縁起がいい桃の節句!意味や由来について大解説!

 
桃の花

3月3日は桃の節句ですね。女の子のお祭りとして定着している桃の節句ですが、実は大変縁起がいい行事事でもあるのです。ですが、実際にはあまりこのことは知られていません。桃の節句の由来や歴史、そしてその意味などについて調べましたので、ご紹介しましょう。

桃の節句の由来とは?

桜餅
日本ではひな祭りを飾る行事として定番になっている桃の節句。

ですが、この桃の節句は実は日本独自の行事ではありません。

まずは桃の節句の由来についてご紹介しましょう。

ルーツは中国

桃の節句のルーツは中国にあります。

中国では220年頃から「上巳節(じょうしせつ)」という行事が行なわれていました。「上巳」とは3月上旬の巳日のことを指しています。それではどうして3月3日なのかというと、中国では昔から奇数は縁起が良いという考え方が定着していました。そのため、3月3日を上巳節としたのだそうです。

それではどうして桃の節句と呼ばれているのかというと、3月上旬ごろには桃の花が満開を迎えます。このことから上巳節を別名で「桃の節句」と呼ぶようにもなりました。

ちなみに中国での上巳節では、人形を飾るということはしません。川で身を清め、その川の近くで宴を催して楽しく過ごす、というのが上巳節の過ごし方でした。中国での上巳節は一種の厄除けだったのです。

日本に伝わったのは平安時代

中国で古くから行なわれていた「上巳節」が日本に伝わったのは平安時代と言われています。

平安時代ではこの頃、すでに「雛遊び(ひいなあそび)」という宮中行事が行なわれていました。これは雛人形に着物を着せたり、たくさんの調度品をそろえたりして遊ぶことで、良い妻になることができるとされていた行事です。

この「雛遊び」と中国から伝わった「上巳節」が結びついたとされています。

ただし、当時の桃の節句は雛人形を飾るという行事ではありませんでした。陰陽師を呼び、紙や藁で作った人形に願いを込めて祈りを捧げ、川に流すという「流し雛」が一般的な週間だったと言われています。

中国での上巳節が厄祓いであったと同じように、桃の節句が日本に伝わった当初も厄祓いとしての意味がかなり強かったようです。

女の子のお祭りになったのは室町時代

女の子のお祭りになり、雛人形を飾るという風習が定着したのは室町時代に入ってからのことです。ただ、当時はお金持ちの家だけしか、このような行事は行なっていませんでした。人形が高価だったこともあり、庶民にはとても手が届かなかったのです。

庶民にまで桃の節句が浸透したのは江戸時代に入ってからです。この頃になると、庶民の人たちも家に雛人形を飾って桃の節句をお祝いするようになりました。

それとともに、厄祓いとして行なっていた風習は影をひそめていきます。現在でも、一部の地域で流し雛が行なわれていますが、人形を流すのはもったいないという考えもあったため、ほとんどの地域では豪華な人形を飾るという方法に切り替わっていったのです。

国や地域によって異なる桃の節句の行事

中国の古い町並み
桃の節句は日本だけの文化や行事ではありません。他の国でも桃の節句をお祝いするという風習があります。

ただし、桃の節句のお祝いの仕方はその国や地方によってさまざまに異なっています。

縁起がいいとされる桃の節句のお祝いの仕方についてご紹介しましょう。

沖縄では「浜下り」が行なわれる

沖縄では桃の節句には、「浜下り」が行なわれます。

「浜下り」とは、旧暦の3月3日に浜辺に出かけ、手足を海水につけて身を清めます。そして一年の健康を祈願するという行事です。さらにその後、みんなでごちそうを持ち寄って桃の節句をお祝いします。

これは沖縄独自の風習で、その昔一人の娘が身目麗しい男性と恋に落ちて身ごもります。ですが、その男性は実は蛇の化身でした。そのことを知った娘は自分の身を清めるため海に飛び込みます。すると蛇の間にできた子供が海に流され、身を清められたのだとか。「浜下り」箱の話がもとになっています。

台湾ではピクニックに行く

台湾では、桃の節句にはピクニックに行くという風習があります。

桃の節句には、邪気を祓うという縁起のいい効果があるとされていました。その効果をより強めるために、まずお墓参りに行ってご先祖様や亡くなった先人たちに挨拶をしに行きます。その後、ご馳走を持ってピクニックに出かけるのだそうです。

桃の節句に先祖を敬う気持ちを示し、さらに野外で楽しく過ごすことで邪気を祓うことができる、と信じられているのです。

朝鮮では「踏青(とうせい)」を行なう

朝鮮では「踏青(とうせい)」を行ないます。

「踏青」とは、新しく出たばかりの草の芽を踏んで楽しく遊ぶことです。

桃の節句に新しく芽が出た草をたくさん踏んで遊ぶことで、大地の強いエネルギーを取り込むことができると考えられているようです。また、鉄板を野原に持ち出し、春の花を乗せたお焼きを焼いて食べると、さらに幸運に恵まれるとされています。

桃の節句に桃の花を飾るのはなぜ?

桃の花
桃の節句には桃の花を必ず飾りますよね。それはどうしてなのかご存知でしょうか。

実は桃の花にも縁起のいい効果があるからなのです。

そんな桃の花にまつわる縁起がいい効果や言い伝えについてご紹介しましょう。

桃には邪気を祓う力があるとされていたから

桃には昔から邪気を祓う力があるとされていました。

桃には強い香りがあります。悪いものは花の強い香りを嫌うという考えが、根強くありました。この考えは中国にもあり、中国では悪いものから身を守るために桃の花を植える習慣があったそうです。

この考えが日本も伝わり、桃の花は大変縁起がいい花とされています。

桃の節句に桃の花を飾ることで、悪いものを跳ねのける強い力を手に入れられる、と考えられていたのです。

桃の実は不老長寿の実とされているから

桃の実は不老長寿の実とされています。

中国には桃源郷という場所があります。ここでは桃がいつも満開の花を咲かせ、時間が止まった場所だと言われています。そこで取れた桃の実を食べると、自分の中に流れている時間も止めることができ、不老長寿を手に入れることができるのだとか。

桃の実に不老長寿の効果があるのなら、桃の花にも同じような効果が期待できると考えられ、桃の節句には桃の花が飾られるようになりました。

桃の節句に桃の花を飾ることで、いつまでも健康で長生きできますようにという願いも込められているのです。

ちょうど桃の花が見頃を迎えるから

桃の節句には、ちょうど桃の花が見頃を迎えます。

桃の節句にピンク色の美しい桃の花を飾ることで、より華やかになってお祝いの気持ちが高まってきます。祝う気持ちは邪気を祓うされています。気持ちを高めてくれる美しいピンク色の桃の花を飾ることで、邪気を祓う効果をさらに強めようと考えたのです。

桃の花は昔から魔除けの効果もあるとされていたため、桃の節句に飾ることで桃の節句そのものも縁起がいいとされるようになったのです。

まとめ

日本では女の子のお祭りとして有名な桃の節句。ですが、その由来は「上巳節」という中国で古くから行なわれている行事が日本に伝わったものでした。

また、もともと「上巳節」は女の子のお祭りではなく、厄祓いのための行事でもあったのです。そのため、縁起がいい行事とされるようになったのでしょう。

桃の節句にはお祓いに行ってみるのも良いかもしれません。近所の神社仏閣にお参り位に行くだけでも、縁起のいい効果が期待できるかもしれませんよ。

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