日本で独自に発達した香道の文化とは?香道の歴史や楽しむ方法をご紹介!

 

香道って知っていますか?日本で独自に発達した、お香を楽しむ文化のことです。香道というくらいですから、茶道や華道と同じように古い歴史や正式な楽しみ方があります。お香を楽しむ会も全国各地で開催されています。ですが、知らない人が多いのも現状です。そんな香道について詳しく紹介していきます。

香道って何?

香道とは、簡単に説明すると「お香を楽しむ」ことです。

主に東南アジア原産の香木を炊き、その香りを楽しむ芸道です。

ただ、その歴史は大変古く、香道に使われる香木にもさまざまな種類や表現方法があります。

そんな香道の歴史などについて詳しく紹介していきます。

香道はもともとは仏教が始まり

香道の始まりは、推古天皇の時代に現在の淡路島に香木が漂着したことが始まりだと、日本書紀には書かれています。

香木を炊くという行為そのものは、もともとは仏教における浄化の一環でした。香木を炊いて身を清め、仏門の道を極めるということだったようです。

推古天皇の時代は仏教が大変盛んでした。また、仏教を更に日本全体に広めようと活発に活動もしていましたから、浄化を意味する香木を炊くという行為そのものも、同時に日本全体に広がっていったのでしょう。

平安時代に香道は香りを楽しむ娯楽へ

香木を炊くという行為は、仏教での浄化を意味していました。

それが平安時代になり、貴族の間で香木の香りそのものを楽しむ芸道へと発展していったと言われています。香木を炊くという行為そのものが神聖な好意を離れ、娯楽という道を歩み始めたのです。

室町時代に茶道や華道と共に香道へと発展

やがて、室町時代に入ると武道や禅の意味合いが強い茶道や華道が登場します。茶道や華道は精神統一を意味する、一種の武道だったのです。

この武道の一つに香道も加わりました。精神を集中させて香木の香りを聞く、という考えが生まれたのです。

香木は大変高価なものだったため、茶道や華道に比べて香道は位が高く、お金持ちの人たちが進むべき道として捉えられていたようです。

六国五味

香道には、「六国五味(りっこくごみ)」という基準があります。「六国(りっこく」は、香木の原産国を表しています。香道では、6つの原産国の香木が用いられているのです。その原産国の香木は次のように言われています。

● 伽羅 (きゃら)・・・インド産
● 羅国 (らこく)・・・タイ、ミャンマー産
● 真那伽 (まなか)・・・マラッカ産
● 真南蛮 (まなばん) ・・・インド東海岸のマラバル産
● 寸聞多羅 (すもたら)・・・スマトラ産
● 佐曾羅 (さそら)・・・インドネシア産

また、「五味」は5つの味という意味です。香木が放つ香りを味になぞらえて表現しています。5つの味については次の通りです。

● 甘(かん)・・・甘味
● 酸(さん)・・・酸味、すっぱさ
● 辛(しん)・・・辛味
● 苦(く)・・・苦み
● 鹹 (かん)・・・塩辛い味

香木はそれぞれの原産国によって香りが違います。その香りを、5つの味で表現することが、香道の基本的な学びになっています。

香道で用いられる道具

香道ではさまざまな道具が用いられます。

茶道でも、お茶碗以外に茶さじや棗(なつめ)など、独自の道具を用いますよね。

香道も同じです。香道でしか用いない道具というものがたくさんあります。

そんな香道で用いられる道具について紹介していきます。

香炉

香道で欠かせないのは香炉です。香炉の中で香木を炊き上げます。

一般的な香炉は、手のひらサイズの青磁器が一般的です。湯呑をもう少し小さくしたものを想像すると良いかもしれません。

最近では、電子香炉というものも販売されています。通常の香炉に比べて香木を炊きやすいため、慣れていない人やお手軽にお香を楽しみたい人は、電子香炉を使うことが多いようです。

金額は瀬戸物でできたものなら大体3000円程度で手に入れることができます。電子香炉はその機能や利便性から2万円以上します。

火道具(ひどうぐ)

火道具とは、香木や香木を炊いた時に出る灰などを扱う道具のことです。

香道では、火道具を使って香木を炊き、灰を整えて香りを楽しみます。

● 香匙(こうさじ)
香木を炊く際に使用する銀葉というお皿の代わりのようなものに、香木を乗せる時に使用します。

柄の部分は木でできていますが、匙の部分は熱せられた銀葉に触れることも多いため、金属でできています。

● 灰押(はいおさえ)
香炉の中で高くなった灰を平らにするためのへらです。

灰は大変熱くなっているの灰押は銀色の金属でできています。

● 羽箒(はぼうき)
香炉の内側やふちに溜まった香木の灰を払う際に使用します。

昔は先の部分に時の羽を使用していました。

そのことから、この道具は「羽箒」と呼ばれるようになりました。

● 銀葉挟(ぎんようばさみ)
銀葉をつまむための道具です。

銀葉は香木を炊く為のお皿なようなものです。そのため、大変熱くてとても素手で持つことができません。熱せられて熱くなった銀葉は、銀葉挟を用いて掴みます。

銀葉が掴みやすいように、ピンセットのような形をしています。素材は金属です。

● 火筯(こじ)
灰を扱うための火箸です。灰押で平らにした灰に箸目をつける際にも用いられます。

熱い灰を扱うため、先の部分は金属になっています。ただ、持ち手の部分は木造のものが多くありますが、高価なものになると象牙の場合もあります。

火筯の「筯」という漢字は、竹冠に「助」という漢字です。ただ、筋肉の「筋」と書き間違えられていることもよくあります。

他に「香筯(きょうじ)」や「鶯(うぐいす)」と呼ばれている火道具もあります。火道具は全部で7種類。。このことから、香道の七つ道具と呼ばれることあるようです。

袋や敷物など

香道では、香炉や火道具以外に、袋や敷物なども用います。

香道で用いる香木はとても高価なもの。また、お道具も大変高価なものがたくさんあります。それらを傷つけないように大切に扱うという意味で、袋や敷物が用いられれているのです。

ただ、流派によって使用する袋や敷物は変わります。流派によって行動の作法が異なるため、用いる袋や敷物も異なっているのですね。

香道で用いられる代表的な袋や敷物は、こちらになります。

● 志野袋(しのぶくろ)
香道の中でも、志野流と呼ばれる流派でのみ用いられる袋です。

香木や香木を炊くときに使用する銀葉を入れて保管するためのものです。

丸底のきんちゃく袋のような姿をしています。

● 地敷き(じしき)
香道の際に用いるお道具を置く為の敷物です。香道で用いる道具はどれも高価なものですから、それを置く為の敷物が用意されているのです。

地敷きの素材は布ではなく、紙です。そのため「地敷紙」とも呼ばれています。

素材は紙ですが、地敷きにはその流派によって異なる模様が描かれています。地敷きに描かれている模様を見れば、どこの流派かわかるというわけです。

● 香包(こうづつみ)
炊き出す前の香木を包んでおくための紙です。

香木は大変高価なものです。そのまま持ち歩いてしまうと、高価な香木に傷がついてしまいます。

そのようなことを避けるために、香木は香包に包んでおくのです。

香道の楽しみ方

香道は、ただ単に高価な香木の香りをかいで楽しむだけの芸術ではありません。

「道」という文字があるように、茶道や華道のような楽しみ方があるのです。

香道の楽しみ方について紹介します。

聞香(もんこう)

香道の基本中の基本の楽しみ方です。

香道には流派によって基本的な作法があります。その作法にのっとってお香の香りを楽しむのです。

その基本的な作法通りにお香を楽しむことを、聞香(もんこう)と言います。

組香(くみこう)

こちらは、ゲーム性の強いお香の楽しみ方です。いくつかのお香を組み合わせ、そのお香を言い当てるという遊びです。

ただ単にお香を当てるのではなく、文学や時勢に合わせた表現を用いてその香りを表現します。香道とは別に、高い教養も求められる遊びです。

組香の本来の目的は、お香を当てることではありません。どれだけ表現豊かに香りを表現できるかに重点が置かれています。

香道という道

香道は茶道や華道と同じように、「道」という基本があります。

「道」は「タオ」と読み、生きる上での道理や道徳を学ぶ為のものです。その起源は中国にあります。

「道」とついているものは、すべて中国の「タオ」という考え方がおおもとに存在しています。茶道も華道も「道」という漢字がついていますよね。香道にも「道」がついているので、同じなのです。

「道(タオ)」について詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

道(タオ)とは?道の起源や日本での道の捉え方をご紹介!

まとめ

香道は、茶道や華道に比べてあまりメジャーではありません。香道を教えている教室も華道や茶道に比べて数が少ないということもあります。

人間は香りによって癒されることがたくさんあります。日常生活に疲れている人は、ぜひ香道にチャレンジしてみてください。

癒されるだけではなく、精神面も同時に鍛えられるでしょう。

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