お見合いや結納、婚礼の席などでよく出される「桜湯」。縁起がいい飲み物ですよね。なぜ婚礼の席などで桜湯が出されるのでしょう。普通のお茶ではだめなのでしょうか。桜湯が婚礼の席などに出される理由と、その縁起について調べてみました。
もくじ
美しい飲み物【桜湯】
お湯の中で花が開きます。
「桜茶」と同じ。桜の花びらを梅酢と塩で漬けたものをお湯で戻した飲物。
結納など慶事に供される。
なお、関西では桜茶の代わりに、「喜ぶ」に通じる昆布茶を出すことが多い。【歴史・由来】
桜湯は見た目の美しさはもちろんのこと、湯の中で花が開くことがおめでたいとされる。
なお、慶事では煎茶は「お茶を濁す」「茶々を入れる」などに通じるとされ、一般的には使用しない。
見合いや婚礼などの一生を決める祝いの席では、その場だけ取り繕ってごまかす意味の「茶を濁す」ことを忌み嫌うことから、祝いの席ではお茶を用いず、代わりの飲み物として桜湯を用いることが多い。
桜の季節はいろんなおめでたいことがありますし、春は出会いの季節ともいいます。
桜湯を出すことで、男女の出会いも深まるのかもしれません。
慶事では煎茶はタブー。桜湯を出すのが一般的になっています。
関西では昆布茶も多いそうです。
お茶の代わりの縁起物として
「茶を濁す」ことを忌み嫌うのが、桜湯が用いられる大きな理由です。
桜には稲の神様が宿るといわれている。そのため農民は豊作を祈願し、桜の花の下で酒宴を催し、歌や舞で神様をもてなして桜が散らないよう祈る。これが花見の始まりという説もある。日本人の桜に対する思いは文学作品からもうかがえるが、桜餅に使われる桜の葉の塩漬けだけではなく、桜の花の塩漬けもある。桜の花漬けを湯飲みに入れて熱湯を注ぐと、ふわっと広がる花びらが満開の桜を思わせ、優雅な香りが漂う。結納や結婚式などのお祝いの席では「花開く」様子が縁起のよいものとして好まれ、その場だけ取り繕ってごまかす意味の「茶を濁す」ことを忌み嫌うことから、お茶の代わりとして飲まれるようになった。
そこで、お茶の代わりに桜湯を出すのが一般的になり、
桜湯がおめでたい席での縁起のいい飲み物になったようです。
婚姻の席などに美しい桜の花びらが浮かぶ桜湯はよく似合います。
さくら湯の桜の品種は主に八重桜
八重桜が器のなかで美しく花開くそうです。
その場だけ取り繕うという意味の「お茶を濁す」ことを嫌う一方で、「花開く」様子が縁起がいいと好まれたことから、お茶の代わりに桜湯を出すようになったとのこと。
人生の春を迎えた花嫁と花婿を囲む晴れの日に、なんともふさわしく、華やかなおもてなしですね。
さくら湯に使われる桜の品種は主に「関山」。美しい八重桜です
さて、この「さくら湯」に用いられるのは、桜花を塩と梅酢で漬けた「桜の花漬け」。その材料は、ソメイヨシノではなく、花びらの多い八重桜です。なかでも好まれる品種が、ふんわりとこぼれるように咲く「関山(かんざん)」という名の八重桜。
花がまだ3~5分咲きの頃に摘み取り、ガクを一つ一つ取り除く繊細な手仕事を経て、器のなかで美しく花開く、桜の花漬けができるのです。
お湯でぱっと花が開くさくらは八重桜のようで、主に「関山」を使うのが一般的みたいです。
とても綺麗な桜ですから、お湯の中でなんとも言えない風流な姿を見せてくれます。
桜湯を見て心を動かされ、二人の愛情も深まるかもしれませんね。
昔は逆に縁起が悪かった!?
江戸時代中期以降、縁起がいい飲み物に変わりました。
サクラの塩漬けを利用して、桜湯、桜ご飯、和菓子、お吸い物、また日本酒などにも浮かべることがあります。その中でも、”ヤエザクラ”は色が濃いため、サクラの中でも重宝されています。桜湯の歴史について
今の日本では、桜湯は縁起の良い物として結婚式などでよく出されます。しかし昔の日本だと、桜湯は縁起の悪い物とされていました。
桜湯は縁起が悪いとされていた理由は、花が散る頃になると急速に色がさめてしまうサクラもあるからでした。これを、「桜ざめ」といいます。結婚式の時に桜湯を出して、新郎新婦の気持ちがさめてしまうかもしれないと考えられていました。
しかし現在では、桜湯は結婚式に出てきます。桜湯の縁起が悪いという考え方は江戸時代初期までだったので、今は気にしなくていいでしょう。
江戸時代中期よりお茶の代わりに用いられ、花開くなどの理由で桜湯が縁起物になっていったようです。
今では桜はおめでたい花です。
江戸時代初期までは時代も時代ですから、
悲しいことなどが多くあり、桜の散るように物思うことが多かったのかもしれませんね。