厄除けに効果があると言われているお札。一体どこで頂くのでしょう。また、頂いた厄除けのお札はどこにどのように飾ると効果があるのでしょうか。処分の仕方がわからないという人も多いでしょう。そこで、厄除けのお札の入手方法から飾り方、そして処分の方法まで網羅して解説します。
もくじ
厄除けのお札の入手方法
厄除けのお札はどこで頂くことができるのでしょう。また、どのようにすれば厄除けのお札を頂戴できるのでしょう。
実はお寺と神社とで厄の考え方が異なるため、そのお札の意味や入手方法は少し異なります。そこで、それぞれの場合に分けて解説します。
お寺の場合
お寺の場合は、「やってくる厄を祓う」ということではなく、「厄を退ける気を入れる」ことになります。厄は誰にでもやって来るものであり、それを乗り越えることで生まれ変わったり、新しい人生の門出を迎えることができたりすることができる、と考えられているのです。
お寺にとっての厄とは、修行の一環です。決して悪いものではなく、高みを目指すための修行として必要な役目を持っていると考えられているのです。
そのため、お寺では厄除けのお札を頂く場合は、お祓いではなくて気を入れて頂きます。厄を退けたり乗り越えたりする気を入れてもらう儀式をして頂き、その気を込めたお札を頂戴することになります。
神社の場合
神社の場合は、厄を祓うことになります。やってくる悪い厄を祓って、悪い時期を乗り越えるという考え方です。
神社にとっての厄は、悪いものとされています。厄を悪鬼として描いている神社もあるくらいです。悪いものは払えば退けることができるという考えがあるので、お祓いをします。
神社で厄除けのお札を頂く場合は、厄祓いの儀式をして頂きます。神主さんが幣(ぬき)と呼ばれる、白くて長い紙のついた木の棒を振って厄を祓うのです。この時、厄を祓うご利益があるお札も頂きます。
厄除けのお札の飾り方
お寺と神社によって役に対する考え方が違うため、お札の意味合いも異なります。ですが、飾り方はお寺で頂いたお札も神社で頂いたお札も変わりません。
頂いた厄除けのお札の飾り方を解説します。正しく飾ることでご利益がたくさん頂けますから、参考にしてくださいね。
お札の向きは南か東
厄除けのお札は南か東向きに飾るのが一般的とされています。
南向きに飾るのは、そちらの方角がとても明るいと言われているからです。幸運や神々しい存在は明るい場所からやってくると言われています。厄除けの効果がある幸運や、厄を祓ってくださる神様のご加護は、明るい南側からやってくるということで、南向きが良いとされているのです。
また、東向きに飾るのは、東が太陽が昇る方角だからです。日本では昔から太陽を神様と考える風習があります。天照大神(あまてらすおおみかみ)は、太陽の化身とされる神様です。太陽や天照大神は大変強い力を持っています。その力で厄という悪いものを退けたり、退けるための力を得られたりできると考えられているのです。
頭よりも高い位置
厄除けのお札は、人間の頭よりも高い位置に飾りましょう。これには二つの理由があります。
一つは厄除けのお札自体が神様の化身だとされているからです。お寺では厄除けのお札に気を入れて頂きます。この気は神様と同じものであり、その気を入れたお札は神様と同じという考え方があります。神様は人間よりも高い位置にいらっしゃる存在ですから、お札は人間の頭よりも高い位置に飾るべきなのです。
また、ご利益や天から舞い降りると考えられています。神社では厄除けのお札に厄という悪いものを退けるご利益を入れて頂きます。そのご利益は天から降り注ぎ、お札やその依り代と考えられています。頭よりも高い位置にお札を飾ることで、素早く厄を退けるご利益を頂くことができるとされ、頭よりも高い位置に飾った方が良いとされているのです。
清潔な場所
厄除けのお札は、清潔な場所に飾りましょう。厄除けのお札は大変ありがたい縁起物です。神様が宿っているという考え方もあるくらいです。
そのようなありがたいものを、汚れた場所に飾るとご利益がいただけるどころか、罰が当たる可能性もあります。神様はそのような小さなことは気にされません。ですが、気持ちの問題です。汚い部屋に通されて喜ぶ人はいないでしょう。お札も同じです。
お札を飾った場所は清潔さを保つことも大切です。毎日丁寧に掃除をしましょう。また、お札自体にも埃がかぶらないように、毎日埃を払って清潔にしておくことが重要です。
厄除けのお札を飾ってはいけない場所
厄除けのお札は、絶対に飾ってはいけない場所があります。その場所に飾ってしまうと、ご利益がなくなるという噂もあるくらいです。
そんな厄除けのお札を飾ってはいけない場所をご紹介します。
1階の部屋
厄除けのお札を飾ってはいけないとされている最も有名な場所は1階です。1階の部屋はどこでもすべて厄除けのお札を飾ってはいけないとされています。
これは、2階があるからです。お札は最も高い位置に飾らなければならないとされています。もし1階のどこかの部屋にお札を飾ってしまうと、2階に上がった時にお札よりも高い位置に自分がいることになります。
また、2階を歩くとき、部屋の構造によっては1階に飾っているお札を踏みつける形になります。大変失礼なことですよね。だから、1階の部屋に飾ってはいけないとされているのです。
ただし、1階の部屋に飾る時にお札の上の天井に「天」という文字を書いて張り付けておくと問題ありません。そこがこの部屋で最も高い場所であるということになるためです。
人通りが多い場所
人通りが多い場所も、厄除けのお札を飾るのはいいとは言えません。落ち着かないからです。人通りが多いということは、それだけ空気や気の出入りが激しいということです。
想像してみてください。レストランや喫茶店を訪れた時、出入り口近くの座席に座ると落ち着かない気持ちになりませんか?お札も同じなのです。
玄関先や扉の近くに厄除けのお札を飾るのは良くありません。静かで落ち着いた場所に飾りましょう。
厄除けのお札の処分の仕方
厄除けのお札は、厄年を過ぎると処分します。その時、どのように処分すれば良いのかわからない、という人もいるでしょう。
厄除けのお札の処分方法について解説しますので、参考にしてください。
頂いた場所へ持参する
厄除けのお札は本来、頂いた場所へ持参して返納するのが一般的です。
神社仏閣には、役目を終えたお札やお守りを回収するボックスが備え付けられています。そこに感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」とお礼を言って、返納しましょう。
神社仏閣では、回収したお札やお守りを燃やして供養してくださいます。そうして、持ち主の更なる繁栄や幸運を願ってくださっているのです。
近所の神社仏閣でも可
厄除けのお札を頂いた神社仏閣へ再び訪れるのが難しい場合は、近所の神社仏閣でも大丈夫です。神様同士が仲が悪いということはありません。なので、安心して返納しましょう。
この場合も、頂いた神社仏閣へ返納する時と同じです。回収ボックスがありますから、そこに感謝の気持ちを込めてお札にお礼を言ってから返納してください。
ゴミとして出す場合は注意
どうしても神社仏閣を訪れることが難しい場合は、一般ごみとして出すという方法もあります。
この場合は新聞紙の真ん中に厄除けのお札を置き、天然の塩を一つまみ振りかけてお礼を言います。そして丁寧に包んでゴミ袋に入れましょう。他のごみと一緒にするのではなく、お札だけ入れて捨ててください。
まとめ
厄除けのお札は、神社とお寺とでその意味合いが少し違っています。ですが、ご利益があるという点では同じです。飾り方や返納の仕方は同じです。ありがたいお札ですから、取り扱いに注意をしてご利益を頂いてくださいね。