選挙でおなじみのだるまですが、そもそもだるまとは何なのかというのを知らない方も多いことと思います。
実際どう縁起が良いのか?なぜ買った時に目玉を書くのか?
普段目にしているのに謎が多いだるま。
そこでだるまについて簡単にまとめてみました。
もくじ
だるま
縁起物として古くから使われてきた「だるま」。だるまの由来は、 「達磨大師」という南インドの高僧にあると言われているんだ。達磨大師は非常に修行熱心で、9年間もの間座禅を組み続けたと言われているんだ。その結果手足が腐ってしまい、手足のない状態になってしまったんだって。この伝説から作られたのが、赤くて丸く、手足のない「だるま」というわけ。だるまが赤い色なのも、達磨大師が着ていた赤い修行着にちなんでいるんだ。
ちなみに、願掛けのためにだるまに目を入れる習慣は、これよりずっと後にできたものなんだ。養蚕農家がだるまの片方にだけ目を入れたところ良い蚕ができた、という噂から始まった習慣なんだって。
しかし、座禅を組み続けて手足が腐ったというのはすごい言い伝えです。
願掛けにしても諸説ありそうな話ですね。
諸説について調べてみましょう。
他の願掛け起源
江戸時代、群馬が飢饉になり、糊口をしのぐ為の農家の生業が高崎だるま量産の始まり。
しかし、生活の必需品でないだるまは、一度買えば買い替えの需要はない。そこで、群馬の各寺社の縁日で販売していた縁から、
「縁起ものとして年始には願掛けをする。
翌年にはそのだるまを納め、昨年のものより大きなだるまを買い求める。」
というシステムを考え出しました。
その際に、まず購入したらすぐに墨で右目を入れ、願いが叶ったら左目を入れるという願掛け法を広めました。
これもなかなか説得力があります。
毎年買い換えなければならないという需要を喚起するためにどうしたらよいか、という苦肉の策といったところでしょうが、そういうものか、と納得させられるのがよいですね。
願掛けの作法
通常は「左目から」選挙では「右目から」
通常、左目から先に入れます。
片目を入れることで、命が吹き込まれるのです。
これは密教の『阿吽』という言葉から来ていると言われています。
『阿』というのは全ての始まりを、『吽』は終わりを差します。
だるまの左目が『阿』を、右目が『吽』を示しているのだそうです。
中には白目の中に黒い丸ではなく、それぞれの文字の梵字を書き入れる地方もあるぐらいです。
左目に黒目を入れて願い始め、叶えば右目に黒目を入れて終える、ということなのです。
ただし、正確に決まっているというわけではなく、選挙では右目から入れるのが多いようです。
願いが叶ったら両目を入れて、だるまを授かったところに奉納しましょう。
また、だるまの効能期限は、基本的には一年です。
一年経って願いが叶わなければ、奉納し、再度授かって命を吹き込みます。
だるまの両目を入れて奉納できるよう、願いを掛けるのです。
だるまの目入れは仏教の「開眼」を表していて、
右目から入れて開眼させてだるまに魂を呼び込み、かなったら左を開眼させるというのもありました。
どちらにしても、縁起物ですし粗末に扱わなければ問題ないのではないでしょうか。
日本三大だるま市
富士市の「毘沙門天祭だるま市」は毎年旧暦1月7日~9日に開催されます。全国から多くの観光客が押し寄せ、だるま以外にもたくさんの露店も出るため、例年大いに賑わっています。深大寺のだるま市は、江戸時代から続く風物詩として、庶民に人気の縁日です。すでに300年以上は続いていると考えられています。毎年3月に行われる深大寺の最大の行事「厄除元三大師大祭」に合わせ、縁起もののだるまの市も立つようになりました。
高崎の少林山達磨寺は、福だるま発祥の寺として知られています。高崎だるまは、200年ぐらい前の江戸時代に作り始めたと言われており、現在ではだるま生産量日本一です。その数は90万個と発表されています。
開催時期が1・2・3月とそれぞれずれているので、年初から一つずつ行ってみるのもありではないでしょうか。
しかしながら、南インドの高僧から始まっただるまが
ここまで日本に浸透しているというのも感慨深いものがあります。