最近ではいろんな色の達磨(だるま)がありますが、縁起物としてダルマが生まれた理由ってご存知でしょうか?今回はダルマの歴史と一緒に目の入れ方や供養の仕方までご紹介します。
もくじ
そもそもだるまの由来と意味
昔、中国に禅宗を開いた達磨(だるま)大使というお坊さんがおり、9年間もの間座禅を組んだことによって手足が腐りなくなってしまったことに由来します。
日本の起き上がり小法師(おきあがりこぼし)という倒れない人形と組み合わさり、現在のダルマの形になりました。この倒れない姿から転じて「七転び八起き」「無病息災」「家内安全」の意味が込められています。
また魔除けの意味を込めて赤色になりました。江戸時代には天然痘の被害から守るためにこの赤い達磨が流行したのです。
達磨(だるま)の色によって意味が違う
だるまは色によって意味合いが違います。白の達磨(だるま)は人間関係や財運。黒のだるまは出世。緑のだるまは健康。黄色のだるまは金運に良いとされています。他にも15種類の色のダルマがあります。
よく見る赤のだるまは正式には高崎だるま(上州だるま)と呼ばれており、福だるま、縁起だるまとも言われたりします。
こちらは200年前から群馬県高崎市豊岡・八幡地域を中心に作られており、特徴的な眉毛は鶴に、口は口ひげは亀に模したと言われています。高崎では年間90万もの達磨を出荷し、全国の約80%をしめています。
だるまの目の入れ方はどちらから?
よく選挙でも、縁起担ぎと当選した後ででだるまに目を入れる光景がありますが、実は順序が決まっています。当選を祈願して入れる一回目は右で、当選した後では左に入れます。一般的にはこの逆の順序でだるまに目を入れますが、右は上手(ウワテ)の意味があるので「右に出るものはいない、という意味を込めて右から最初に書くようになりました。
諸説ありますが、だるまの目の入れ方には密教が関係していると言われています。すべての始まりの「阿(あ)」とすべての終わりの「吽(うん)」にならって、事の順序をだるまで表現しているのです。
また、陰陽五行から東にだるまの左目を置き、西にだるまの右目を置いてかきいれるという方法も残っています。
達磨(だるま)はどこに置けばいいの?
だるまを神棚に飾っている人もいますが、達磨は縁起物であるため、拝むものではありません。神棚に置いても大丈夫なのですが、置くなら右側というルールがあります。
しかし、家庭環境が変わった現在では地震の恐れもあるので、仏壇や床の間に飾っても大丈夫です。基本的にはどこに置けばいいかは家庭環境によって違うので、掃除の行き届くところへ置くのがベストだと思われます。
だるまの向きは、南から東へ顔を向けて置くようにすると、ご利益が多くなるとされています。
だるまはどうやって供養すればいいの?
だるまのご利益は、お札やお守り同様に一年と決まっています。そのため、一年が過ぎたら粗大ゴミなどに出さずに、供養を行っている神社やお寺にどんど焼きやお焚き上げをお願いしなければいけません。まだ願いが叶っていなくても、一年が経ったら新しいだるまを買う決まりがあります。
供養してもらうところは、地元にどんど焼きやお焚き上げを行っているところがあればそちらに、なければだるま供養を行っている寺社を近くに探してください。
都内では西新井大師というお寺で、毎年節分の時期にお焚き上げをやっています。こちらは公開供養であり、供養料も無料で行ってくれます。供養料を収めたいという方は、お気持ちを賽銭箱へ入れてもらう仕組みになっているようです。