「あたりめ」と「するめ」ってぶっちゃけ何が違うのでしょうか。どちらも同じようにイカを乾燥させた食品だと思いませんか?「あたりめ」とは、実は日本人ならではの気遣いのある言葉なんです。今回は「あたりめ」についてまとめていました。
もくじ
あたりめとするめって何が違うの?
するめの「する」の部分が、競馬や賭博などでお金を無くす意味の「する(摩る)」や、財布やお金を盗む意味の「する(掏る)」を想像させ、縁起が良くないので、縁起の良い「当たり」に置き換え「するめ」ではなく「あたりめ」と呼ばれるようになったのだそうです。
するめとは、イカの胴体を縦に開き内臓を取り出し、天日干しにしたり機械で乾燥させた食品である。日本では祝儀などに縁起物として用いられることがある。また昆布とともに結納品の一つにもなっている。この場合は寿留女と当て字をする。大相撲の土俵にも縁起物としてするめが埋められている。
あたりめとも呼ぶ。するめにされるのは、スルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカなどである。
するめとあたりめは同じものだったんですね。
あたりめというのは、日本人らしい感覚で言葉を言い換えたしゃれのきいた言葉なんです。
するめって縁起が悪い?
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スルメの「する」が博打でお金が無くなるという意の「する(擦る)」や、財布やお金を盗むという意の「する(掏る)」に通じ、縁起が悪い「忌み詞(いみことば)」として嫌われており、商人が「スルメ」の「する」を言い換えたものです。
するめの「する」という言葉が、お金を摺る、または、舞台興行の失敗を指す縁起の悪い物という、忌み言葉で、あえて言い換えて「当たり目」としたそうです。
商売繁盛の験担ぎに、お客様に当たりありますように「あたりめ」と表示しよう!
なんで縁起がいいと言われているの?
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縁起物である理由も色々あるようですが、乾物であるするめは日持ちの良いことから「末永く幸せが続く」とする説や、お金のことを「お足」ともいいますが、足の多いするめは「お足が多い(お金が多い)」ので縁起が良いとする説などがあるようです。
するめのするというのは掏る(金品をする、なくなってしまう。なくしてしまう)ということをイメージさせてしまいます。
言葉や商品に悪いイメージを与えないように気を使って名前を変えたのです。
なのであたりめは当たり目をイメージさせる縁起のいい名前になり、商品そのものも縁起のいい食べ物だと
言われるようになったのです。
「する」は忌み言葉と言われている。
いみことば 【忌み詞・忌(み)言葉】
(1)信仰上の理由や、特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉、特に死や病気に関するものが多い。
(2)(1)の代わりに使う言葉。昔、斎宮(さいぐう)で「僧」を「髪長(かみなが)」といい、また、商家で「すり鉢」を「あたり鉢」、結婚式で「終わる」を「お開きにする」という類。→斎宮の忌み詞
結婚式など縁起のいい行事でのスピーチなどは忌み言葉は絶対禁止です。
夫婦離別をイメージするような重ね言葉「終わる」「再び」「流れる」
ほかにも受験生などに「きる」「すべる」「おちる」「散る」などは禁句です。
弔事や開店祝いの席でも発言には気をつけましょう。
ほかにもある?忌み言葉で名称を変えられたもの。
梨(なし)は有に変える。
コチカメ(こちら葛飾区亀有公園前派出所)で有名になった「亀有」ですが、これはなんと「亀梨」(かめなし)という地名だったんですね。縁起が悪いとかえられていくという話でした。
フルーツの梨も「有の実」と呼ばれることがあります。
終わる・閉じる・割るは開くに変えられる。
お開きとは披露宴や宴会などが終わること。または会を終えて会場を出ること~帰宅することを意味する。意味合い的には「会が終わる」「会を閉じる」といった言い回しになるが、「終わる」「閉じる」といった言葉が忌み言葉(註参照)となるため、お開きと言う。会議、勉強会などでも使われる。
本来は「鏡餅を割る」ので「鏡割り」ですが、「割る」が忌み言葉として縁起の良い席にふさわしくないため、「開く」に言い換えられたのが「鏡開き」です。
日本酒の樽の蓋を木槌で割るのも「鏡開き」と呼んでいますね。これは日本酒の樽の蓋を「鏡」と呼ぶからだそうで、こちらも「鏡割り」なんですが、お祝いの場では鏡餅と同様に「割り」を避けて「鏡開き」と言われています。
昔の人は本当にこういう言葉の響きや言葉の使い方を気にしたのですね。
間違うこともあったり、外国の方にはとても難しいと思い増すが、日本人の細やかな性格と美しい日本語に
ぴったりだと思います。
しかし、最近ではなかなか使うことも少なくなり、知らなかった!ということも多いでしょう。
子供たちにも出来るだけ教え、伝えていきたいと思います。