「赤べこ」は赤い牛の縁起物です。ゆらゆらする首が可愛いです。今回はそんな福島県のご当地名物の「赤べこ」について、またその関連について調べてみました。福島に行った際はぜひ見てみてくださいね。お土産にもぴったりです。
もくじ
赤べことは
ゆらゆらゆれる首に愛らしい顔立ち。赤べこは会津の民芸玩具の代表です。 天正年間、蒲生氏郷がもううじさとが殖産振興しょくさんしんこうのために招いた技術者から伝わったのが始まりで、平安時代に蔓延まんえんした疫病えきびょうを払った赤い牛が由来です。
柳津町やないづまちの圓蔵寺えんぞうじには赤牛伝説のモデルとなった牛の石像も残されています。また、赤い色は厄やくよけになるといわれ、赤べこを持っていた子供は災難さいなんから逃れられるともいわれています。
和紙で作られる張り子の牛「会津赤べこ」。今でも厄よけのお守りとして重宝ちょうほうされています。首がゆらゆら動くという事で外国へのおみやげとしてもよろこばれています。会津をはじめ、東北地方では「牛」のことを「ベコ」とよびます。807年頃、柳津虚空蔵尊やないづこくぞうそん「圓蔵寺えんぞうじ」を建立こんりゅうするとき、難工事なんこうじでこまっていたところ、どこからともなく赤い牛があらわれ、大変な働きをして工事を助け、無事完成したと言われています。以来、「幸せを運ぶ牛」「子どもの守り神」として多くの人に愛されてるのです。(福島県河沼郡柳津町)
赤べこの作り方
赤べこの作り方1.木型作り
ホウノキをのみや小刀で削る。
2.和紙を張って乾燥(かんそう)
木型の上に和紙を何枚も糊(のり)で張り、乾燥(かんそう)させる。
3.背わり
乾き上がったら小刀で背や腹の部分を切り開き木型を取り出す。
4.下塗り
もう一度はり合わせてから、貝がらを粉にしてニカワでねった胡粉(ごふん)で下塗りをする。
5.上塗り
赤い染料などをニカワでとかし、上塗りをする。
6.絵付け
墨などで、模様などの絵付けをする。
7.頭部(首)の取り付け
首がよくゆれるように、首の後部にオモリをつけ、糸でつるして出来上がり。
赤べこの種類
万両べこ
黄金べこ
こんなに小さいのに、日本の未来を背負っているなんて頼もしいです。
赤べこの活躍
今から四百年ほど前の1611年に会津地方を襲った大地震でここ柳津も大被害を受け、虚空蔵堂をはじめ僧舎・民家が倒壊し多くの死者が出ました。その後の1617年に初めて虚空蔵堂(本堂)は現在の巌上に建てられたました。
本堂再建に使われた大材は、只見川上流の村々からの寄進を受け、只見川を利用して運ばれましたが、ここから巌上に運ぶのに大変困り果てていたところ、仏のお導きか、どこからともなく力強そうな赤毛の牛の群れが現れ、大材運搬に苦労していた黒毛の牛を助け、見事虚空蔵堂を建てることができたのです。
赤毛の牛の群れはなぜか虚空蔵堂の完成を待たずにいずこへともなく姿を消したと言われ、後に大材を運んでくれた牛に 感謝の気持ちと、ねぎらいをこめて建立されたのが開運「撫牛」であり、一生懸命手伝った赤毛の牛を「赤べこ」と呼び、忍耐と力強さが伝わりさらには福を運ぶ「赤べこ」として多くの人々に親しまれるようになりました。(福島県柳津町HPより)
その後も、この赤べこは、会津地方で伝染病が流行した時、赤べこを持っていた人が、病気にかからなかったということで、災難をよけたり、願いを叶えたりと縁起物のお守りとして有名になりました。
この「撫牛」は福島県だけではなく、全国にあるので見かけた方も多いのではないでしょうか。
銅で造られた「撫牛」は頭のところや身体がツルツルになっているのが特徴ですね。
牛(べこ)について
最後になりますが、牛について調べてみました。
「holy cow」という言葉は、そのまま訳すと「聖なる牛」という意味なのですが、「なんてこった!」のように驚きを表現するために使われます。このスラングはアメリカとカナダでよく使われるようですが、その語源はたくさん存在しており、どれが本当なのか誰もわかっていないようです。一説では、ヒンドゥー教において牛は聖なる生き物として見なされているので、インドで車を運転する時に牛に当たりそうになった時に、「holy cow!(聖なる牛だぞ!)」と叫んだことから、そういうスラングが生まれたようです。しかし、説はそれだけではありません。「オーマイゴッド!」のように「holy christ(聖なるキリスト)」と神に対して驚きを示す表現で、「chirist」が「cow」に変化していったという可能性もあるようです。
さらに、「バットマン」の初期のアニメシリーズでバットマンの相棒であるロビンが驚きを表現する時に、強調したい後の前に「holy」をつなげて、「holy batman!(なんてバットマンだ!)」、「holy headache!(なんて頭痛だ!)というように驚きを表すことが多かったようで、そこで彼が言った「holy cow」という言葉をファンが面白いと思ったことから、人々が流行語のようにその言葉をよく使うようになったという説もあります。
また、「holy」には「hole(穴)」という言葉がかけられているとも考えられており、「Holy buckets!」のようにして、同じく「なんてこった!」という驚きを表すの意味で使われるときもあります。
はたして、スラングである「holy cow」の語源は、「牛」なのか、「神」なのか、「バットマン」なのか? さまざまな説があるので、そのことに対して「holy cow!(なんてこった!)」と言ってしまいそうです。
困った時に、神様に頼っていることが分かります。英語圏ならではの表現ですね。
牛の字はウシを意味する。『説文解字』ではウシの二つの角、頭、肩、尾の象形とするが、甲骨文字を見ると、ウシの頭部のみの象形である。ウシは中国において古くから飼育された家畜であり、六畜(馬・牛・羊・鶏・犬・豚)の一つに挙げられている。家畜であるウシはその肉が食用され、乳が飲用される他、農耕や運搬のための労働力としても利用されてきた。また古くから祭祀の生贄として用いられ、その血や肉が神や祖霊に捧げられてきた(これを犠牲という)。このように牛は身近な動物であり、その形に象る独自の字を持ち、部首ともなっている。偏旁の意符としてはウシやウシに類似した動物に関することを示し、またウシは家畜として農耕牧畜や祭祀の生贄(犠牲)に用いられたので、そのようなことに関することも示している。
牛部は上記のような偏旁を構成要素にもつ漢字を収める。
なお牛部の漢字ではないが「牛」を構成要素にもつ「告」について康熙字典では篆書にもとづき縦棒が下に貫く字形としているが、日本の新字体や中国の新字形では筆記体により貫かない字形に改めている。