

あなたの周りにいる人たちは、すべてあなたの内面を映し出す鏡です。気に入らない人や苦手だと感じる人が目の前に現れた場合には、あなたにそのような一面があることを伝えています。

「道(タオ)」では、己と向き合うことが何より重視されています。己と向き合い、受け入れがたい一面も真正面から見つめて受け入れることが大切だと、道は伝えているのです。

自分のすべてを受け容れることで、周囲の人たちとの関係性も良好になります。「そういう人もいる」などのように柔らかな心を持つことで、人間関係の大切さを実感できるようになるのです。

まとめ

「道(タオ)」は、深く考えるととても奥が深くて難しい考え方です。「道(タオ)」を極めようとするのは、かなりの鍛錬が必要になってくるでしょう。

ですが、日常生活の中に簡単に取り入れることができます。それは、自分自身を大切にすることです。自分自身を否定するのではなく、すべてを受け容れましょう。

宇宙や自然はどんなあなたも否定せずに受け容れてくれます。それと同じことを志すことが、「道(タオ)」を極めることに近づくのです。

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