12月の縁起ものといえば、年越しそばや冬至のかぼちゃ、ゆず湯を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。食べ物関連の行事がいくつかある中で、忘れてはいけないのが餅つきです。今回は餅つきについて由来や意味を詳しく調べてみました。
もくじ
12月と言えば年越しそば
バタバタとせわしなく過ぎ去った1ヶ月、または1年を振り返りながら、
年内最後の日をゆっくりと過ごすのには、年越しそばは欠かせませんね。でも、ちょっと待ってください。
12月って実は縁起を担いだ行事がたくさんあるってご存知でしょうか。
毎年何気なくやっているアレも実は縁起の良い行事です。
年越しそば以外の縁起物
この12月31日は大晦日と呼ばれ、昔は年神様を迎える準備をする日だったともいわれています。
現在では、除夜の鐘をついて煩悩を消すなんてことをします。その前に、12月13日には煤払いと呼ばれる神様を迎えるための大掃除がありました。
なぜ12月13日なのかといえば、この日はとっても縁起の良い日で、
新しい年を迎える準備を始める、つまり「ことはじめ」にはうってつけの日だったのです。
最近では古い考えに囚われず、12月25日のクリスマス前後に行う家庭が多いのではないでしょうか。
それが終われば、冬至にかぼちゃを食べ、ゆず湯に入って健康を祈ります。
そして、忘れてはならない行事が餅つきです。
近年では、各家庭で餅をついて新しい年の準備をするなんて珍しい光景になってしまいましたね。
スーパーやコンビニエンスストアに行けばお餅は売っていますが、
なぜ、昔から餅つきが行われてきたのか、気になりませんか?
餅つき
はじまりは?
おおよそ4000年以上前のことになるでしょう。
とても古くからあり、稲作の伝来とともに始まったとも言われています。
また、奈良時代の文献にお餅の存在があったことや、そのものが神聖なものだったとされる内容が記されています。
そもそも、お餅はいつ頃から食べられていたのでしょうか?
餅が古くから神妙な食べ物であることを物語る伝説の一つに、奈良時代に編纂された『豊後国風土記』(713年)というふるさとの起こりを書いた本があります。豊後の国(現在の大分県)の球珠速水(くすはやみ) の郡(こおり)の田野(たの)に住んでいた人達は水田を作って稲作を行っていました。余った米で大きな餅を作ってそれを的にして矢で射ると、その餅は白い鳥になって飛んでいってしまった。その後、家は衰え、水田は荒れ果てた野になってしまったというお話です。
餅はおそらく白くて丸く大きな平たいものだったのでしょう。
白い餅は縁起のよい白鳥に連想されていて、神秘な霊を宿すものと考えられていました。そのため、粗末に扱うことのないようにという意味が込められていたのでしょう。
伝説の餅が稲の神様である稲霊(いなだま) を象徴していたように、日本では餅は単なるおいしい食べ物ではなく、神が宿る特別な存在として敬(うやま)われてきました。
餅を食べると力がつき、新しく生命を再生させる霊力(れいりょく)があると信じられ、ハレの日(お祝いのある特別な日)に餅を食べる習慣が広がったのです。
いつやるのが良い?
餅をつく場合には『九もち』といい、
『苦』につながる29日はさけ、
28日までにすませる風習があります。語呂合わせが起源と言えそうですが、
29日に餅をつかないのは
2重に苦をつく「2重苦」が
忌み嫌われていたからです。ただし、地域によっては、
逆に2『フ』9『ク』で福がくるとして、
あえて29日につくところもあります。31日に餅をつかない地域もありますが、
これはお葬式のように一夜飾りになるため
縁起がよくないといわれているためです。
色々縁起を担ぐには、日付も気にして行うのがいいようですね。
どんな意味があるの?
実は、餅つきには2つの意味があります。
まず、鏡餅の準備のためです。
お正月に飾る鏡餅ですが、これは年神様がいらっしゃるための場所なんだそうです。
新しい年の年神様をお迎えするためにも鏡餅は必須アイテムです。
そのために、12月中にお餅をついて鏡餅の準備をしたのです。
もうひとつは、お雑煮のためです。
お正月におせち料理のほかに食べる定番メニューといえばお雑煮ですが
これにも深い意味がありました。
お雑煮に入っているお餅、これが神様の魂が宿る食べ物とされていました。
そして、そのお餅が入ったお雑煮こそ、神様からの魂をいただくためのお料理というわけです。
その証拠に、昔のお年玉はお金ではなく、丸いお餅だったそうですよ。
お餅というのは、とても神聖な食べ物なのです。
昔はお祝いごとのたびに餅つきをしていたくらいです。
まとめ
餅つきなんて面倒なことをする必要はないのかもしれませんが
たくさんの意味が込められている餅つきです、一度ご家庭で試してみてはいかがでしょうか。
道具のレンタルができるお店もありますよ。