みなさん普段使っている漢字ですが、改めて見てみると不思議なことはありませんか?
「なんでこの漢字なんだろう」「どんな由来があるんだろう」と考えると気になってきますね。
日本人は古くから、漢字と縁起を深く結びつけて考えてきました。
実はその名残が私たちの生活には今でも数多く根付いています。
もくじ
身近にあった、縁起担ぎの漢字たち
しかし、「鮨」や「鮓」という漢字も見たことがありませんか?
なぜ「寿司」が一般的に使われているのでしょうか。
江戸時代に縁起担ぎのために作られたのがこの漢字、「寿司」です。現在では最も一般的に用いられていますね。やはり縁起担ぎということで、字面が良いのでしょう。看板などに使うと目を引くようです。さらにこの漢字、他の2つとは違ってさかなへんが使われていません。そのため魚を使っていない現代のスシ、例えば稲荷寿司や、いろいろなネタを使っている回転寿司などの言葉に使われやすいんです。
縁起を担いでいるうえにどんなネタにも使える「寿司」、確かに便利な漢字ですね。
私たちがよく食べている江戸前ずし・握りずしは元々は「鮨」という漢字でした。
現在でもお寿司屋さんの店名には「〇〇鮨」が多いですね。
寿留女って読めますか?
他にも昆布を「子生婦」、指輪を「結美和」などそれぞれ縁起の良い漢字が当てられます。
スルメは『擦る目』につながり縁起が悪いことから、まったく正反対の『アタリメ(当たり目)』と呼ばれることが多くあります。
またスルメは結納の品に使われることがありますが、このときは『寿留女』と書きます。これらは、日本古来の縁起担ぎで、同じスルメでも、呼び名を変えたり字を変えたりしてその場の状況にあわせたものなんですね。
贈り物に活用したい縁起と漢字のはなし
「 ふくろう=不苦労 」フクロウの置物で苦労しない人生を手に入れよう説
当て字ですね。いかにも日本人が好きそうな感じの説、こういうのって良いですよねー!同じように別の漢字の当て字でほかにもいくつか有るそうです
「 ふくろう=福来 」フクロウの置物で福がやって来る説
これだったらフクライじゃないか、とか思ってしまいますが細かい事は言いっこなし。「 ふくろう=福籠 」フクロウの置物で籠にいっぱい程の福が貯まる説
これ結構しっくりきますね。フクロウのフォルムが丸っこいので籠を連想できますし…。「 ふくろう=福老 」フクロウの置物で幸せに老いていける説
この説は私もおばあちゃんから聞いた事ありました。確かに、フクロウの置物、年配の方達にも人気ですもんねー。「 ふくろう=福朗 」フクロウの置物で福がきて毎日朗らか説
金持ち喧嘩せず、というように福に包まれた幸せな人はギスギスせず朗らかにいられるものです。
我が家にももっと福が欲しい…。そして凶暴なインコのイエモンさんが朗らかになってほしい…。
福を呼んでくれるフクロウの置物は引っ越し祝いなどの贈り物に使えそうですね。
色々なシーンで使えるかつおぶし
今でもかつお節は、「勝男武士」や「勝つ男」などの威勢がよい名前になぞらえて、いろいろなおめでたい席で使われています。元気な子に育つようにと「出産祝い」や「端午の節句」の内祝い、「勝つ魚」に由来して、「七五三」や「入学祝い」、さらには病気が治った人に贈る「快気祝い」など、さまざまなおめでたい場面の贈りものとして用いられています。
実は縁起が良い、意外な生き物も
中国語で「蝙蝠」の発音が『福が寄ってくるという意味』である「偏福」に似ていることから、幸福の象徴とされてきました。またコウモリは逆さにぶら下がる習性がありますよね。
「蝙蝠(コウモリ)」が落ちてくることから、福が落ちてくるとも言い伝えられています。
日本でも「幸盛り」「幸守り」との当て字がつけられて、幸運の象徴と捉える方もいらっしゃるようですよ。
ひょっとこもおたふくも、漢字で書くとその意味合いが分かりますね。
現在に息づく縁起担ぎの漢字
JR北海道のHPでの表示は、
かねへん(金)にうしなう(失)ではなく、
かねへん(金)にや(矢)です。これは、普通の「鉄」だと
「金を失う」という意味合いにとらえられるので、
国鉄を分割したときに、JRの一部の会社で
そのような表記にしたのです。ほかには「JR九州」も同じく、
かねへん(金)にや(矢)の文字を採用してます。
少しでも縁起を担ごうとしている気持ちがわかります。
昔も今も、漢字はその意味合いが分かりやすく伝わるので、良いイメージを持ってもらうためにも縁起の良い漢字を使いたいのは当然かもしれません。