秋の味覚の一つでもある柿。実はこの柿が縁起物だったことはご存知ですか?柿の木を庭に植えるのも縁起物だったなのです。その理由や由来について調べてみました。縁起物としての効果と合わせて紹介しますので、参考にしてくださいね。
もくじ
柿が縁起物とされている理由とは?
秋の味覚として日本で人気が高い柿。そんな柿は、実は縁起物だったのをご存知でしょうか?
お正月の鏡餅に干し柿を飾るお家は、何となく縁起物っぽいと感じるかもしれませんね。
柿がどうして縁起物だとされているのか、その理由について調べてみましたので、ご紹介します。
中国語が由来になっている
柿が縁起物とされている理由の一つに、中国語が関係しています。
「柿」という漢字は中国語では「事」という漢字と同じ読み方なのだそうです。そしてこの「事」という漢字は中国語では「物事がうまくいく」という意味があるのだとか。大変縁起がいい言葉とされています。
そんな縁起がいい言葉(漢字)と同じ発音の「柿」も縁起がいいとされ、柿そのものが縁起物になったと言われています。
ちなみに台湾では頭が柿の実になった人形が点在しているのだそうですよ。これも縁起がいいからそのような人形を置いているそうです。
日本では語呂合わせが理由
日本では、語呂合わせが理由で柿が縁起物とされているという説もあります。
「柿」は「かき」と読みますよね。これに「嘉来(かき)」という字を当てます。「嘉」という漢字は喜びを表し、「来」は「やってくる、訪れる」という意味を表しています。「嘉来」は、二つ合わせると「喜びがやってくる」または「喜びが訪れる」という意味になります。
このことから、柿を食べると喜びがたくさん訪れるようになると考えられ、縁起物とされるようになったと言われています。
ちなみにどのような喜びがやってくるのかもある程度決まっているようです。
• お金に関する喜びがやってくる
• いつまでも健康でたくさんお金を稼ぐことができる
• お金持ちの縁談が舞い込む
ざっと挙げてみましたが、どれもお金に関することばかりですよね。柿が縁起物だと考えられるようになった背景には、多くの人たちが今よりも貧しい生活を強いられていたという事実があります。そのため、「喜び=お金」と考える人が多かったのでしょう。
庭木として植えると家が繁栄する
風水では、庭木として柿の木を受けると家が繁栄すると言われています。
柿の実は明るいオレンジ色をしていますよね。これを風水では「赤」とみなし、邪気を祓う色とされています。悪い気は明るい色を嫌い、その中でも特に赤が大嫌いだと考えられているのです。
また、柿の実の色は火を連想させる色でもあります。風水での火は、悪いものを燃やして浄化し、良いものを呼び込むとされています。火と同じ色をした柿にも、火と同じエネルギーが宿っていると考えられたのです。
これらのことから柿の木も縁起物とされ、庭木として植えられるようになりました。庭に植えることで悪いものを寄せ付けないようにしようと考えた、というわけです。
柿の縁起物の効果とは?
柿には、どのような縁起物としての効果があるのでしょうか?
具体的な縁起物の効果について調べましたので、ご紹介しましょう。
お金がたくさん集まる
柿には、お金がたくさん集まるという縁起物の効果があると考えられています。この理由も実は語呂合わせにあります。
「お金をかき集める」と表現することがあります。この「かき集める」の「かき」と「柿」の発音が同じなので、柿を食べることでお金がたくさん集まると考えられていたのです。
お金がたくさん集まるという縁起物の効果は、何も柿の実に限ったことではありません。柿の木を庭木として植えることもまた、お金がたくさん集まることにつながっています。
庭木として植えた柿の木にたくさんの実が成ったなら、それはたくさんのお金が舞い込む証、と考えられていたそうです。実際に柿の木を大切に育ててたくさんの実が成ったら、その翌年にはたくさんのお金が舞い込んだ、という話もあるくらいです。
柿の縁起物としてのご利益や効果は、噂だけではないのかもしれませんね。
良縁に恵まれる
柿には、良縁に恵まれるという縁起物の効果もあります。
柿の実が赤く色づくと、良縁に恵まれるという説があるそうです。柿の実はその多くはオレンジ色ですよね。ですが、甘味が強い柿やよく熟れた柿はオレンジから赤に近い色に変化します。このような柿の実がたくさん成ると、嬉しい良縁が舞い込むのだそうです。
ちなみに、これは庭木として植えた柿の木だけに関係している縁起物の効果です。その昔、大きなお屋敷などでは柿の木を庭木として植えることが多くありました。それは、娘が良縁に恵まれて嫁いでいくことを両親が願ったからとも言われています。
長寿の証(干し柿)
柿は、長寿の証として縁起物のお祝いにすることがあります。長寿の縁起物とされているのは干し柿です。
干し柿は見た目がしわしわですよね。そのような姿を人間に例えると、高齢の人ということになります。干し柿を食べることで、高齢になっても元気で生きていくことができるようにという願いも込められているのです。
また、干し柿は通常の柿の実よりも栄養が大変豊富という特徴があります。そのような栄養豊富は干し柿を食べることで、いつまでも健康で長生きできるという事実も含まれています。
子宝に恵まれる
柿は子宝に恵まれるという縁起物としても大変有名です。
柿の木を庭木として植えた時、たくさんの柿の実が成れば、その家ではたくさんの子宝に恵まれて家が繁栄すると考えられています。
さらに、その柿の木をカラスなどのような鳥がたくさん食べてくれれば、それは柿の実がとても甘くておいしいという証。昔、甘い柿の実が成るということは稀で、ほとんどが渋柿だったそうです。そのような甘い柿の実がたくさん成ったということは、子宝に恵まれると考えたとも言われています。
柿は縁起が悪いとされることもある
柿は縁起物として考えられることが多くあります。ですがその反面、縁起が悪いとされることもあるのをご存知でしょうか。
今度は縁起が悪いとされる理由についてご紹介しましょう。
柿は体を冷やすから
柿の実は実はたくさん食べ過ぎると身体を冷やすという事実があります。柿を食べるとお腹を壊してしまう人がいますが、それは身体が冷えてお腹を壊してしまっているからです。
身体が冷えてしまうと全体的な運気が下がる、と考えられています。全体的な運気が下がってしまうと、お金や良縁に恵まれないという異なりますよね。
そのため、柿の実を食べ過ぎることは良くないと言われています。
子供が長生きできないので良くない
柿の木を庭木として植えると、子供が長生きできないと言われて縁起が悪いとされることがあります。これには明確な理由があります。
昔は甘いものがあまりありませんでした。そんな中、柿の実は甘いですよね。その柿の実を狙って子供たちがこぞって柿の木に登ったそうです。ですが、中には木登りが苦手な子供もいました。また、柿の実に夢中になってしまって注意力が散漫になる子供も。そのような子供たちが柿の木から落ちて亡くなるという事故が多発したそうです。
それ以降、柿の木を植えると子供が木に登って命を落とすので縁起が悪いとされたのだそうです。
まとめ
秋にはスーパーなどの果物売り場にたくさん並ぶ柿。
お正月などには干し柿として贈り物にしたり、鏡餅の上に飾ったりすることがあります。これらはすべて縁起物と考えられていたからです。
食べ過ぎることなく適量を食べれば身体にも良い柿。ぜひ、柿の実を食べて縁起物としてのご利益も頂いてくださいね。