知人が不幸なことに入院し、なにか励ますためにも贈り物を考えている場合に知っておかなければならないことがあります。贈り物に付けるのしや水引に注意しておかなければ、恥をかいてしまいます。どのようなのし(のし紙)を選べばよいのか、マナーとして知っておきましょう。
もくじ
のしって何?
こののし、実はアワビから来ているのをご存知でしょうか。
アワビを縁起物として贈り物と一緒に送っていた歴史から、今でものしが贈り物をする際につけることがあります。
“熨斗(のし)”の由来は、昔は薄く伸ばしたアワビを縁起物として贈り物に添えていたことからきており、後に昆布や紙が代用されるようになりました。現在は簡略化され、印刷熨斗や折り熨斗(色紙を細長い六角形に折りたたんだもの)を使用したのし紙や祝儀袋が一般的となっています。それに加え、品物と一緒に目録をつけて贈るというしきたりも簡略化され、相手に中身を伝えるためにのし紙の表書きを書くようになりました。
お見舞いに適した「のし紙」は?
何度も繰り返していいものは、出産などのお祝い事です。
そのために、入院お見舞いには紅白結び切りののし紙を選びましょう。
快気祝い・入院お見舞いのお返し「のし」について
のし紙は、紅白結び切りのし
水引の本数は、5本・7本どちらでもかまいません
病気は良くないことなのに紅白でいいの?
「紅白はおめでたい縁起の良い色」であるので、入院お見舞いに使ってよいものか悩みますが、この紅白には早く良くなってほしいという願いを込めた意味合いがあるので使っても大丈夫です。
水引の色について、お見舞いは喜ばしい出来事ではないので、つい白黒を選びたくなってしまうかもしれません。
でも、ここでの紅白は、早く元気になるようにという前向きな意味での紅白です。
白黒を使うと、すでに不幸が起こったことになってしまい、縁起でもないことになってしまいますから、間違えないように気をつけてくださいね。
「のし」を付けない方が良い!という意見もあり
のしは伸ばしという言葉に通じるものがあり、病気や怪我が長引きますようにという意味にとられる場合もあるようです。
というわけで入院お見舞いの際には「のし」を付けない方が無難とされています。
しかし、のしは縁起が良く「長寿」を意味するので、絶対使ってはいけないというわけではありません。
お金を包む袋でも、お見舞いの品の箱にかける掛け紙でも注意したいのは、お見舞いには熨斗(のし)マークのあるものは使わないということ。
「のし」は「伸ばす」に通じるため、お見舞いに熨斗マークのある袋や掛け紙を使うことは、病気が長引きますように、という大変失礼な意味になってしまうのです。
“熨斗” は元々、薄く切ったあわびをのして (アイロンして引き延ばして) 乾燥させたモノで、長寿・延寿を意味してます。
おめでたい印象があるので、現在のお見舞いののし紙には “熨斗” がついていないモノが多いですが、本来の延寿の意味を考えると、”熨斗” がついていても大丈夫ですね。
お見舞いの「のし」の表書きは何と書けばよい?
最も簡単なのは「お見舞い・御見舞い」といった書き方ですが、「御伺い・祈御全快」といった言葉も選ばれます。
お見舞いの際に使うのしですが「紅白結び切り」を使い、のしの表書きには
「御見舞」
「お見舞」
「御伺い」
「祈御全快」などと書くと良いでしょう。
◎表書き
御見舞・お見舞・御伺い・祈御全快など。
お見舞いに使ってはいけない「のし(のし紙)」
基本的にはお祝い事に使うような蝶結びの水引を選ばないこと、弔い事に使う白黒デザインは選ばないようにしましょう。
お見舞いののしに使用する水引の種類や色に関するマナーは次のとおり。
水引は「結び切り」を使う。蝶結びはNG
色は紅白を使う。黒白、黄白はNG
「お祝いの花結び(蝶結び)」
祝いのし 紅白蝶結び
一般祝事、お中元やお歳暮などには、何度でも繰り返したいという願いから、簡単に結び直せる蝶結びの水引を使用。
弔い事に使う「白黒」
水引の色は慶事と弔事で異なります。
慶事の場合「赤白」「金銀」「赤金」など
弔事の場合「白黒」「黄白」「青白」「銀」「黒」など
相手を思いやる気持ちをもってお見舞いを
心配する気持ちも大切ですが、相手を思いやる気持ちを持たなければなりません。
入院した本人が一番動揺しているかもしれませんし、入院といった環境変化になれるのも大変です。
少し落ち着いたタイミングを見計らってお見舞いをする方が良いでしょう。お見舞いの際には、失礼のないように贈り物にのし(のし紙)を付けましょう。
のし紙のデザインは、紅白結び切りの水引を選び、のしは付けない方が無難なようです。