精進料理とは?精進料理の歴史やその意味について紹介します!

 
精進料理

精進料理とはお寺で食べられている食事のことを言います。この精進料理はいったいいつ頃から日本で食べられていたのでしょう。実は精進料理には意外と知られていない深い歴史がありました。精進料理とはどのような歴史があるのかについて調べましたので、ご紹介します。

精進料理っていったい何?

精進料理
精進料理は、今では大変人気があるお料理でもあります。ですが、精進料理とはそもそもどのようなお料理なのか知っていますか?

精進料理の意味やお料理の内容について調べました。ご紹介しますので、参考にしてください。

精進料理とは仏教戒律に基づいた料理のこと

精進料理は本来、仏教戒律に基づいた料理のことです。

仏教の戒律には「無益な殺生をしてはならない」というものがあります。これは人間はもちろん、動物や虫なども含まれています。それは生きるための食事においても同じです。食べるために無益な殺生をしてはならない、とされているのです。

また、仏教戒律には「煩悩を刺激してはならない」ということも含まれています。そのため、中毒性が高い食べ物は口にしてはいけないということになっているのです。例えば、アルコールやカフェイン、白い砂糖は中毒性が高いとされています。これらも口にしてはならないのです。

無益な殺生をせず、中毒性が高いものも含まれていない料理を精進料理、と言います。

精進料理では肉を使ってはならない

精進料理では肉を使ってはならない、とされています。これは精進料理では多くの人たちが知っていることでしょう。

仏教戒律に「殺生をしてはならない」ということが書かれています。生きるための食事においても、殺生が固く禁じられていますから、動物を殺生することは禁止されているのです。

そのため、精進料理では肉はもちろん、魚が使われることもありません。肉料理や魚料理は当然ですが、調味料として使うことも禁止されています。かつお節は出汁を取るために、和食ではよく用いられますよね。ですが、かつお節の原料となる鰹も魚ですから、使ってはいけないのです。

精進料理ではネギ科を禁忌とされることもある

精進料理の中には、ネギ科を禁忌としていることもあります。

ネギ科の植物というと、ネギはもちろん玉ねぎなどを想像する人もいるでしょう。それ以外に、にんにくやニラやラッキョウなども含まれています。ネギ科の植物が禁忌とされているのは、煩悩を刺激する食べ物とされているからです。

また、精進料理では刺激物は嫌います。ネギ科の植物は刺激が強いので、禁忌とされているのです。刺激物という点から、山椒やパクチーやショウガも精進料理では禁忌の書k材とされることもあります。

精進料理の歴史

中国の路地
精進料理は日本だけの料理ではありません。実は、海外でも精進料理が存在しています。そして、その歴史は国によって様々です。

精進料理の歴史について、国別に調べてみました。ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

中国における精進料理の歴史

中国での精進料理は、仏教が広まる以前から食べられていた料理でした。西暦1年から、すでに精進料理の原型となる食べ物を食べていたと言われています。

中国での精進料理とは、神様への信心深い気持ちを示すために、一定期間肉を食べないという週間がありました。神様ら与えられた命に感謝する気持ちを、肉を食べないという行動で示そうとしていたのです。これが中国での精進料理の始まりとされています。

中国全土に精進料理が広まったのは、仏教徒が増え始めた430年頃からです。この頃になると、肉料理だけでなく、アルコール類も一切禁止という考えが定着し、現在の精進料理に近い食事が食べられるようになりました。

朝鮮半島における精進料理の歴史

朝鮮半島でも、精進料理が食べられています。朝鮮半島に仏教が広まり始めたのは4世紀頃です。ですが、それ以前から朝鮮半島では、肉料理をやめて菜食に移行しようとしていました。そんな移行期間に仏教も広まり始めたため、精進料理もすぐに定着したようです。

精進料理を食べる習慣があったのは、仏教徒だけでした。仏教の広がりとともに定着した食文化だったため、仏教を信仰していない人たちは精進料理を食べなかったのです。

1980年頃、精進料理専門店がソウル市内で開業します。これを機に、仏教徒以外の人たちも精進料理を食べるようになり、朝鮮半島でも精進料理が広く定着しました。

日本における精進料理の歴史

日本で精進料理が定着したきっかけは、禅宗です。

平安時代にも精進料理の原型とされる食事がありました。ですが、その内容は獣の肉は食べてはならないけれど、魚や鳥ならば食べても良いというものでした。

現在の菜食のみの精進料理が定着したのは禅宗の広まりと同時期で、肉類は一切食べてはならないというものです。ただし、味付けは大変しっかりしていて、肉体労働をしていた武士や農民たちにも満足できる料理になっていました。

その後、道元禅師が中国の宗へ仏教の修行に赴き、現在の薄味の精進料理を日本に広めました。ただし、薄味の精進料理が日本に広まって定着したのは、江戸時代に入ってからと言われています。

精進料理の意味

仏像
精進料理は、仏教戒律に基づいて作られています。そのため、精進料理そのものにも、大切な意味や仏の教えが込められています。

精進料理にはどのような意味や教えが込められているのか調べましたので、ご紹介します。

無益な殺生をしてはならない

精進料理の第一原則とも言える教えが、「無益な殺生をしてはならない」です。

命はすべて仏様が与えてくださったものであり、それを同じ仏様から与えられた命を宿している人間がむやみに奪ってはならない、という教えが仏の道にはあります。この教えは、食事でも同じと考えられていました。

例え生きるために食べる食事のためであっても、同じ仏様から頂いた命を宿している生き物を殺生してはいけないということです。また、そのようなものを口にして体内に取り込むことも悪、とされていました。

ただし、痛みを感じないであろう植物は食べても良いとされています。そのため、肉類は一切禁止し、野菜のみで精進料理が作られているのです。

煩悩を持ってはいけない

仏教の教えには、「煩悩を持ってはならない」という教えがあります。煩悩を持つことで、仏の道から外れてしまうと考えられているからです。

食事の中にも煩悩を刺激するものがあります。それは、香辛料などのような刺激物です。精進料理では、ネギ類も禁忌としているところもありますが、これはネギ類が刺激物だとされているためです。

刺激物が煩悩を刺激するという考えから、唐辛子やショウガなども禁忌とされる場合があります。辛み成分は、「もっと欲しい」という気持ちを増大させてしまうため、悪いことだとされているのです。

粗食をすることで仏に近づくことができる

粗食をすることで仏に近づくことができる、という考え方が仏教の教えにはあります。「贅沢は敵」という考え方ですね。

ぜいたく品や嗜好品は人間を堕落させてしまいます。「もっとぜいたくがしたい」という考えや、「独り占めしたい」という欲を増大させてしまうからです。

仏教の教えは、「ぜいたくをせず、慎ましく生きることが悟りを開く第一歩」としています。食事も悟りを開くための大切な方法です。その食事をぜいたくにしてしまうと、煩悩だらけになって悟りを開くことができなくなる、ということなのです。

粗食をすることで煩悩がなくなって悟りを開くことができる。これは仏に近づくことができるということに等しいと考えられているのです。それが精進料理の意味にもなっています。

まとめ

精進料理は、ダイエットにも最適だとされて、今では多くの人たちからもてはやされている食事でもあります。

ですが、本来の精進料理とは、煩悩を取り除いて悟りを開き、仏に近づくためのものです。修行の一環なのですね。

精進料理を食べるときは、仏の姿を思い浮かべて食べると良いかもしれません。すると、煩悩がそぎ落とされて、悟りを開くこともできるかもしれませんよ。

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