十日戎で定番の商売繁盛の笹とは?その由来や意味について解説!

 
笹

十日戎では定番の商売繁盛の笹。「商売繁盛で、笹もってこい」という歌にもなっています。何故、笹は商売繁盛の象徴とされているのでしょうか。その由来や意味について調べました。飾り方や返納時期、更に小飾りの意味と共に解説します。参考にしてくださいね。

商売繁盛の笹の意味や由来

笹
関西で有名な十日戎。この時に必ず売られているのが商売繁盛の笹です。「商売繁盛で笹もってこい」という歌にもあるように、商売繁盛と笹は深く関係しています。ですが、どうして笹なのでしょう。

商売繁盛の笹の意味や由来について調べましたので、解説します。

商売繁盛の笹は関西が主流

関西では、十日戎の際に商売繁盛の笹を購入します。笹にたくさんの小飾りをつけて、一年の商売繁盛を願うのですが、実はこれは関西だけなのです。十日戎自体が関西だけの儀式で、全国各地で行なわれている商売繁盛を願った儀式ではありません。商売繁盛の縁起物の笹も、関西だけです。

ちなみに関東では商売繁盛の儀式として酉の市が行なわれます。もちろん、商売繁盛を願った縁起物が売られるのですが、笹ではなく熊手です。縁起のいい飾りがついた熊手を購入し、自宅や会社に飾って商売繁盛を願うというのが主流になっています。

笹の正式名称は「福笹」

関西では定番の商売繁盛の笹は、正しくは「福笹」と言います。十日戎で縁起物として売られる福笹は、あらかじめお祓いが行なわれていて、大変ありがたいご利益のある笹です。特別な笹なのですね。

それでは、どうして笹なのかというと、それは竹の成長に仕方に関係しています。竹は真っ直ぐ上に向かって成長します。他の樹木は途中で曲がることがありますが、竹はそのようなことがありません。また、竹は少々の風では倒れたりすることがなく、力強く真っ直ぐ天に向かって成長していきます。

このような力強くて真っ直ぐに伸びる竹の姿から、竹自体が縁起物とされています。商売もどんな困難なことにも負けずに真っ直ぐ上に向かって上昇することが最も望ましいですよね。そんな竹にあやかりたいという願いから、商売繁盛では福笹が用いられるようになりました。

商売繁盛の福笹の飾り方と返納時期

笹飾る
商売繁盛の福笹には正しい飾り方があります。せっかく購入した福笹。どうせなら最大級の商売繁盛のご利益を頂きたいですよね。正しい飾り方で飾って、商売繁盛のご利益をたくさんいただいてください。

合わせて返納時期についても解説しますので、参考にしてくださいね。

頭より高い位置に飾る

商売繁盛の福笹は、必ず頭より高い位置に飾りましょう。神様は人間よりも高い位置にいらっしゃいます。商売繁盛の福笹は、いわば神様の化身。神様そのものですから、人間の頭より高い位置に飾るのが良いのです。

また、商売繁盛に限らず、神様からのご利益は天からやってくると考えられています。福笹には、天から舞い降りるご利益をキャッチするという役目もあります。少しでも多くのご利益をキャッチできるようにという意味も込めて、福笹は人間の頭よりも高い位置で飾りましょう。

向きは南か東

商売繁盛の福笹は、必ず南か東向きになるように飾ります。これは南と東にそれぞれ大切な意味があるからです。

南は太陽が通る道と考えられているからです。日本では昔から太陽を神様であると信じられていました。天照大神(あまてらすおおみかみ)は太陽が神格化されたお姿です。日本で最も力が強い神様とされており、その神様が通る道に向けて商売繁盛の福笹を飾ると、ご利益が頂けるとされています。

東は太陽が昇る場所です。ここでも太陽が関係しています。太陽の化身である天照大神の力強いパワーを商売繁盛の福笹が受け止めることで、商売繁盛のご利益はもちろん、良縁や金運などの他のご利益も受け取ることができる、と考えられているのです。

清潔な場所に飾る

商売繁盛の福笹は、清潔な場所に飾りましょう。事務所に飾るにしても、自宅に飾るにしても、その建物の中で最も清潔な場所に飾らなければいけません。

商売繁盛の福笹は神様の化身でもあります。そのようなありがたい縁起物を、汚れた場所や埃っぽいところに飾ると、ご利益がいただけるどころか罰が当たると考えられています。清潔な場所で気持ち良く過ごして頂くことで、ご利益が頂けるのですね。

また、福笹を飾ったらその場所はもちろん、福笹自体もこまめに掃除してください。毎日埃を取り除いて清潔さを保つことが大切です。丁寧に取り扱うことで、商売繁盛のご利益がたくさん頂けます。気持ちが大切ですから、心を込めて掃除をしましょう。

1年のサイクルで返納

商売繁盛の福笹は、1年のサイクルで返納して新しい福笹を購入します。十日戎は毎年1月9~11日の3日間行なわれます。この時、古い福笹を持参して返納し、新しい福笹を購入するというのが一般的な方法です。

あまり古い福笹を飾るのは良いとは言えません。ご利益の力が弱まるということも考えられますが、福笹に集まった悪い気が良くない状況を引き寄せる原因になる場合もあります。福笹はご利益を与えてくれるだけでなく、悪い気を吸い取ってくれるという効果もあるからです。

どうしても取り換えるのが難しい場合は仕方がありませんが、できるだけ1年のサイクルで毎年福笹は取り換えましょう。また、昨年とは異なる神社の十日戎を参拝する場合も、古い福笹を持参して返納することは問題ありません。

商売繁盛の笹の小飾りの意味

十日戒の飾り
商売繁盛の福笹には、たくさんの飾りをつけます。小飾りはその種類は大きさによって値段が異なりますが、これらの小飾りにも大切な意味があるのです。

商売繁盛の福笹に飾る小飾りのそれぞれの意味について解説しましょう。

熊手

商売繁盛の福笹の小飾りには、熊手があります。関東の酉の市で縁起物とされる熊手です。

熊手は「お金をかき集める」という意味が込められています。商売繁盛はお金を集めることに通じていますよね。たくさんのお金をかき集められるくらい商売が繁盛しますように、当願いも込められているのです。

箕(み)

最近はあまり見なくなった箕(み)も、商売繁盛の福笹に飾る一般的な小飾りです。箕は農作業で使われる道具で、穀物を掬い取って振るうことで、不要な葉や籾殻を風に飛ばしてふるい分けるために使用します。

不要なものを取り除き、本当に欲しいものだけを手に入れるという点から、商売繁盛の際の縁起物と考えられているのです。

俵や鯛

俵や鯛はそれぞれ五穀豊穣と大漁を意味しています。農民にとっての五穀豊穣はこれ以上にない幸運ですし、漁師にとっての大漁も最大の幸運です。現在ではこれらが商売繁盛にあたるため、縁起物とされているのです。

また、米は一粒から大量の米粒ができます。更に鯛は昔から特別な時に食される縁起物の魚と考えられてきました。どちらも大変縁起がいいものなので、商売繁盛でも幸運をもたらしてくれるだろうと考えられ、福笹の小飾りとして親しまれています。

大判・小判・千両箱

大判小判や千両箱は、お金持ちになるようにという願いが込められています。商売が繁盛すれば、たくさんの大判小判が手に入ります。そのような状況が少しでも早く訪れるようにという意味があるのです。

また、お金はお金を呼びます。福笹に大判小判や千両箱を飾ることで、本物のお金を引き寄せるという意味もあるのです。

さいころ

さいころは語呂合わせが関係しています。さいころの数字のことを「目」と言います。さいころの6つの面にはすべて数字が書かれていて、何度転がしても必ず何らかの「目(数字)」が出ます。

商売で失敗することを、「転ぶ」と表現することがあります。商売で転んでも必ず芽が出るように、という願いから「さいころ」が縁起物として福笹に飾られるようになっています。

まとめ

商売繁盛の縁起物として有名な福笹。笹自体も縁起物ですが、実は福笹に飾る小飾りにもそれぞれ縁起物の意味がありました。見た目が華やかになりますから、飾ると気持ちが上がり、商売もうまくいくと考えられています。もし、仕事での運気上昇を願っているのなら、商売繁盛のご利益が頂ける笹を飾ってみると良いでしょう。きっと仕事での嬉しい出来事がたくさん舞い込みますよ。

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