お正月に神社で破魔矢を頂く人もいるかもしれませんね。
破魔矢は実は縁起物として昔から日本で愛されるアイテムの一つでした。そんな破魔矢にはどんな意味や由来があるのでしょうか。
破魔矢の正しい取り扱い方などもあわせてご紹介しましょう。
もくじ
破魔矢の意味や由来
神社やお寺などで破魔矢を頂いた人もいるでしょう。ただ単なる縁起物として購入される人も多いかもしれませんね。
実は破魔矢には大切な意味や由来があったのです。それらについて調べましたのでご紹介しましょう。
始まりは「新田神社(にったじんじゃ)」
破魔矢の始まりは「新田神社(にったじんじゃ)」と言われています。新田神社は東京都大田区にある由緒正しい神社です。この神社で参拝客に破魔矢を授与したのが始まりだと言われています。
新田神社で破魔矢を授与しようと提案したのはエレキテル先生として有名な平賀源内です。もともとは神社やお寺などの門前にあった茶屋で2本1組で販売していました。購入した人はそのうちの1本をお寺や神社などに奉納し、もう一本は自宅に持ち帰って飾っていたのだそうです。
破魔矢は邪気を祓うためのもの
破魔矢はもともと邪気を祓うためのものです。漢字にも表されているように「魔を破るための矢」という意味があります。一年を無病息災で過ごすことができるようにという願いが込められた縁起物のアイテムです。
現在は飾るものとして破魔矢は珍重されています。ですが、当時は本物の矢を使い、邪気を祓うための方角に矢を射るということをしていました。矢を射るのはそのお寺や神社の僧侶や神主さまでした。
破魔矢の正しい取り扱い方
破魔矢は適当に取り扱ってしまうと縁起物として効果が落ちてしまいます。正しい取り扱いがあるのです。
破魔矢の正しい取り扱い方についてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
凶の方角に向けて飾る
破魔矢は凶の方角に向けて飾ることが大切です。
毎年吉の方角と凶の方角は変わります。今年はどちらの方角が吉や凶なのかということは、お寺や神社に記されていますので、参考にされると良いでしょう。
破魔矢は魔を破るための矢ですから、矢の先を凶の方角に飾る方法が正しい飾り方です。凶の方角から悪い魔がやってこないように牽制する、という意味があるのです。
矢は太陽の方を向けてはいけない
破魔矢を飾る際には、絶対に矢を向けてはいけない方向があります。それは、太陽の方向です。
太陽は天照大神の化身とされています。天照大神はすべての人間を悪い魔から守ってくれる大切な存在です。そのような大変力のある大切な存在の人に破魔矢の矢先を向けるのは大変失礼に当たる、と考えられています。
矢を太陽の方向に向けてはいけないという決まりは、なにも飾る時だけではありません。神社やお寺から自宅に持ち帰る際にも、矢の部分を空に向けて持ち歩くのはタブーとされています。必ず矢の部分は下に向けて太陽の方向に刺さないように注意しましょう。
頂いてから約1年は自宅に飾る
破魔矢は頂いてから約一年は自宅に飾るというのが基本となっています。一年間は縁起物としての効果が破魔矢にある、ということですね。
一年というのは頂いてから一年という計算になります。破魔矢はお正月だけに配られる縁起物ではありません。それ以外のときにも神社やお寺で破魔矢を購入することができます。その購入した日から数えて1年は魔除けとしての効果がありますから、お家に飾っておくと良いでしょう。
基本はお焚き上げやどんと焼きに奉納する
破魔矢は神様の力が込められた大切な縁起物です。そのため、処分する際にも普通のごみとして捨ててしまうのはあまり良いことではありません。
基本的に不要になった破魔矢はお焚き上げやどんと焼きに奉納するということになっています。どんと焼きは一年に1回、1月の中旬ぐらいにお寺や神社で行なわれています。その時に神社やお寺に奉納すると、他のお守りたちと一緒に燃やして供養して頂けます。
また、お焚き上げをしている神社やお寺なら、回収ボックスが設置されているでしょう。そこへ持っていって回収ボックスに奉納するという方法もあります。こちらも、ある程度溜まったら定期的に燃やして供養して頂けます。
頂いた場所へ返すのが基本
購入し破魔矢は頂いた場所へ返すのが基本です。お正月の初詣で破魔矢を購入したのなら、不要になった破魔矢を供養するのは、その購入したお寺や神社へ奉納するということです。
破魔矢自体は約1年効果があります。1年の間に再び同じお寺や神社を訪れる機会が訪れるでしょう。その時に忘れず持っていって奉納するようにしましょう。
ただし、どうしても遠方で購入したところに奉納することが難しい場合は、ゆかりのある神社やお寺に奉納するという方法もあります。また、ご近所の神社仏閣に奉納しても良いでしょう。
間違ってもゴミとして捨ててしまうことはやめてくださいね。
破魔矢を頂く時期
破魔矢を頂く時期は何もお正月に限ったことではありません。
神社仏閣では一年を通して破魔矢が売られています。
そんな破魔矢を頂く時期についてご紹介しましょう。
初詣
破魔矢を頂く最も多い時期は初詣でしょう。初詣に神社やお寺に行った際、縁起物として破魔矢を購入する人は大変多くいます。
今年一年の無病息災を願って購入するというのが目的ですね。破魔矢を購入して家に飾っておくことで、その一年を平穏無事に過ごせますように、という願いが込められています。
初詣に破魔矢を購入する人は意外と多くいます。そのため、初詣で大混雑する神社仏閣では破魔矢の売り場だけ特別に設けて販売しているところもあります。その場合は、看板などが出ていますからよく見てみると良いでしょう。
七五三
七五三の際にも破魔矢を購入することがよくあります。この場合は、子供の成長を願って購入するというのが目的です。
昔は、子供は7歳までは神様のものと言われるくらい立派な大人に成長する子供は少なかったのです。神様に連れていかれてしまわないようにという願いを込めて、七五三のときに破魔矢を購入する人がいるのです。
今でもその風習だけは脈々と受け継がれています。七五三に赴いた際には、ちとせあめと一緒に破魔矢もセットになって販売しているという神社仏閣もたくさんあります。子供が持てるくらいの小さな破魔矢もセットにして販売しているところもありますよ。
お宮参り
お宮参りのときにも破魔矢を購入する人たちがいます。理由は七五三と似ています。子供は7歳までは神様の子とされていましたから、立派な大人に成長するようにという親の願いが破魔矢に込められているのです。
お宮参りの際に購入する破魔矢はとても可愛いものであることがよくあります。女の子ならピンク色の破魔矢、男の子は青や黒の破魔矢などのように色分けされているところもあるのだとか。
お宮参りで購入した破魔矢は七五三のときに奉納するというのが習わしとなっています。通常は約1年ですが、お宮参りのときだけは少し期間が長いのですね。
まとめ
お正月に頂く縁起物の破魔矢には、さまざまな由来や意味がありました。平賀源内が考案したというのは驚きでしたね。
破魔矢は魔除けのアイテムでもあります。初詣や特別な時に破魔矢を購入して自宅に飾ってみてください。
きっと幸運がたくさん舞い込んできますよ。