世の中には魔除けの樹木というものがあります。お庭に魔除けの樹木を植えておくと、悪い運気を退け、幸運をもたらしてくれるでしょう。
そんな魔除けの樹木は日本にも海外にも多数あります。お庭に何を植えようか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
日本の魔除けの樹木
魔除けの樹木と聞くと、何となく海外を想像する人が多いかもしれませんね。
ですが、日本にも魔除けの樹木は多数存在しています。
昔の日本のお庭には、魔除けの樹木がたくさん植えられていたのですよ。
そんな日本の魔除けの樹木をご紹介しましょう。
桃
桃が魔除けの樹木とされているのには、日本神話が深くかかわっています。
たくさんの神様を生み出したイザナミは、火の神を生んだことで死んでしまいます。そんなイザナミを恋しく思ったイザナギは、黄泉の国までイザナミを迎えに行きました。
イザナミは黄泉の国の神様と相談するので、しばらく門の前で待っていて欲しいと伝えます。ですが、イザナギはイザナミのことを大人しく待っていることができずに黄泉の門を開けて中を覗いてしまいました。
黄泉の国である程度の期間を過ごしていたイザナミは以前の美しい姿をしておらず、恐ろしい姿に変わってしまっていたのです。そんな姿を見られたくなかったイザナミは激しく怒り、約束を破ったイザナギを追いかけました。
命からがら逃げだしたイザナギは黄泉の国と現世の世界の境に生えていた桃の木から桃の実をもぎ取り、追いかけてくるイザナミに投げつけます。投げられた桃の実を恐れたイザナミはそれ以上追いかけることができなくなり、イザナギは何とか現世の世界に戻ってきました。
イザナギは恐ろしい鬼と化したイザナミから逃げるために桃の実を投げたことで、無事地上に戻ってくることができたということです。
この神話から、桃の木には鬼を退ける魔除けの効果があると考えられるようになりました。
南天
南天も、日本では魔除けの樹木として昔から愛されています。
南天は「ナンテン=難転」という語呂合わせが由来になっています。「難転」で、難を転じて幸運に変えるという意味があるのです。
困難な状況も南天が幸運に変えて、嬉しい出来事や楽しいことをもたらしてくれると考えられているのです。
また、南天は家相学から見て悪い方角や、悪運が入りやすい方角に植えると良いとされています。そのような場所は特に悪い気が溜まりやすく、南天を植えることでそのような悪い気を浄化して良い気にカエルという意味があります。
槐(えんじゅ)
槐という樹木はあまりなじみがないと思う人もいるかもしれませんね。マメ科の植物で、白い小さな花を咲かせるのですが、これも魔除けの樹木として昔から重宝されていました。
槐は特に陰陽道で用いられる樹木で、強い魔除けの効果があるとされています。
特に鬼が嫌う植物と言われていて、鬼門と呼ばれている方角に植えると鬼が寄ってこなくなるとされていたようです。
また、「えんじゅ=延寿」という語呂合わせの意味も込められています。槐を植えると長生きできる、または健康でいられるということです。その昔、鬼は病気の意味もあったため、健康運の上昇にも一躍買っていたのでしょう。
イチイの木
イチイの木も魔除けの樹木とされています。赤い小さな実が成る木です。
イチイは「一位」という語呂合わせから縁起の良い樹木とされています。イチイの木を家に植えると、あらゆる場面でトップを取ることができるということですね。トップを取ることはできなくても、大活躍をして幸運に恵まれるという意味があったようです。
また、イチイの木はどんな悪い運気やエネルギーも効果がないと言われているそうです。そのため、自宅の庭に植えておくと、あらゆる災いを退けることができると信じられているのだとか。
山椒の木
山椒の木も魔除けの樹木とされています。
その由来は山椒の葉の香りにあります。山椒の葉はとても強い香りがしますよね。悪い運気や鬼などは、そのようなとても強い香りを嫌うとされていました。山椒の葉の強い香りが魔除けになるとされていたということです。
山椒の木を庭に植えることが難しい場合は、玄関先に山椒の葉を吊るしておくだけでも効果があるそうです。
柏の木
柏の木も魔除けの樹木と考えられています。
柏の木には葉守の神様が宿ると考えられています。葉守の神様とは、樹木を守る神様のことです。他の魔除けの樹木と一緒に植えることで、魔除けの樹木の効果が強化され、いつまでも家を守ってくれると考えられているのです。
また、葉守の神様は樹木だけではなく、木々を大切にする人にもご加護を与えてくださるとされています。柏の木を自宅に植え、柏の木だけではなくその他の樹木や植物も大切に慈しむことで、魔を退けて幸運がもたらされるのです。
海外で植えられている魔除けの樹木
魔除けの樹木は、海外では日本以上に数多く存在しています。
海外ではあらゆる植物には妖精や聖霊が宿ると考えられているため、魔除けの樹木も数が多いのです。
その中でも特に有名な海外で植えられている魔除けの樹木をご紹介します。
月桂樹
月桂樹は海外の魔除けの樹木の中でも最もポピュラーと言って良いでしょう。
月桂樹は樹木そのものが魔を退けると信じられています。悪魔を祓い、幸運を引き寄せたり、幸運を引き寄せる魔法の効果をアップさせたりする効果があると信じられているのです。
また、月桂樹の葉には殺菌効果があり、燃やすことでその煙があらゆる悪い気やエネルギーを浄化するという考えもあります。
オリーブの木
オリーブの木は特にヨーロッパでは魔除けの樹木として大変重宝されています。
玄関にオリーブの木の小枝を飾ると、玄関から入ってこようとしている悪魔や悪いエネルギーを退ける効果があるのだそうです。
また、オリーブの冠はヘラクレスがオリンピックの勝者に与えたとされていることから、オリーブの木を受けると勝負ごとに強くなるという効果も得られるそうです。
モミの木
モミの木が魔除けの樹木とされているのは、ケルト民族の考え方に由来しています。
モミの木は寒い冬でも青々とした葉をつけていますよね。ケルト民族では、寒い冬は「死」や「闇」などのような暗いものとして捉えていました。そんな寒い冬でも青々とした葉をつけたモミの木は冬を制覇するもの、転じて死や闇を制覇するものとして神聖視されていました。
モミの木は死や闇などのような悪い出来事を退ける魔除けの樹木と考えられていたということです。
柊の木
柊の木はクリスマスで飾りとして用いられる樹木ですが、実は魔除けの樹木でもあるのです。
柊の木は、その家の人たちをあらゆる魔から守り、幸運をもたらしてくれると考えられています。
英語で「ホーリー」というところから、聖霊の力が宿っているとされているようです。
バーチ(白樺)
バーチは、別名マザーツリー(聖なる木)と呼ばれ、魔除けの樹木として大切にされています。
ルーン文字に浄化の意味を持つ「B」があるのですが、これはバーチを表していると言われています。
このことから、バーチには浄化の効果があるとされているのです。
バーチで作ったワンドで悪い霊に取りつかれた人を軽くたたくと、除霊ができるとされています。
まとめ
日本に古くからある庭にはたくさんの樹木が植えられていますが、それらの多くは魔除けの樹木という役目を担っています。昔から、木には魔を退ける効果があると考えられていたのですね。
魔除けの樹木と聞くとどうしても海外を想像しがちですが、日本にもたくさんの魔除けの樹木が存在しています。いつも見ている樹木にも、実は魔除けの意味が込められているのですよ。
もし、あなたのお庭に新しい木を植えようかなと考えているのなら、ぜひ魔除けの樹木を植えてみてくださいね。