縁起物の扇っていつできたの?その種類もご紹介!

 

 

縁起物の扇は正月や冠婚葬祭の飾り物だけでなく、実用向きや芸能にも広く使われてきました。そんな扇の歴史を振り返り、種類も見ていきたいと思います。

もくじ

縁起物で親しまれる扇はいつできたか

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扇は諸説ありますが、平安時代にできたと言われています。室町時代に大衆化し、舞踊や能の流行によって江戸時代に隆盛したと言われています。

古代ではうちわとして発祥した扇ですが、佐賀県の利田遺跡で出土したものが最初と言われています。古代エジプトや中国で誕生したという説もありますが、記録と残っているものが日本の平安時代にあるために日本発祥というのが有力なようです。

初めは紙の貼っていない薄い木で作られた檜扇(ひのき扇)と呼ばれるものであり、木簡(もっかん)のようにメモ帳としての役割も果たしたいました。

縁起物として用いられる祝儀扇の正しい用途と意味

緑が見える廊下で扇子を持ち座る着物の女性|フリー写真素材・無料ダウンロード-ぱくたそ (33269)

冠婚葬祭で目にする金色の扇が祝儀扇と言います。一般的に男性は白、女性は金や銀の扇を礼装に合わせて着用します。礼儀扇はその鮮やかな羽の広がりから「末広」と呼ばれ、祝福の意味を持ちます。挨拶するときには片手に持ち、普段は着物の帯に挿して使います。これは昔武士が刀の代用として用いたことに由来しているようです。

しかし現在は儀式用の扇として発展し、扇の下に大きな房がついています。なので懐剣という意味合いとは程遠くなりました。実用的な使い方はせず、祝福の態度を表す道具として使われています。

扇の種類は?

夏扇子

夏扇子は仰ぐために用いる実用の扇子です。夏らしく薄い日本の伝統カラーを用いた涼しげなデザインが一般的です。女性用は男性のものよりもひとまわり小さくなっています。

刺繍扇(ししゅうせん)

薄い絹に、細かく絵柄を刺繍したのが刺繍扇です。すみれやアザミ、水仙や桔梗(ききょう)と季節に合わせて用いるのがこの扇の特徴です。

洋扇

ヨーロッパで作られた扇であり、大航海時代に日本の扇子が変遷をたどって独自に進化したものです。見た目は扇と正反対の派手な装飾を施したクジャクの尻尾のようなデザインが特徴的です。実際にクジャクの尻尾を使った洋扇もあり、ヨーロッパの貴族に受け継がれていきました。

飾り扇

縁起物として用いられる飾り扇は、日本人なら誰でも見たことがあるでしょう。玄関や床の間、式典などにスタンドを用いて立てかけられているのを見たことがあるかもしれません。

最近では、正月に鏡餅と一緒に和紙を使って自作する主婦たちも増えてきました。チラシやポスターのデザインとして描かれるだけあって、長く引き継がれている文化です。

能に用いられる扇

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能で使われる扇子は、実用向けや縁起物の扇子とは少し形が違います。中啓(ちゅうけい)と呼ばれ銀杏の葉のように細長く上部だけが広がっているものです。半ば開かれているという意味で中啓と名付けられました。

種類は修羅物で使われる修羅扇と呼べれ、源平の戦いで敗れた公家が持つものとして舞台に登場します。

また、地謡(じうたい)や囃し子や後見が用いる鎮扇(しずめおうぎ)があります。シテの周りで金色の扇を仰ぎ、華麗な演出を加えるのが鎮扇です。

縁起物というよりは呪術的な意味を持っていた「軍扇」

家内安全の扇子|フリー写真素材・無料ダウンロード-ぱくたそ (33267)

まとめ:

徳川家康の日の丸で有名な軍扇ですが、縁起担ぎというよりは呪術的な意味合いで使われていました。当時、お戦国武将たちは戦に呪術者を臣下として登用していました。彼らは戦には吉日と悪い日があることに気がつき、扇を用いて戦の運勢を変えようとしました。そのやり方は、昼は太陽に向かって扇を表にし、骨を六つ開き、残り六つは畳んで使う。夜は、三日月に向かって扇を表にし、六つ開いて六つ閉じるというものでした。

武田信玄は、川中島の戦いで相手の刀を軍扇で受けたいつわが「甲陽軍鑑」に描かれています。軍扇に八つの刀の跡を残したこの戦いは、一騎打ちの武勇伝として広く語り継がれています。

縁起物として用いられる祝儀扇の正しい用途と意味

普段は扇として使うというよりは、センスとして夏の間でしか使わないのが一般的なのではないでしょうか。しかし、このように長い歴史の中で扇は大きな意味をなし、縁起物としてだけじゃなく武士や芸術家の生活に広く役に立ってきたのです。

冠婚葬祭で見つけたら扇の意味を調べてみると、地域や式のスタイルによって違った歴史を感じられて面白いですよ。

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